9月

月にうさぎがいると言われているのはなぜ?【海外では異なる月の模様の見え方】

✓月にうさぎがいると言われているのはなぜ?
✓うさぎが餅つきしてる理由は?
✓海外は日本と見え方が違うの?何に見えてる?

こんな疑問を解消します。

 

「月にはうさぎが住んでる」「月にいるうさぎは餅つきをしてる」…そんな言い伝え、誰しもが一度は聞いた事あると思います。

月を見上げてジっと模様を眺めていると、「あそこが耳で、あのあたりが臼かな?」。不思議と本当にうさぎに見えてくるから面白い。

では、日本ではなぜ月にうさぎがいると言われているのでしょうか?

 

今回は、月うさぎについて調べて分かった由来や海外の月模様の見え方についてお話します。

月にうさぎがいる理由

月にうさぎがいると言われている理由

月うさぎ伝説にはいろいろな説がありますが、インドの「ジャータカ神話」という仏教の説話がもっとも知られています。

日本に伝わって『今昔物語集』にも収録され、広く語られるようになったのだとか。

 

ジャータカ神話の内容をかいつまんで解説する以下のようになります。

 

インドの月うさぎ伝説起源とされているお話

むかしむかしあるところに、うさぎ、キツネ、猿の3匹が仲良く暮らしておりました。

3匹はいつも、

「自分たちは前世の行いがわるかったから、今は獣の姿になっている」
「せめて今からでも、何か人の役に立てることをしよう」

そのようなことを話し合っていました。

 

それを聞いて感心した帝釈天(たいしゃくてん)は、「なにかいいことをさせてあげよう」と考え、疲れ果てた老人に姿を変えて3匹の前に現れたのです。
※帝釈天とは、仏教の守護神。古代インド神話の代表的な神である英雄神インドラのこと。

 

行き倒れて空腹を訴える老人に出会った3匹は、「これで人の役にたつことができる!」と喜び、老人を助けようと食料を探しに行きます。

猿は木に登って木のみや果物を集め、キツネは川から魚を捕ってきましたが、うさぎだけは特技がなく一生懸命探しても何も持ってこれませんでした。

 

自分の非力さを嘆きながらも何とか老人を助けたいと考えたうさぎ。

「私には皆のような特技はありません。せめて私の身を焼いて、私の肉を召し上がって下さい」と言って、自らの身を老人に捧げるべく火の中に飛び込んだのです。

 

その姿を見た老人はたちまち帝釈天の姿に戻ると、

「お前たち三匹の想いはよく分かった。次生まれ変わってきた時にはきっと立派な人間にしてやろう。特に身を犠牲にしたうさぎは、永久に月の中にその姿を残そう」

そう言ってうさぎを月に昇らせました。

 

その後、うさぎは蘇ったという説も・・・

このお話、最後のシーンが違っているとか、続きがあるという説もあります。

 

うさぎが火の中に飛び込み、黒焦げになった後、

哀れんだ老人は、うさぎの焼けた皮を剥いで月に映すと、皮を剥いだうさぎは生き返った……という説。

 

月に映るうさぎ模様の周りに見える煙状の影は、うさぎが自らその身を焼いた際の煙とも言われています。

 

うさぎが月で餅つきしてるのはなぜ?

うさぎが月で餅つきをしている理由

もう一つ気になるのが、どうして月でうさぎが餅つきをしているのか?ではないでしょうか。

これにも諸説あります。

 

上記で紹介したインドの説話から、

  • うさぎが老人のために餅つきをしている
  • 月でうさぎた食べ物に困らないように

という説。

 

また、古代中国を由来とする説では、「月うさぎは杵を持って不老不死の薬を作っていると考えられており、これが日本に伝わった際に「薬」から「餅」に変化したと言われています。

日本では満月のことを、十五夜や三五の月など様々な名称で呼ばれています。その中のひとつ「望月(もちづき)」が転じて「餅つき」になったという説。

 

それから、日本では秋の十五夜(中秋の名月)の時期がお米の収穫時期。

お月見は収穫祭を兼ねた行事であったことから、”たくさんのお米がとれたこと(秋の収穫)に感謝する”意味が込められているという説もあります。

 

参考記事

十五夜の意味や時期については、「十五夜とは?2020年はいつ?【中秋の名月との違いは何か】」で解説してますので、よければ参考にしてください。

 

海外の月の模様の見え方は日本と違う!

日本では「うさぎの餅つき」に見える月の模様ですが、この模様が何に見えるかは国によっと異なります。

 

月は地球に対していつも同じ面を向けて回っているので、月の表面の模様の形は世界中どこの国から見ても同じです。

違うのは「見え方」。月の模様からなにを想像するかは国によってさまざま。

ただ、形は同じでも月の向きと方角は違います。日本を基準にすると赤道あたりで90度、南半球では逆さに回転してますので、向きの違いも見え方に影響していると思われます。

 

海外の国々では何に見えてるのかを一部紹介します。

国ごとの月の模様の見え方

  • 中国 ⇨ うさぎ(餅ではなく薬草を挽く姿)、カニの地域もある
  • モンゴル ⇨ 犬(嘘をつくと月の犬が吠えるらしい)
  • インド ⇨ ワニ
  • インドネシア ⇨ 編み物をする女性
  • ベトナム ⇨ 大きな木&木の下で休む男性
  • ヨーロッパ ⇨ 大きなハサミを持つカニ
  • 東ヨーロッパ ⇨ 女性の横顔
  • 北ヨーロッパ ⇨ 本を読むお婆さん
  • ドイツ ⇨ 薪をかつぐ男性
  • アメリカ ⇨ 女性の横顔、ワニ、トカゲ
  • カナダ ⇨ バケツを運ぶ少女
  • 中南米 ⇨ ロバ
  • アラビア ⇨ 吠えるライオン
  • オーストラリア ⇨ 口を開けて笑う男性の顔

 

月うさぎ伝説の背景を知ってお月見をもっと楽しもう!

十五夜のお月見。綺麗な月をじっくり眺めていると、既にイメージとして刷り込まれているからか、だんだん月の模様がうさぎに見えてきたりします。

でも、それが当たり前すぎて、うさぎが月にいる理由って意外と知られていません。

 

これには諸説ありますが、もっとも知られているのはインドの「ジャータカ神話」。うさぎが身を犠牲にして老人を助けようとしたお話。月うさぎの背景には、悲しくも優しい伝説があったんです。

また、世界に目を向けてみると、カニや女性の横顔、本を読むお婆さんなど、国によって模様の見え方が全然違うのはとても興味深いですね。

 

今年の十五夜のお月見では、月うさぎに思いを馳せながら月を愛でてみてはいかがでしょうか。あの模様が何に見えるかを語り合うのも良いいかもしれません。

 

【お月見の過ごし方やお供え物についてはこちらの記事が参考になります】

おすすめお月見では何する?今年はいつ?【お供え物の種類やお月見の楽しみ方も!】

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