
✓2023年のお月見はいつ?
✓飾りやお供えのやり方は?
このようなお月見の疑問や悩みを解消します。
秋と言えば十五夜(中秋の名月)のお月見。秋は一年の中で最もお月様が美しく見える季節と言われています。美しい月を眺めて素敵なお月見を過ごされる方は多いでしょう。
日本人にとって非常に馴染み深い風習。しかし、お月見はいつ何をするのか、何を用意すればいいのかなど、分からなくて困っている方もいるかもしれません。
このページでは、お月見の意味や2023年はいつなのか、必要な物や準備の仕方など、お月見の基礎知識をご紹介します。
このページの目次
お月見とは
「お月見(おつきみ)」とは、読んで字のごとく”月を見る”こと。
お月見は十五夜の満月を観賞する様子を指し、主に旧暦8月15日(9月中旬頃)のひときわ美しいとされる「中秋の名月」に行われる伝統的な風習です。
別名「観月(かんげつ)」とも呼びます。
十五夜のお月見は秋の風物詩として古くから親しまれてきた風習です。本来の十五夜というのは旧暦の毎月15日の夜のこと。しかし、現在では十五夜といえば中秋の名月(旧暦8月15日)を指すのが一般的となっています。
十五夜についての詳細はこちらの記事をご覧ください▼
お月見は何をするの?
お月見お基本的な目的は美しいお月様を観賞すること。月を見ながらお酒を酌み交わして宴会を楽しむケースもあれば、落ち着いた雰囲気の中でじっくりお月様を眺める楽しみ方もあります。
これが現在のお月見の楽しみ方の主流でしょう。特に十五夜の時期になると、月やうさぎをモチーフにした小物・スイーツなどが店頭に並ぶため、自然とお月見ムードも高まってきます。
ただ、お月見が定番となっている十五夜というのは、「月を愛でつつ、秋の収穫に感謝し、豊作を祈願する日」という意味が込められている伝統行事。
伝統的なスタイルでお月見を楽しむのも風流で素敵な時間と言えます。
伝統的なお月見のやり方
- 月見台を決める(お月見をする場所)
- 「お月見団子」「ススキ」「秋の収穫物」などをお供えする
- 月を観賞しながらお供えした食べ物を食べる
2023年のお月見はいつ?
「お月見=中秋の名月」と思わがちですが、お月見は年に2回もしくは3回ある行事。伝統的なお月見は「十五夜」と「十三夜」。この2つを合わせて”二夜の月”も呼ばれています。さらに、「十日夜」も古くからお月見をする風習があった日です。
お月見の種類
- 十五夜(中秋の名月):旧暦8月15日(新暦9月中旬~10月上旬)
- 十三夜(後の名月) :旧暦9月13日(新暦10月中旬~11月上旬)
- 十日夜(三の月) :旧暦10月10日(新暦11月上旬~同月下旬)
十五夜、十三夜、十日夜のすべて晴れでお月見ができると縁起が良いとされています。
比較的知られているのは十五夜と十三夜で、昔はこの2つの片方しかお月見を行わないことを「片見月(かたみつき)」と呼び、縁起が悪いとされていました。
「今年はいつ?」と気になってる方は下記の早見表でチェックしてください。
年 | 十五夜 | 十三夜 | 十日夜 |
2020年 | 10月1日 | 10月29日 | 11月24日 |
2021年 | 9月21日 | 10月18日 | 11月14日 |
2022年 | 9月10日 | 10月8日 | 11月3日 |
2023年 | 9月29日 | 10月27日 | 11月22日 |
2024年 | 9月17日 | 10月15日 | 11月10日 |
2025年 | 10月6日 | 11月2日 | 11月29日 |
十五夜(中秋の名月)とは
お月見の代名詞となっているのが「中秋の名月」とも呼ばれる「十五夜(じゅうごや)」。
現在の暦では、9月中旬から10月上旬にあたる旧暦8月15日が十五夜となります。
日本には平安時代に中国から伝わってきた風習です。当時は貴族が和歌を詠み、船上で酒を酌み交わすような雅な宴を催していました。やがてこの風習が庶民にも拡がると、秋の収穫に感謝するお祭りの意味合いが強くなったそうです。
里芋の収穫期と同じだったことから「芋名月」と呼ばれることもあります。そのため、十五夜にはお月見団子と一緒に、この時期の収穫物として「里芋」をお供えすることが多いです。
十三夜(後の名月)とは
十五夜についで美しい月が見れると言われているのが「十三夜(じゅうさんや)」。別名「後の名月」とも呼ばれています。
現在の暦では10月中旬から11月上旬の旧暦9月13日が十三夜です。
十五夜の対となるのが十三夜で、この2つを合わせて「二夜の月」と呼びます。十五夜にお月見を行った場合、十三夜も同じ場所でお月見をするのが基本。どちらか一方しかお月見しなかったり、別の場所で見ることを「片見月」と言い、縁起が悪いと考えられていたそうです。
十三夜には他にも「栗名月」「豆名月」という別名があります。「栗」や「枝豆」がちょうど収穫時期を迎えていたからです。ちなみに、中国由来である十五夜とは違い、十三夜は日本固有のお月見行事です。
十日夜(三の月)とは
