
✓今年の土用の丑の日はいつ?
✓うなぎ以外の食べ物はある?
このような疑問を解消します。
うなぎを食べて英気を養うひとして有名な土用の丑の日。この日ばかりは夏バテ解消のために少し奮発してうなぎを食べる方も多いと思います。
そもそもなぜうなぎを食べるのでしょうか?また、あまり知られていませんが、実は土用の丑の日は夏だけではなく、一年間に何度もやって来ているんです。
意外と知らない事が多い土用の丑の日。「土用」や「丑の日」の意味もあまり知られていませんよね。
そこでこの記事では、土用の丑の日の意味や今年はいつなのか、うなぎを食べる理由などについてご紹介します。
このページの目次
土用の丑の日とは
土用の丑の日を一言で説明すると、「土用の期間」に巡ってくる「丑の日」のことです。まずは、土用とはなんなのか、丑の日とはなんなのか、その意味を順番に見ていきましょう。
土用の意味
「土用」とは、季節の節目を知るために設けられた日本独自の暦「雑節(ざっせつ)」の一つ。
今でこそ土用といえば夏土用が一般的でしょうが、本来は四立(立春・立夏・立秋・立冬)の直前18日間(又は17日・19日間)の期間を指します。
それぞれの呼称は「春土用」「夏土用」「秋土用」「冬土用」。
土用の期間
- 【冬土用】立春の直前約18日間 ⇨ 1月17日~2月3日頃
- 【春土用】立夏の直前約18日間 ⇨ 4月17日~5月4日頃
- 【夏土用】立秋の直前約18日間 ⇨ 7月21日~8月7日頃
- 【春土用】立冬の直前約18日間 ⇨ 10月20日~11月6日頃
※四立は年によって1日前後するため、土用の期間も年によって変化します
もともとは中国の陰陽五行説からきており、万物の元素たる「木、火、土、金、水」のそれぞれを、「春は木、夏は火、秋は金、冬は水」というように四季にあてはめました。
そして、一つだけ余った「土」を四立の直前約18日間にあてはめたのです。それが土用の始まり。
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丑の日の意味
昔の日にちは「十二支」を割り当てて数えられていました。暦は十二支の数と同じく12周期で回ってきます。
「丑の日」というのは、
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・申・酉・戌・亥
この「丑(うし)」にあたる日のことを指しています。
つまり、土用の丑の日とは、そのままの意味で”土用の期間にやってくる丑の日”のこと。
2023年の土用の丑の日はいつ?
土用の丑の日といえば夏をイメージされる方が多いでしょうが、先ほども説明した通り1年に何度も訪れています。
ちなみに「土用」と「土曜日」は全く関係ありません。
土用の期間は年に4回あり、期間内の18日間に巡ってくる丑の日すべてが土用の丑の日。
春夏秋冬それぞれで必ず1回は訪れます。さらに十二支の暦は12日で1周回ってくることから、一つの季節で2度巡ってくることも珍しいことではありません。
2023年の土用の丑の日
- 1月19日(木)
- 1月31日(火)
- 4月25日(火)
- 7月30日(日)
- 10月22日(日)
- 11月3日(金)
また、2020年のように夏に2回(7/21、8/2)土用の丑の日が来ることもあり、このように1シーズンに2回訪れる場合は、1回目を「一の丑」、2回目を「二の丑」と呼びます。
どうして土用の丑の日にうなぎを食べるの?
土用の丑の日といえばうなぎですが、どうして土用の丑の日に「鰻(うなぎ)」を食べる習慣が生まれたのでしょうか?
