9月

秋の七草の意味・種類・花言葉!【時期はいつ?食べる?覚え方もご紹介】

秋の七草の意味は?種類は?覚え方は?

✓秋の七草の種類は?
✓秋の七草は食べるの?
✓秋の七草の覚え方は?

こんな疑問を解消します。

 

”七草”というと、七草粥でも知られる「春の七草」を思い浮かべる方が多いと思います。実は春の他に、「秋の七草」があることをご存知でしょうか。

春の七草ほど知られていないため、時期や植物の種類が分からない人は多いかもしれません。また、秋も七草粥として食べるのかも気になるところ。

 

このページでは、秋の七草の植物の種類、意味や時期、覚え方を分かりやすくご紹介します。

 

秋の七草の種類と花言葉

秋の七草の種類

それではさっそく、秋の七草にはどんな種類の草花があるのかを詳しく見ていきましょう。

 

1.萩(はぎ)

蝶型の赤紫色の花。名前の中に秋が含まれている通り秋を代表する植物の1つ。万葉集で最も多く詠まれているなど、古くから日本人に親しまれてきた花です。

花言葉 ⇒ 思案・内気・想い

 

2.尾花=すすき

尾花とは「すすき」の別名。動物の尾に似ていることから尾花と呼ばれています。「すくすくと真っ直ぐ立つ植物」という意味があり、豊作を祈願するお月見にお供えされることも多いです。

花言葉 ⇒ 活力・活気・元気・生命力・勢い

 

3.葛(くず)

甘い香りを放つ植物。葛切り・葛餅・葛菓子など和菓子の材料に使われたり、漢方薬として重宝されるなど、日本では古くから生活と密接な関係にあった植物です。

花言葉 ⇒ 活力・治癒・根気・努力・恋の溜息・芯の強さ

 

4.撫子(なでしこ)

ピンク色で花びらの先が細かく分かれた花。”撫でたくなるほど可愛らしい子”という意味があります。「撫子」を見立てた「大和撫子」の名称が有名なように、日本の花というイメージが強い花です。

花言葉 ⇒ 純愛・無邪気・思慕・貞節・大胆

 

5.女郎花(オミナエシ)

黄色い小花を密集させて咲く花。特に歌人から愛好された花で、多くの歌や句が詠まれてきました。オミナは”女性”、エシは”圧す”が変化したもので、「女性を圧倒するほど美しい」と言われる花です。

花言葉 ⇒ 美人・親切・優しさ・儚い恋

 

6.藤袴(ふじばかま)

薄紫の粒のような花を咲かせる植物。花の形が袴を連想させることから藤袴の名称がつけられました。とても良い香りを放つ花であり、多くの和歌の中で藤袴の匂いが触れられています。現在は絶滅危惧種に指定されている花です。

花言葉 ⇒ ためらい・遅延・優しい思い出・他人の恋の相談役

 

7.朝貌=桔梗(ききょう)

青紫の星形の花。日本では古くから秋の風物詩として愛されてきた花で、美しさと気品を併せ持つ姿は日本庭園とよくマッチします。実は絶滅危惧種に指定されており、野生の桔梗は非常に珍しいです。

花言葉 ⇒ 清楚・誠実・気品・変わらぬ愛・従順

 

秋の七草の覚え方

春の七草にも言えることですが、七草は聞き慣れない草花もあるため、全て覚えるのは大変ですよね。特定の時期しか意識することもないため、毎年決まって「なんだっけ?」と種類が分からなくなってしまうことも。

そんなときは歴史の年号を暗記するように、ちょっと工夫することで覚えやすくなります。実際によく使われている2つの覚え方を見ていきましょう。

 

「5・7・5・7・7」で覚える

一つ目の方法は、「5・7・5・7・7」のリズムに合わせて覚える。

これはご存知の通り和歌のリズムです。九九を覚えるような感覚で、リズムに乗せて口ずさむと暗記しやすくなります。

  • 5:ハギ・キキョウ 
  • 7:クズ・フジバカマ
  • 5:オミナエシ
  • 7:オバナ・ナデシコ
  • 7:秋の七草

組み合わせ方は自分の覚えやすいように組み替えて構いません。あとはこれをひたすら復唱して覚えるだけ。

 

語呂合わせで覚える

2つ目の方法は、頭文字の語呂で覚える。

歴史の年号や元素の周期表を暗記するときによく使われる方法です。多くの方が学生の頃にやったことがある方法なので、取り入れやすいと思われます。

 

語呂合わせ①:お好きな服は?