十五夜と十三夜に次ぐ3つ目のお月見として数えられているのが「十日夜(とおかんや)」。別名「三の月」と呼ばれています。
十日夜は旧暦10月10日に行われた収穫祭です。
あくまで稲の収穫をお祝いして田の神を見送る収穫祭であるため、お月見がメインではありません。月齢に関係なく新暦11月10日に実施されることも多いです。
行事の内容は地域によってさまざま。藁を束ねた「藁鉄砲」と「藁づと」で地面を叩き、モグラやネズミを追い払って五穀豊穣を祈ったり、稲の収穫を祝ってお餅をついて食べたりします。
他にも「案山子上げ」と言って、田んぼから庭に引き上げた案山子に、お餅や収穫物をお供えして一緒にお月見をさせてあげる地域もあるのだとか。
十日夜は主に東日本に残っている風習です。西日本にも十日夜によく似た「亥の子(いのこ)」もしくは「玄猪(げんちょ)」と呼ばれる風習があります。
正しいお月見のやり方
最近は本格的にお月見のお供え物や飾りを準備するご家庭は減少しているようです。そのため、興味はあっても何をどう準備すればいいのか分からない方もいるかもしれません。
昔ながらのお月見をやってみたい方向けに、お月見台を設置したやり方をご紹介します。
お月見台の場所決める
「お月見台」とは、お月見をする場所のこと。月を観賞できる場所であれば家のどこでも構いません。
お月見台の場所の一例
- 窓辺にテーブルを置く
- 出窓の張り出し部分を利用する
- ベランダ・庭・屋上にテーブルを出す
- 縁側にお供え物を置く
などなど。そこがあなたのお宅のお月見台となります。
お供え物や飾りを準備する
場所が決まったなら、次にお月見ならではの飾り・お供え物を用意しましょう。
お月見のお供え物
- お月見団子(十五夜は15個、十三夜は13個)
- ススキ
- 季節の野菜や果物(ぶどう、梨など)
- 十五夜には芋類(里芋、サツマイモ)
- 十三夜には栗や枝豆
全て用意する必要はありません。この中だと、お月見団子だけでもあるとお月見の雰囲気がグっと引き立ちますよ。
お月見台に飾るお供え物の意味
お月見にお供え物をするのは、日本人にとって月が信仰の対象だったからです。収穫祭としての意味合いも強いことから、次第に旬の収穫物をお供えするようになりました。
■月見だんご
月見団子は江戸時代から始まったお月見の代表的なお供え物。穀物の収穫に感謝しこれからの収穫を祈願して、お米を満月に見立てて丸めてつくったのが始まり。
関東では丸型が一般的です。関西では里芋に見立てた芋型の団子に、餡子やきなこをかけます。また、静岡はへそ餅という真ん中をくぼませた餅を使い、くぼみ部分に餡を入れるそうです。
■ススキ
形が稲穂に似ていることから、稲穂に見立てて豊穣を祈って飾られるようになったという説が有力。その他に秋の七草のひとつだからという説もあります。
また、ススキの葉が鋭いことから、魔除けの力があるとされ、お月見の後に軒先に吊るしておく風習もあるそうです。
■旬の野菜や果物
時代の変化と共に収穫祭としての意味合いが濃くなってきたことから、収穫した旬の野菜や果物もお供えします。
例えば、ぶどう、梨、柿、かぼちゃ、キノコ、栗、枝豆、芋類など。葡萄のようなツルものをお供えすると、月と人との繋がりが強くなるとして、縁起のいいお供え物とされています。
■里芋やさつまいも、栗や枝豆
十五夜は別名「芋名月」とも呼ばれています。芋類の収穫に感謝する意味も込められているため、里芋やサツマイモは代表的なお供え物です。
十三夜は別名「栗名月」、もしくは「豆名月」と呼ばれています。栗や豆の収穫のお祝いを兼ねているので、栗や枝豆を一緒にお供えすることも多いです。
月を眺めながらお供えした食べ物をいただく
準備が整ったらいよいよお月見の始まりです。月見団子を食べたり、月見酒で晩酌を楽しんだりして、お月見の宴を堪能してください。
お供え物として用意した食べ物は後ですべて食べるのが習わしです。神様への感謝の意味も含まれているので、お月見が終わった後に家族で美味しくいただいてください。お供え物をいただくことによって、神様との繋がりが強くなると考えられています。
思い思いのやり方でお月見を堪能しよう
お月見といえば一般的に十五夜(中秋の名月)を思い浮かべる方が多いでしょう。しかし、他にも十三夜と十日夜、秋には計3回のお月見の機会があります。
秋は空気が澄んでいるため、空がはっきり、月がくっきりと美しく見える季節。夏の暑さもちょうど和らいでくる時期であり、秋の虫が鳴き始めるなど、何かと風情を感じやすいのも魅力です。
今は本格的なお月見の準備をするご家庭は減っているのが実情です。しかし、月を愛でる風習は今も日本人の心に根付いており、その文化も色濃く受け継がれています。
せっかくなので、今年はいつもより気合いを入れてお月見の準備をして、じっくりお月見を楽しまれてみてはいかがでしょうか。
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