
✓今年の小満はいつ?
✓小満が旬の食べ物や花は?
こんな疑問を解消します。
日本には二十四節気という1年を24分割した季節の指標があります。その中の一つで、万物がすくすく成長する季節となるのが『小満』。
日の光がいっそう強まり、秋にまいた麦に穂が実る時期でもあります。そんな小満とはいったいどんな意味を持つ季節なのでしょうか?
このページでは、二十四節気の一つ「小満」についての意味や由来などを分かりやすくご紹介します。
小満とは
二十四節気 | 候 | 七十二候 |
小満
(しょうまん) |
初候 | 蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ) |
意味:蚕が桑を食べ始める | ||
次候 | 紅花栄(べにばなさかう) | |
意味:紅花が咲きほこる | ||
末候 | 麦秋至(むぎのときいたる) | |
意味:麦の穂が熟して麦秋となる |
小満は二十四節気の一つ。
二十四節気とは
太陽の黄道上(太陽の周りを地球が1周する軌道)の動きを、春分日を0度として1周360度をほぼ15度ごとに24分割して、15度ごとに季節を表す言葉をつけたもの。
もっと分かりやすく説明すると、1年を通した季節の変化を24分割して、それぞれの分岐点に季節を表す言葉をつけたものです。
小満は、そんな二十四節気の8番目であり、夏の2番目にあたります。
立夏(7番目)の次であり、芒種(9番目)の前に位置する節気です。
二十四節気について詳しく知りたい方はこちら▼
季節の便り「二十四節気」の意味と一覧【七十二候との関係も簡単に解説】
小満の意味・由来
江戸時代に発行された暦便覧(こよみびんらん)では、「万物盈満すれば草木枝葉繁る」と解説されています。
盈満(えいまん)の意味は「物事が満ち足りること」。つまり、草木や生物など万物が次第に成長し、天地が満ち始めるという意味となります。
真夏に向けて陽の光が強まる頃で、それに呼応するかのようにあらゆる生命が生き生きと成長する季節です。
また、小満は秋にまいた麦の収穫期です(麦秋)。麦が無事成長してほっと安心することから、「小さな満足=小満」となったとも言われています。
この頃はぐずついた空模様が続くのも特徴。これを「走り梅雨」とも言い、通常はその後に晴れた日が続き、やがて本格的な梅雨に突入します。
小満はいつ?
小満など二十四節気それぞれの日にちは毎年同じとは限りません。年によって1日ズレることもあるので気を付けてください。
また、カレンダーを見ると基本的に日にちのみ記載されていますが、二十四節気は日にちを指す場合、期間を指す場合の2つの見方があります。
小満は毎年だいたい5月21日頃。および芒種までの約15日間の期間です。
年 | 日付(期間) |
2024年 | 5月20日(~6月4日) |
2025年 | 5月21日(~6月4日) |
2026年 | 5月21日(~6月5日) |
2027年 | 5月21日(~6月5日) |
2028年 | 5月20日(~6月4日) |
小満を感じられる「旬」のモノ
食べ物、花、風習にイベントなど、小満ならではの旬を感じられるモノをまとめました。
【小満】季節の風習・行事・イベント
小満の時期に迎える主な行事やイベントは以下の通り。
衣替え
夏の衣替えの目安は6月1日。衣替えとは季節に応じて衣服を変える慣習で、平安時代では宮中行事として扱われていました。
小満の時期はぐずついた天気(走り梅雨)が続きますが、通常その後の本格的な梅雨の前に晴れの日が続きます。衣替えの時期は、走り梅雨の前か、梅雨前の晴れの日がおすすめ。
また、冬服をしまう際は梅雨に備えて除湿や虫よけの対策も忘れずに行っておきましょう。。
【小満】季節の食べ物
次に、小満の頃が旬となる美味しい食べ物を紹介します。
そら豆
初夏を代表する味覚。だいたい4月から6月に旬を迎えます。
とそら豆は鮮度が命のデリケートな野菜です。鮮度の落ちが非常に早く、「美味しいのは収穫してから3日だけ」と言われているほど。入手したらその日のうちに食べるのが一番です。
調理法はやっぱり塩茹でが定番。他にも焼きそら豆、ポタージュ、天ぷらもおすすめです
びわ(枇杷)
びわの旬は初夏です。最近はハウス栽培された早生種のものが1月頃から出回りますが、一般的には店頭に多く並べられるのは4月頃から。もともとの自然の土壌で作る露地栽培されたものは、だいたい5月~6月が最盛期です。
甘酸っぱい風味とジューシーな食感が特徴。傷みやすい繊細な果物なので、強く押したり雑に扱わないようにご注意を。また、追熟しないのでなるべく早く食べるようにしましょう。冷蔵庫に入れると傷みが早まるので気を付けて。
キス(鱚)
キスの旬は初夏から夏にかけての時期。6月から10月頃に産卵期を迎える魚なので、産卵前の初夏あたりのキスは栄養を蓄えているため、身の締まりが良く脂がのった美味しいキスが獲れます。
定番の食べ方は、ふわふわ食感がたまらないキスの天ぷら。他にも唐揚げや塩焼き、新鮮なキスならお刺身もおすすめです。
【小満】季節の花
小満に見頃を迎える花を紹介します。
スズラン(鈴蘭)
4月~6月に開花時期を迎える花で、5月頃に見頃を迎えます。
ベニバナ(紅花)
5月~7月頃が開花時期の花で、6月下旬~7月上旬頃に見頃を迎えます。
カーネーション
4月下旬~6月頃が開花時期の花で、5月に最盛期を迎えます。
キンギョソウ(金魚草)
4月~6月頃に開花時期を迎える花ですが、冬の時期に開花する品種もあります。
ワスレナグサ(勿忘草)
3月下旬~6月上旬頃に開花時期を迎える花です。
ナデシコ(撫子)
4月~11月頃に開花時期のお花で、5月中旬~5下旬頃に見頃を迎えます。
まとめ
小満のころは陽気が良くなり、植物はすくすく成長し、動物や昆虫たちも活発に動き回ります。生命力に満ち満ちており、自然界の変化を如実に感じることができる季節です。
また、小満の時期ならではの旬の食材も食卓をにぎわせてくれます。そら豆、びわ、さくらんぼのように旬の時期が短い作物も多いので、忘れず堪能できるといいですね。
これから迎える雨の季節、そして夏本番に向けて、旬の食べ物やお花を取り入れて英気を養ってください。また、自然豊かな場所に出掛けて、あふれんばかりの生命力をお裾分けしてもらうのもいいでしょう。