
✓2020年のお月見はいつ?
✓飾りとかお供えの仕方が分からない
このようなお月見の疑問や悩みを解消します。
秋と言えば十五夜(中秋の名月)に行う『お月見』ですね。せっかくなので、美しい月を眺めて素敵なお月見を過ごしたいと思ってる方も多いと思います。
しかし、そもそもお月見って何をする行事なのでしょうか?
お供え物は何を用意すべきなのか、どう飾るのが正しいのか分からない方も少なくないかもしれません。
そこで今回は、お月見の意味や準備の仕方、気軽に楽しめる過ごし方についてご紹介していきます。
このページの目次
そもそも『お月見』とは?何をするの?
「お月見(おつきみ)」とは、読んで字のごとく”月を見る”こと。別名「観月(かんげつ)」とも呼ばれます。
POINT
「十五夜」の満月を観賞する様子を指し、主に旧暦8月15日(9月中旬頃)のひときわ美しいとされる「中秋の名月」に行われる伝統行事です。
本来の十五夜というのは、旧暦の毎月15日の夜のこと。
現在だと、十五夜といえば中秋の名月を指すのが一般的で、十五夜ともどもお月見は秋の風物詩として親しまれていますね。
十五夜については下記の記事で解説していますので、よければ参考にしてください。
お月見では何するの?
お月見では、もちろん美しいお月様を観賞するのが基本。
この時期には月やうさぎをモチーフにした小物、スイーツが店頭に並ぶので、お月見ムードも高まります。
月を見ながらお酒を酌み交わしたり、料理を食べるなど、宴のようにワイワイ楽しむケースもあれば、一人でじっくりお月見の雰囲気を味合う方も多いですよね。
この過ごし方は間違っていません。むしろ今ではこれが普通とも言えるでしょう。
ただ、お月見をする十五夜というのは、「月を愛でつつ、秋の収穫に感謝し、豊作を祈願する日」という意味が込められています。
なので、「お月見団子」「ススキ」「秋の収穫物」などをお供えしたお月見の舞台「月見台」を用意して、そこで月を観賞するのが正しいお月見スタイルです。
お月見はいつ?一年に何回するもの?
お月見=中秋の名月と思ってる方もいるかもしれませんが、実はお月見は年に2回、もしくは3回あるものなのです。
伝統的なお月見は「十五夜」と「十三夜」。この2夜を合わせて”二夜の月”と呼ぶのですが、もうひとつ「十日夜」も昔からお月見をする風習がありました。
POINT
- 十五夜(中秋の名月):旧暦8月15日(新暦9月中旬~10月上旬)
- 十三夜(後の名月) :旧暦9月13日(新暦10月中旬~11月上旬)
- 十日夜(三の月) :旧暦10月10日(新暦11月上旬~同月下旬)
比較的知られているのは十五夜と十三夜で、昔はどちらか1回しかお月見しないことを「片見月(かたみつき)」と呼び、縁起が悪いことだとされていました。
また、十五夜、十三夜、十日夜、3つの日が晴れて、3回お月見すると縁起が良いと言われています。
それぞれの日にち、「今年はいつ?」と気になってる方は、下記の早見表をチェック!
年 | 十五夜 | 十三夜 | 十日夜 |
2020年 | 10月1日 | 10月29日 | 11月24日 |
2021年 | 9月21日 | 10月18日 | 11月14日 |
2022年 | 9月10日 | 10月8日 | 11月3日 |
2023年 | 9月29日 | 10月27日 | 11月22日 |
2024年 | 9月17日 | 10月15日 | 11月10日 |
2025年 | 10月6日 | 11月2日 | 11月29日 |
十五夜(中秋の名月)とは
お月見の代名詞、「中秋の名月」とも呼ばれる「十五夜(じゅうごや)」。
現在の暦では9月中旬から10月上旬にあたる、旧暦8月15日が十五夜となります。
日本では平安時代に中国から伝わってきた文化で、当時は貴族が和歌を詠み、船上で酒を酌み交わすような雅な宴を催していたそうです。
やがて庶民にも拡がると、秋の収穫に感謝するお祭りの意味合いが強くなりました。
里芋の収穫期であったことから「芋名月」とも呼ばれます。十五夜にはお月見団子と一緒に、この時期の収穫物として「里芋」もお供えします。
十三夜(後の名月)とは
十五夜についで美しい月が見れるとされているのが、「後の名月」とも呼ばれる「十三夜(じゅうさんや)」。
現在の暦では10月中旬から11月上旬、旧暦の9月13日が十三夜となります。
昔から十五夜の対として大事にされており、十五夜にお月見を行った場合、十三夜にも同じ場所でお月見をするのが良いとされていました。
どちらか一方しかお月見しないことを、上記でも述べたように「片見月」といい、逆に縁起が悪いと考えられていたからです。
また、十三夜は「栗名月」「豆名月」とも呼ばれます。お月見をする際には、ちょうど収穫時期を迎える「栗」や「枝豆」をお供えします。
ちなみに、中国由来である十五夜とは異なり、十三夜は日本固有のお月見行事です。
十日夜(三の月)とは
十五夜と十三夜に次ぐ3つ目のお月見の対象とされているのが、「三の月」とも呼ばれる「十日夜(とおかんや)」。
旧暦10月10日を指す日で、現在の暦だと年によって日にちは変わります。ただ、十日夜は稲の収穫を祝い、田の神を見送る収穫祭。お月見がメインでないため、月齢に関係なく新暦の11月10日に実施されることも多いです。
行事の内容は地域によってさまざま。
藁を束ねた「藁鉄砲」と「藁づと」で地面を叩いてモグラやネズミを追い払って五穀豊穣を祈ったり、稲の収穫を祝ってお餅をついて食べるなど。
「案山子上げ」と言って、田んぼから庭に引き上げた案山子にお餅や収穫物をお供えし、一緒にお月見させてあげる地域もあるそうです。
主に東日本で行われている風習ですが、西日本にも十日夜によく似た「亥の子(いのこ)」、あるいは「玄猪(げんちょ)」と呼ぶ行事があります。
お月見の準備をしてみよう!