<おすきなふくは?>

みなえし(女郎花)

すき(尾花)

きょう(朝貌)

でしこ(なでしこ)

じばかま(藤袴)

ず(葛)

ぎ(萩)

 

語呂合わせ②:ハスキーなおふくろ

<はすきーなおふくろ>

ぎ(萩)

すき(尾花)

きょう(朝貌)

でしこ(なでしこ)

みなえし(女郎花)

じばかま(藤袴)

ず(葛)

 

語呂合わせ③:大きな袴(はかま)穿く

<おおきなはかまはく>

みなえし(女郎花)

ばな(尾花)

きょう(朝貌)

でしこ(なでしこ)

ふじばかま(藤袴)

ぎ(萩)

ず(葛)

 

秋の七草の由来は?

秋の七草の由来は、万葉集に収められている山上憶良(やまのうえのおくら)の2首の歌が始まりだと言われています。

「秋の野に 咲きたる花を  指折り(およびをり)
かき数ふれば  七種(ななくさ)の花 」

この1つ目の歌で、「秋の野に咲いている草花を指折り数えると7種類ある」と歌われています。

「萩の花 尾花 葛花(くず)
撫子の花  女郎花(おみなえし)
また藤袴(ふじばかな)  朝貌(あさがお)の花」

2つ目の歌で7種類の草花が「萩の花、尾花、葛の花、撫子の花、女郎花、藤袴、朝貌の花」であることを説明されています。

 

最後の朝貌については「朝顔」であるという意見もあります。しかし、当時の日本には朝顔は無かったことから、現在では「桔梗」という説が有力です。

 

秋の七草って何をするの?

「春の七草」は 7つの植物を「七草粥」に調理して、無病息災・健康長寿を祈願して食べる行事。”健康”を願い”食”を楽しむ行事でもあります。それでは、秋の七草は何をするのでしょうか。

 

秋の七草は食べる?

まず気になるのは、秋の七草も春と同じように食べるのかどうか。

結論、秋の七草は食べません。もちろん植物の中には天ぷらにできるススキ、和菓子でお馴染みの葛のように、料理に使われる植物も含まれています。

しかし、それら以外は生薬や漢方に使われる植物で食材には向きません。藤袴にいたっては毒があるので注意が必要。

 

一番の目的は観賞

それでは秋の七草は何をするのかというと、秋の七草は鑑賞して風情を楽しむもの。

そのため、七草粥のように7種一緒に何かに使われることは基本ありません。見た目が綺麗な花、秋の訪れを感じる植物ばかりで、鑑賞目的に選ばれた草花です。

ただ、昔は薬としても重宝されていた植物が複数あるので、現在よりずっと実用的で身近なものだったと考えられます。

 

時期はいつ?

なお、春の七草は1月7日に食べると決まっています。一方で秋の七草の場合は、ズバリこの日という決まりはありません。

時期をざっくり説明すると、秋の七草は旧暦で7月~9月、現在の暦だと9月中旬~11月初旬ごろ。

 

でも、七草に選ばれている草花の開花期間はそれぞれ異なります。4月や5月くらいから咲いている花もあれば、11月を過ぎても咲き続けてる花だってあります。さらに、開花時期は場所やその年の気候によって若干ズレが生じるもの。

全ての草花を鑑賞しやすい時期は「9月中旬~9月の末」くらいの初秋の頃です。このように、秋の七草は春に比べて、かなり長い期間楽しめるのも良いところ。

 

まとめ

食べる行事である春の七草とは違い、秋の七草は鑑賞を目的とした風情を楽しむための行事です。

秋の風情の楽しみ方といえば、やはり紅葉やお月見が人気。しかし、秋の七草のような素朴で野趣に富んだ風情の楽しみ方も素敵だと思います。

今年は秋の七草を用意して自宅に飾って観賞してみたり、のんびり散歩しながら七草を探してみるなど、秋の七草を心と目でおもいっきり味わってください。

 

春の七草の詳細はこちらの記事をご覧ください▼

七草粥に入れる春の七草の種類は?【意味・由来・効能・簡単な覚え方も解説】

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