
✓今年の十六夜はいつ?
✓読み方は「じゅうろくや」じゃない?
こんな疑問を解消します。
一般的にお月見といえば中秋の名月と呼ばれる十五夜が有名でしょうが、他にも「十六夜」というお月見行事が現代にも残っています。およそ満月の翌日、十五夜にも負けず劣らない美しい月を観賞できる日です。
でも、どうしても十五夜や十三夜と比べると知名度は劣るため、十六夜がどのような行事なのかよく知らない方も多いかもしれません。
この記事では、十六夜の意味と読み方、時期はいつなのか、どんな月が見れるのかをご紹介します。
十六夜はいつ?
十六夜は毎月新月から数えて16日目の夜、もしくはその日の夜の月を指す言葉。
一般的には「十五夜(中秋の名月)の翌日の旧暦8月16日」のことを十六夜と呼びます。現在の新暦に当てはめると9月下旬~10月上旬頃。十六夜は毎年同じ日ではなく、年によって日にちが変わります。
- 月の満ち欠けを基準にしてる旧暦の1ヶ月は約29日
- 現在の太陽の動きを基準にした新暦は1ヶ月が30日か31日
旧暦を新暦に直すとだいたい一ヶ月程度ズレが生じるため、年によって日にちが変わってしまうわけです。
十六夜(旧暦8月16日)の日にち早見表
- 2022年 ⇨ 9月11日(日)
- 2023年 ⇨ 9月30日(土)
- 2024年 ⇨ 9月18日(水)
- 2025年 ⇨ 10月7日(火)
ちなみに、十五夜(中秋の名月)の日にちはこの前日となります。
十六夜とは
古来より日本人は月を信仰の対象としたり、月の変化を農作業の目安にしたりと、人々の生活と密接に関係していました。そのため、満月だけではなく月の満ち欠けにも注目していたのです。
現在はお月見と言えば十五夜を指すのが一般的となっています。でも、古くは三日夜、十六夜、二十三夜、二十六夜など特定の月例の月が信仰の対象とされており、その日は酒を酌み交わすなどして月を愛でていました。
十六夜は新月から数えて16日目の夜もしくはその夜の月を指します。
秋の十五夜と十六夜といえば、空気が澄み渡り、月がはっきり見えるお月見にピッタリの時期。昔は15日、16日と連日で月を愛でるのが定番だったそうです。この特定の月例の月が現れるのを待ち、飲食を楽しむ風習を「月待ち」と呼びます。
十五夜についての詳細はこちらの記事をご覧ください▼
「十六夜」の読み方は?
十六夜と書いて「じゅうろくや」もしくは「いざよい」と読みます。いざよいは「猶予う(いざよう)」を由来としている言葉です。
「猶予う(いざよう)」の意味
- 進もうとして進めないでいる(ためらう)
- 進まないで止まりがちになる(とどこおる、たゆたう)
- 「躊躇する」や「ためらう」という意味の動詞。その名詞形が「いざよい」
十六夜の月は十五夜の満月より50分遅れて出てくるため、「ためらうように昇ってくる月」という意味で「猶予いの月」。それが転じて「十六夜(いざよい)の月」と呼ばれるようになりました。
また、十六夜の月は別名「既望(きぼう)」「不知夜月(いざよいづき)」とも呼ばれています。
- 既望は「既に満月(望月)を過ぎた」という意味
- 不知夜月は「一晩中月が出ているので”夜を知らない”」という意味
「十六夜の月」ってどんな月?
前日の十五夜は1年で最も美しい月が見られるとされている日です。そのため、十五夜という言葉は満月を表す際に使われることもあります。
一方、十六夜の月は満月がやや欠けている状態だと言われています。でも、実際は十五夜だからといって必ずしも満月とは限りません。新月から満月になる月の周期スピードは一定ではなく、だいたい14~16日程度と数日の幅があるからです。
現在の十五夜と十六夜は、満月の日に合わせて行うのではなく、旧暦15日に行われるのが一般的。毎年必ず旧暦15日が満月になる訳ではないため、十五夜が満月ではない年もあるのです。
ということは、十五夜が満月ではなく、翌日の十六夜に満月を迎える年も普通にあるということ。
十五夜だけでなく十六夜のお月見も楽しもう
十六夜は十五夜と同じで本来は毎月あるもの。しかし、十五夜が最も美しいとされる中秋の名月として有名になったことから、十六夜も翌日旧暦8月16日を指すのが一般的となりました。
十五夜といえば満月をイメージされるかもしれませんが、実際の満月は十五夜を含む前後いずれかの日です。なので、十六夜に満月を見られる可能性も十分あります。
たとえ満月ではなくても、少し月が欠けた十六夜の月も美しいものです。今年は十五夜だけではなく、十六夜の月も愛でてみてはいかがでしょうか。秋の夜長に月を眺めて、季節の移ろいを感じてみてください。
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