最近はお供え物をするなど、本格的にお月見の飾りを準備する過程は少なくなりました。
風情ある古き良き風習ですので、もし興味があるなら今年のお月見には、お月見の舞台となる「月見台」を作ってみてはいかがでしょうか。
月見台の作り方|お供え物の種類と意味も
「月見台」とは、お月見をする場所のこと。月を観賞できる場所であれば、家のどこでも構いません。
月見台の場所
- 窓辺にテーブルを置く
- 出窓の張り出し部分を利用する
- ベランダ・庭・屋上にテーブルを出す
- 縁側にお供え物を置く
などなど。そこがあなたの家の月見台になります。
場所が決まったら、できればお月見の飾りにもなるお供え物を用意しましょう。
お月見のお供え物
- お月見団子(十五夜は15個、十三夜は13個)
- ススキ
- 季節の野菜や果物(ぶどう、梨など)
- 十五夜には芋類(里芋、サツマイモ)
- 十三夜には栗や枝豆
お月見団子だけでも飾ると、お月見の雰囲気がグっと引き立ちますよ。
月見台に飾るお供え物の意味
お月見にお供え物をするのは、日本人にとって月が信仰の対象だったからです。収穫祭としての意味合いも強いことから、旬の収穫物をお供えするようになりました。
■月見だんご
江戸時代から始まったお月見の代表的なお供え物である月見団子。穀物の収穫に感謝し、これからの収穫を祈願して、お米を満月に見立てて丸めてつくったのがはじまり。
関東では丸型が一般的ですが、関西では里芋に見立てた芋型の団子に、餡をつけたりきなこを振りかけるそうです。静岡はへそ餅という真ん中をくぼませた餅を使い、くぼませた部分に餡を入れます。
■ススキ
形が稲穂に似ていることから、稲穂に見立てて豊穣を祈って飾られるようになったというのが有力。秋の七草のひとつだからという説もあります。
また、ススキの葉が鋭いことから、魔除けの力があるとされ、お月見の後に軒先に吊るしておく風習もあるそうです。
■旬の野菜や果物
時代の変化と共に収穫祭としての意味合いが濃くなってきたことから、収穫した旬の野菜や果物もお供えします。
例えば、ぶどう、梨、柿、かぼちゃ、キノコ、栗、枝豆、芋類など。葡萄のようなツルものをお供えすると、月と人との繋がりが強くなるとして、縁起のいいお供え物とされています。
■里芋やさつまいも、栗や枝豆
十五夜は別名「芋名月」とも呼ばれ、芋類の収穫に感謝する意味も込められているため、里芋やサツマイモをお供えします。
十三夜は別名「栗名月」、もしくは「豆名月」と呼ばれ、栗や豆の収穫のお祝いを兼ねているので、栗や枝豆なんかも一緒にお供えします。
お供え物は食べてOK!
準備が整ったら、宴の開始!食事や月見酒で晩酌を楽しんだり、デザートに月見団子をパクリと頬張るなど、お月見の宴を堪能してください。
さて、お供え物についてですが、後でお供えした物はすべて食すのが慣わし。
神様への感謝の意味もありますので、お月見が終わった後に家族で美味しくいただいてください。お供え物をいただくことによって、神様との繋がりが強くなるとも考えられています。
思い思いの楽しみ方でお月見を堪能しよう
お月見は十五夜(中秋の名月)に行うものだと思ってる方は多いかもしれませんが、他にも十三夜、十日夜を含め、秋には3回のお月見の機会があったんです。
秋は空気が澄んでいるため、空がはっきりと、月がくっきりと美しく見える季節と言われています。
夏の暑さもちょうど和らいでくる時期で、秋の虫が鳴き始めるなど、何かと風情を感じやすいのも魅力。
現在では収穫への感謝の意味は薄れ、本格的なお月見の準備をする家庭も減ってしまいましたが、月を愛でる風習はいまなお色濃く残っています。
せっかくなので今年は少し気合を入れて準備してみては?お月見団子だけでもかなり雰囲気が出ますよ。
家族でワイワイ、或いは一人でじっくりと、綺麗な月を眺めてお月見を堪能してください。
お月見や十六夜の記事は下記にまとめていますので、参考にしてください。