
✓何をするの?飲み会?
✓暑気払いにピッタリの食べ物は?
こんな疑問を解消します。
暑さが身にこたえる時期になると「暑気払い」という言葉をよく耳にするようになります。会社の同僚や親しい友人と一緒に、冷えたビールで「乾杯!」するのも格別ですよね。
そのように、暑気払いといえば飲み会のイメージが強いと思われます。夏の風物詩ともいえる暑気払いの本来の意味・目的は何なのでしょうか?
この記事では、暑気払いを行う意味を分かりやすくお伝えすると共に、ピッタリの食べ物や飲み物もご紹介します。
このページの目次
暑気払いとは(目的・意味)
※暑気払いの読み方は「しょきばらい」
暑さが身にこたえる時期になると「暑気払い」のお誘いを受けることも増えますよね。飲み会のイメージを持たれている方も多いでしょうが、何も飲み会に限ったことではありません。
暑気払いの本来の意味はこちら▼
暑い夏に、体を冷やす効果のある食べ物や飲み物、体を冷やす効能のある漢方や薬を摂取して、体に溜まった熱気を取り去り、暑さを打ち払う風習。
暑気払いは名前の通り、暑さを払う(取り去る)ために行われる行為全般を指す言葉です。
現在においては冷えたビールを飲む宴席や飲み会という形式が主流ですが、本来は麦茶やかき氷のような冷たい食品全般、体を冷やす効能を持つ漢方や薬も含まれます。
さらに、本来は海や川遊び、プールや行水など冷たいものに触れることも暑気払いのひとつ。
暑気払いは江戸時代から続く日本の風習。そして日本人の暑さに対抗するための智慧なのです。
MEMO
夏の暑さで熱がこもった身体を、熱を取り除く食品や漢方などを摂取して、「元気に夏を乗り切ろう!」というのが目的になります。
暑気払いを行う時期は?
暑気払いを行う時期についてですが、これは明確に決まった時期があるわけではありません。目的は暑さを取り払うことなので、暑さが辛いと感じた時期に行えばそれが暑気払いになります。
一般的に暑気払いという言葉を使う時期、使っても違和感のない時期は以下の通り▼
POINT
梅雨明け頃、または暦の上では夏の中間にあたる夏至(6月21日頃)の頃から、暑さが和らぐ9月上旬頃まで。
この時期なら暑気払いと言っても違和感はないでしょう。
昔は処暑(8月21日頃)までとも言われていました。しかし、年々暑い期間がじわじわ長くなっており、残暑も伸びているため、6月から9月上旬と長期間に渡って暑気払いが行われています。
会社の場合は、梅雨明けからお盆前までの集まりを暑気払いとされることがが多いようです。
暑気払いにオススメの食べ物と飲み物
次に、暑気払いに食べると良いとされている食べ物や飲み物を紹介します。単純に食べるとひんやりする冷たい食品が良いのはもちろん、身体を冷ます”効能”があるかどうかも大切なポイントです。
麦(ビール、そうめん、蕎麦)
「麦」は6月~7月に収穫される旬の食材。
旬の食材は栄養価が高いうえに、麦には身体を冷やす作用があるため、夏バテ予防に最適な食材。
「ビール」の原材料も麦なので、暑気払いにビールというのは案外理にかなっているのかもしれません。身体を冷やし、利尿作用で不要な老廃物を排出する働きがあります。
ただし、飲みすぎるとその利尿作用が原因となり、逆に水分不足に陥る危険性があるため飲み過ぎだけは注意してください。
また、小麦を使用している「そうめん」「冷や麦」「麦とろごはん」は食欲が落ちているときでも食べやすいため、暑気払いには特にオススメの食べ物です。
瓜(スイカ、きゅうり、ゴーヤ)
夏が旬の「ウリ科」の作物(スイカ、きゅうり、ゴーヤ、かぼちゃ、冬瓜)もよく食べられています。
- スイカときゅうりは身体の熱を下げる作用と、利尿作用
- ゴーヤは夏バテ予防に必要なビタミンCが豊富
- かぼちゃはβカロチンやビタミンCなど栄養豊富な作物
- 冬瓜はカリウム・ビタミンCが豊富、あっさりした味わいで夏バテに◎
暑気払いとしてこれらの食材を使った料理を食べて、夏バテに負けない体づくりをするのもいいでしょう。
梅干し、梅酒、梅ジュース
日本の伝統食材として昔から親しまれてきた「梅」。
ミネラル含有量はりんごやみかんより豊富で、何と言っても梅の酸味成分であるクエン酸には疲労回復や食欲増進効果も。食中毒予防効果もあるため、これからの厚い季節では大活躍です。
梅といえばやはりシンプルに梅干し。「一日一粒で医者いらず」と言われる健康食品。夏バテで落ちた食欲を回復させてくれるだけでなく、消化吸収を助ける働きもあります。
また、果実酒の中でも人気の梅酒も暑気払いにピッタリ。美味しいだけでなく、薬効を期待できるおすすめの飲み物です。
夏の水分補給には酸っぱくて美味しい梅ジュースが最高。梅酒同じく暑気払い効果が高いうえに、二日酔い解消にもうってつけなので、暑気払いでビールを飲んだ次の日の朝に飲むとすっきりしますよ。
かき氷
日本の夏に欠かせない「かき氷」も外せません。
アイスクリームも暑気払いにもってこいのスイーツですが、かき氷の方が身体の熱を下げる効果は大きいです。
平安時代の頃から夏に氷を「かき氷」にして食べられていた様子が、清少納言の枕草子から伺えます。
あてなるもの。削り氷(ひ)に甘葛(あまずら)入れて、新しき鋺(かなまり)に入れたる。
清少納言もかき氷で暑気払いしていたのかもしれませんね。千年も昔から食べられている氷菓子。現在でもかき氷は日本人に愛されている暑気払いスイーツです。
余談ですが、昔は氷が非常に貴重品で、貴族のような高貴な身分の者しか食べられませんでした。そのため、庶民は氷の代替品として、氷に見立てた和菓子「水無月」を食べていたそうです。
氷が一般にも普及しはじめたのは、製氷機が開発された明治時代になってから。
暑気払いを行い厳しい夏を元気に乗り切ろう!
夏の風物詩でもある「暑気払い」。現在では飲み会やビールのイメージが先行していますが、本来の暑気払いはそれだけに限ったことではなかったのです。
本来は冷えた食べ物や飲み物、体を冷やす効能のある作物を摂取して、体に溜まった熱気を打ち払うことが目的の風習。つまり、身体を冷やす効果のあるものを利用して、元気に夏を乗り切ろう!ということです。
キンキンに冷えたビールをグイっと流し込むのも悪くありませんが、夏が旬の作物を使った料理やかき氷を食べて、暑さや夏バテに負けない体づくりを行うのも賢い過ごし方と言えます。
日本に古くから伝わる風習の知恵を借りて、今年も厳しい夏の暑さに立ち向かいましょう。
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