これに関しては諸説あります。
平賀源内のアイデア説
最も有名なのは、エレキテルで知られる「平賀源内が考案」した説。蘭学者、発明家、医者、陶芸家など、多彩で様々な顔を持つ江戸時代の偉人。
平賀源内は、うなぎが売れず困っていたうなぎ屋から相談を受けました。そこで源内は、当時あった「土用の丑の日に『う』から始まる食べ物を食べると夏負けしない」という風習に目を付けます。
「土用の丑の日、うなぎの日。食すれば夏負けすることなし。」
と書いた張り紙を店に貼りなさい……とアドバイスをしたところ、言われた通りにしたうなぎ屋は大繁盛。
これを聞いた他のうなぎ屋もこぞって真似するようになり、次第に「土用の丑の日にはうなぎを食べる」という習慣が定着していったとされています。
昔からスタミナ食として親しまれていた
夏バテ解消に効果的な食材として、現在でも夏に食べられることが多いうなぎ。実際たんぱく質が豊富で、ビタミンAやB群など、疲労回復や食欲増進に効果のある栄養素をたくさん含んでいます。うなぎはまさに滋養強壮のスタミナ食。
実は、夏にうなぎという風習は今に始まったことではありません。日本最古の和歌集「万葉集」には、奈良時代の歌人「大伴家持」が詠んだうなぎの歌が記載されています。
石麻呂に 吾れもの申す 夏痩せに
よしといふものぞむなぎとり召せ
石麻呂という人物に、大伴家持が夏痩せには「むなぎ(うなぎ)」が良いと薦めている歌です。
この歌からもかなり古くからうなぎが夏バテに効果的だと考えられていたことが伺えます。
うなぎ屋「春木屋説」
3つ目は、神田泉橋通りのうなぎ屋「春木屋善兵衛」が元祖説です。
文政年間の土用、大名・藤堂家から蒲焼の大量注文を受けたうなぎ屋「春木屋善兵衛」。
「子の日」「丑の日」「寅の日」の3日間に渡って蒲焼を作り、土甕(どがめ)に入れて保存しておいたところ、丑の日に作った蒲焼だけが色合いも風味も悪くなりませんでした。
丑の日に焼いた蒲焼を納めると、大名にとても喜ばれ、春木屋が「丑の日元祖」となった説。
土用の丑の日に食べるうなぎ以外の食べ物
昔から「土用の丑の日に『う』から始まる食べ物を食べると夏負けしない」と言われていました。
土用の丑の日の食べ物といえばうなぎが定着していますが、うなぎ以外にも食べると良いとされている食べ物があるのでご紹介します。
夏バテに効果的とされる頭に「う」のつく食材
例えば以下の食べ物があります。
頭に「う」のつく食べ物の一例
- うどん
- 梅干し
- ウリ科の食材
- 牛肉・馬肉・うさぎ肉
いずれも栄養価が高く、夏バテや食欲不振に効果的だったり、消化吸収を助けてくれる食べ物ばかり。
うなぎ以外の行事食
上記で紹介した頭に「う」のつく食べ物以外にも、土用の丑の日に相応しいとされている行事食が3つあります。
土用の丑の日に食べる行事食
- 土用餅(どようもち)
- 土用蜆(どようしじみ)
- 土用卵(どようたまご)
やはりどれも夏バテに効果的な栄養価が高く滋養強壮になる食べ物ばかりです。
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ウナギだけじゃない!土用の丑の日の食べ物【土用餅、土用しじみ、土用卵とは?】
土用の丑の日は「うなぎ」や「う」の付く食べ物で元気に!
うなぎで有名な土用の丑の日ですが、実は夏だけではなく1年に何回も訪れます。夏だけで2回巡ってくることも珍しくありません。
ただ、現在だとやはり夏バテ解消を目的として紹介されることが多く、夏の日というイメージが定着しています。
この日にまつわる食べ物も、定番のうなぎをはじめ、うどんやウリなど夏バテに良いとされている食材ばかり。
本来うなぎは秋冬が旬の魚ですが、昔から滋養が強いスタミナ食として愛されており、一説では平賀源内がプロデュースしたとも言われています。
夏の暑さに負けない体づくりをするためにも、「う」のつく食べ物で英気を養ってみてはいかがでしょうか?