✓どこの地域で行われてるの?
こんな疑問を解消します。
秋といえばお月見の季節。ススキを供えて、月見団子を食べながら、十五夜の美しいお月様を眺める風流なイベントです。
実はそんな十五夜の日に、各地で「お月見どろぼう」と呼ばれる風習行われていたのです。いったいどのような風習なのでしょうか。
このページでは、十五夜に行われてきたお月見どろぼうについて分かりやすくご紹介します。
お月見どろぼうとは?その正体は?
お月見どろぼうと呼ばれていることから、何かを盗まれそうな風習ですよね。でも、「どろぼう」の言葉が使われてはいても、心配になることは何もないのでご安心してください。
お月見どろぼうは子供が主役のほのぼのとした風習です。「日本版ハロウィン」なんて呼ばれ方をされることもあるので、以降で詳しく見ていきましょう。
お月見どろぼうはいつ?どんなイベント?
お月見どろぼうは、旧暦8月15日の「中秋の名月(十五夜)」の日に行われる季節の行事。
伝統的なお月見を行うときは、月見台を用意して、そこにススキや月見団子、秋の収穫物をお供えします。
お月見どろぼうとは、中秋の名月にお月見用としてお供えした食べ物を、子供たちが盗む風習。
この行事の間に限っては盗む行為が許されていました。
昔は長い棒の先に釘や針金をつけて、お団子に刺して盗んでいたそうです。それぞれのご家庭でも、お団子を縁側の盗みやすい場所に置いていたのだとか。
現在では、地域の子供たちが「お月見どろぼうです」と言いながら、各家庭を周ってお菓子やお団子を貰って歩くのが一般的。それがハロウィンと似ていることから日本版ハロウィンと呼ばれています。
お月見どろぼうの由来
中秋の名月は、別名「芋名月」と呼ばれています。この日だけは他人の畑から芋を盗むことが許されていました。盗むといっても畑から根こそぎ抜くわけではなく、片足を畑に入れてそこから採れる範囲だけ。盗まれた畑は豊作になると考えられていたようです。
また、昔は子供たちは月からの使者だと考えられていました。そのため、子供たちに食べ物を盗まれることは縁起が良く、農家なら豊作になるとされていたのです。
他には、「子供が盗んだのではなく月の使者が持って帰り、神様がお食べになった」という解釈も。
そのため、お月見どろぼうは次のように言われることもあります▼
- 子供にどろぼうされた家は縁起が良く、豊作になる
- 盗んだ食べ物をいただいた子供は長者になる
- 子供がお供え物を食べることは神様が食べるということ
縁起が良く、豊作になることから、あえて盗みやすい場所にお供え物を置いていたのでしょう。現在だと、あらかじめ玄関先にお菓子を置いておくことが多いようです。
お月見どろぼうの風習が行われている地域
お月見どろぼうは農家の豊作を願う儀式であったことから、かつては全国的に行われていました。でも、現在では全国でも一部の地域でしか見られない行事となっています。
全国的には珍しい風習ではあります。しかし、愛知県日進市や三重県四日市市では現在でもポピュラーな恒例行事です。子供から大人まで楽しめるイベントとして、今もまだ色濃く受け継がれています。
日本版ハロウィン!お月見どろぼうを楽しんでみよう
多くの人からすると聞き慣れない「お月見どろぼう」という風習。どろぼうと言っても悪いことではなく、むしろ縁起が良いことであり、昔は豊作祈願のために行われていました。
現在は子供たちが各家庭を周ってお菓子を貰うことから、日本版ハロウィンもしくは和製ハロウィンと呼ばれることも。
時代と共にやり方は少しずつ変わっていったとは言え、子供が主役になれる行事が、このようにして今もまだ受け継がれているのは嬉しいことです。
今年の十五夜は、子供のいる近所や友人のご家族と一緒に、お月見どろぼうのイベントを楽しまれてみてはいかがでしょうか。
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