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✓土用餅や土用しじみとは?
こんな疑問を解消します。
土用の丑の日といえばうなぎですよね。暑さで体力で落ちやすいこの時期、夏バテ対策として昔からうなぎが食べられてきました。
でも、土用の丑の日の食べ物はうなぎだけではありません。しじみ、餅、卵など、あまり知られていないだけで、うなぎ以外にも行事食はいろいろあるんです。
このページでは、土用の丑の日に食べられているうなぎ以外の行事食をご紹介します。
土用の行事食①:土用餅
土用に食べる”あんころ餅”のことを別名「土用餅」と呼びます。食欲が落ちる夏には少し重たいかもしれませんが、昔から土用の時期に食べることで夏バテを防げると考えられていました。
土用餅の由来
その昔、宮中の公家のあいだでは、ガガイモの葉を煮出した汁でもち米の粉を練り、丸めた団子を味噌汁に入れて食べるという風習がありました。
その風習が、江戸時代中期頃から餅を小豆餡で包んだあんころ餅に変わり、現在の土用餅がはじまったとされています。
現在では京都や金沢など、関西・北陸地方を中心に土用餅を食べる風習が残っています。
古くから小豆の持つ赤色には厄除けの力があると信じられてきました。そして、お餅も”力餅”に通じることから、無病息災で過ごせる縁起の良い食べ物と言われています。
土用の行事食②:土用しじみ
土用の時期に捕れるしじみのことを「土用しじみ」と呼びます。元々土用の丑の日は、うなぎを始めとした「う」のつく食べ物を食べる習慣がありましたが、しじみはそれ以前から食べられていた食材です。
土用しじみの由来
しじみの旬は夏。
夏の土用の時期は暑さが厳しく、その暑さを乗り切るために滋養のあるものを食べる習慣があります。とりわけ高い効果を得られたのがしじみです。
産卵を控えた旬のしじみは栄養豊富。夏バテにとても効果的な食材なので、暑さで体が弱る時期にしじみを食べるのは理に適っています。
ちなみに、土用にうなぎを食べ始めたのは江戸時代です。一方、しじみは縄文時代の貝塚から殻が発掘されており、古くから食用にされていたことが分かっています。
夏のしじみは夏バテに効果的!
夏(8月頃)のしじみはちょうど産卵期にあたり、子持ちで非常に栄養価が高いのが特徴。夏バテ防止の滋養強壮食材として重宝されていました。
MEMO
「土用しじみは腹薬」という言葉があり、アミノ酸(オルニチン・メチオニン}、ビタミン、ミネラルが豊富で、肝臓の働きを助けてくれる効果があります。
まさに夏バテがつらい時期にピッタリの食材。二日酔いにもしじみは効果的なので、暑気払いで飲み過ぎたときにも良さそうです。
寒しじみとは違うの?
しじみは冬のイメージが強い食材ですが、しじみの旬は夏と冬の年2回。冬に収穫するしじみは「寒しじみ」と呼ばれ、味は夏より美味しいとの評判です。
しじみは寒い冬を乗り越えるため、秋から冬にかけて餌をたくさん食べています。そのため、寒しじみは通常よりだいぶ大ぶりで、身がしまっているのが特徴。
栄養豊富なことから腹薬と言われる土用シジミに対して、「寒しじみは風邪薬」と言われています。
土用の行事食③:土用卵
土用卵とは卵の品種名でも料理名でもなく、土用に産み落とされた卵のことで、精がつくと考えられています。
MEMO
卵は”完全栄養食品”と呼ばれるほど栄養価が高い食材。
カルシウム、亜鉛、鉄分の他に、体内では生成されない8種類の必須アミノ酸が含まれています。
※必須アミノ酸はたんぱく質の源であり、免疫力を高める効果、肝機能を向上する効果を持つ
卵は昔から滋養食とされてきました。人体に必要な栄養素がバランスよく含まれており、病気になりにくい健康な身体作りの手助けにもなります。
そのため、「夏バテを解消するために栄養のある卵を食べよう」となっていたわけです。夏バテで食欲と体力が落ちる時期にはピッタリの食材と言えます。
土用の丑の日は「しじみ」「あんころ餅」「卵」を食べて夏バテ撃退!
土用しじみ、土用餅、土用卵。エアコンや扇風機なんて無かった時代では、夏の暑さを乗り切るために夏バテ防止として土用に食べられていました。
現在の土用の丑の日はウナギの独壇場になっていますが、これらの食材にも注目してみてはいかがでしょうか。うなぎと一緒に食べるのも良さそう。うなぎのかば焼きを卵で巻いた「うまき」、しじみのお吸い物もおすすめ。食後のデザートにはあんころ餅も。
猛暑でだるくなりやすい土用の季節。体の内側(肝臓)から夏バテ対策を行い、今年の夏も無事乗り越えられたらいいですね。
土用の丑の日の詳細はこちらの記事をご覧ください▼