
✓暑中見舞いと残所見舞い、それぞれの期間はいつ?
✓手紙やハガキは何て書いたらいいの?
こんな疑問を解消します。
『暑中見舞い』と『残暑見舞い』は、夏の暑い時期にお世話になってる方や親しい相手に送る、季節の挨拶。
でも、いざ出そうとすると分からないことも多いですよね。
暑中見舞いはいつまでに出す挨拶で、いつから残暑見舞いに切り替わるのでしょうか?また、暑中見舞いと残暑見舞いには決まった書き方があるのでしょうか?
そこで今回は、暑中見舞いと残暑見舞いを出す時期、頼りの書き方とそのまま使える文例についてお話します。
このページの目次
『暑中見舞い』と『残暑見舞い』とは
日本では古くから、季節の変わり目には親しい相手やお世話になった相手に対して、季節の挨拶を出す風習があります。
夏の便りである『暑中見舞い』と『残暑見舞い』も同じもの。
ハガキを出すのが一般的で、時候・季節の挨拶、安否伺い、近況報告などが目的です。
行う内容自体に違いはないため、同じものだと思ってる方もいるかもしれませんが、両者は明確に異なるものです。
POINT
- 「暑中」とは1年で最も暑さが厳しい時期
- 「残暑」とは立秋を過ぎても暑さが残る頃
この時期というのが、両者を明確に分ける大事なポイントになります。
暑中見舞いが生まれた経緯
暑中見舞いの風習は、お盆のご先祖様へのお供え物が変化したものだと言われています。
昔は、お盆の時期に里帰りする際、ご先祖様へのお供え物を持参する風習がありました。
この風習は、時代と共に夏バテを防ぐ食べ物を送る形に変わっていき、現在では「お中元」として受け継がれています。
このお中元が簡略化されて、手紙・ハガキで挨拶をする形式になったのが暑中見舞いと残暑見舞い。
ちなみに、お中元の時期が遅れてしまった場合には、表書きを「暑中見舞い」「残暑見舞い」と記すのがマナーです。
暑中見舞いと残暑見舞いを出す期間はいつからいつまで?
一般的には、梅雨明けから8月初旬までが「暑中見舞い」で、立秋から8月末までが「残暑見舞い」となります。
以降でそれぞれの日付と期間をもう少し具体的に見ていきましょう。
暑中見舞い
二十四節気における「小暑(7月7日頃)」から、「立秋前日(8月6日頃)」までに送ります。
気を付けるポイントは、暑中見舞いは梅雨が明けてから送るのが一般的であり、ここでいう梅雨明けは自分の地域ではなく、送る相手の地域を指します。梅雨明けの時期は地域差があるので、暑中見舞いを出す際は気を付けましょう。
また、立秋は年によって1日前後しますので、カレンダーで確認するようにしてください。
MEMO
暑中見舞いの具体的な日付は、7月7日~8月6日頃まで。
残暑見舞い
暑中の期間は立秋の前日までなので、「立秋(8月7日頃)」から、8月の末までに送ります。
しかし、8月末に出せばいいというわけではなく、8月末までに相手の元へ届くように送らなければいけません。
近年は9月どころか10月に入っても暑い日が続きますが、それでも残暑見舞いは8月中に送るのがマナーです。
MEMO
残暑見舞いの具体的な日付は、8月7日頃~8月31日まで。
したがって、暑中見舞いから残暑見舞いに切り替わるポイントは「立秋(8月7日頃)」となります。
立秋が過ぎても猛暑は普通に続くうえに、8月が過ぎてもまだまだ暑い日は続きますが、「暑中見舞い」と「残暑見舞い」の時期はくれぐれも間違えないように注意してください。
暑中見舞いと残暑見舞いの書き方&文例
決まった形式は特にありませんが、基本的に文の構成は暑中見舞いも残暑見舞いも同じです。
POINT
- 季節の挨拶
- 時候の挨拶や先方の安否を気遣う言葉
- 近況報告・お礼文・結びの挨拶
- 日付
この4つのブロックで構成されています。
<①季節のあいさつ>
- 暑中お見舞い申し上げます
- 暑中お伺い申し上げます
- 残暑お見舞い申し上げます
- 残暑お伺い申し上げます
<②時候のあいさつ、先方の安否を気遣う言葉>
■暑中見舞い
- 猛暑が続いておりますが、いかがお過ごしでしょうか。
- 梅雨が明けて本格的な夏がやってまいりましたが、ご壮健にお暮らしでいらっしゃいますか。
- 大暑の候、お変わりなくご活躍のこととお喜び申し上げます。
■残暑見舞い
- 立秋とは名ばかりの暑い日が続く毎日ですが、皆様お変わりございませんか。どうぞお元気で過ごされますよう。
- 夏の疲れが出やすい頃ですが、お元気にお過ごしでしょうか。
- 残暑の候、ご無沙汰しております。熱帯夜が続く異常な暑さでしたが、ご体調はいかがでしょうか。
<③近況報告・お礼・結びのあいさつ>
ご自身やご家族の近況報告、お礼の言葉。
結びのあいさつは、相手の健康を気遣い、無事を祈る一言。
■結びのあいさつ:暑中見舞い
- 暑さ厳しき折柄、くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます。
- 暑さはこれからが本格的です。水分と栄養をしっかりと補給し、この夏を乗り切ってください。
■結びのあいさつ:残暑見舞い
- 秋はまだ遠く感じられるこの頃、ご無理はなさらず、お身大切にお願い申し上げます。
- これからも暑い日が続きますので、お身体を大切に、くれぐれもご自愛ください。
<④日付>
正確な日付を記すのではなく、下記のような書き方をします。
暑中見舞い・・・「令和○○年成夏」
残暑見舞い・・・「令和○○年晩夏」「令和○○年立秋」「令和○○年葉月」
暑中見舞いや残暑見舞いでは「拝啓」や「敬具」は使用しません。
今年の夏は「暑中見舞い」や「残暑見舞い」を書いて送ってみよう!
共に夏の挨拶である「暑中見舞い」と「残暑見舞い」。混同されることも多い2つですが、出す時期や書く内容を把握して、正しく送るのが大人のマナーです。
ただ、年賀状や他の季節の便りに比べて、それなりに自由な表現を許されているところがあるコミュニケーションツール。
冒頭の「暑中(残暑)お見舞い申し上げます」と時候の挨拶を守れば、後はそこまでガチガチに形式にこだわらなくてもいいので、あなたの近況報告を記すなどプライベート感を強くしても大丈夫です。
電話やメール、SNSで簡単に挨拶や安否確認ができる時代ですが、だからこそ手間をかけたハガキで季節のあいさつを交わすというのは、とてもステキなことだと思います。
古くから伝わる日本の良き風習。今年の夏は相手のことを想いながら、暑中見舞いや残暑見舞いを書いてみてはいかがでしょうか。