7月 8月

ウナギだけじゃない!土用の丑の日の食べ物【土用餅、土用しじみ、土用卵とは?】

うなぎ以外の土用の丑の日の食べ物【土用餅、土用しじみ、土用卵とは】

✓土用の丑の日のうなぎ以外の行事食は?
✓土用餅や土用しじみとは?

こんな疑問を解消します。

 

土用の丑の日といえばうなぎ。美味しいのはもちろん、日本人は昔から夏バテ対策としてうなぎを食べる習慣がありました。

「土用の丑の日=うなぎ」という認識の方はきっと多いと思います。しかし、土用の時期の食べ物はうなぎ以外にも「しじみ」「餅」「卵」などいろいろあるのをご存知でしょうか?

 

このページでは、土用の丑の日に食べるうなぎ以外の行事食をご紹介します。

土用の行事食①:土用餅

"うなぎ以外の土用の丑の日の食べ物【土用餅(あんころ餅)】/

土用の頃に食べる”あんころ餅”のことを別名「土用餅」と呼びます。食欲が落ちる夏には少し重たいかもしれませんが、昔から土用の時期に食べることで夏バテを防ぐとされてきました。

土用餅の由来

その昔、宮中の公家のあいだでは、ガガイモの葉を煮出した汁でもち米の粉を練り、丸めた団子を味噌汁に入れて食べるという風習がありました。

その風習が、江戸時代中期頃から餅を小豆餡で包んだあんころ餅に変わり、現在の土用餅がはじまったとされています。

現在では京都や金沢など関西・北陸地方を中心に土用餅を食べる風習が残っています。

 

古くから小豆の持つ赤色には厄除けの力があると信じられてきました。お餅は”力餅”に通じることから、無病息災を願う縁起の良い食べ物として土用入りの日に食べられています。

手軽に食べられる和菓子なので、習慣の無かった方も土用に食べてみてはいかがでしょうか。

 

土用の行事食②:土用しじみ

うなぎ以外の土用の丑の日の食べ物【土用しじみ】

土用の時期に捕れるしじみのことを「土用しじみ」と呼びます。今でこそうなぎのイメージが強い風習ですが、うなぎを始め「う」のつく食べ物が定着する以前から食べられていた食材。

うなぎより歴史が古いんです。

土用しじみの由来

土用しじみの由来は、単純にしじみの旬が夏だから。

夏の土用の時期は暑さが厳しく、その暑さを乗り切るために滋養のあるものを食べる習慣があります。

とりわけ高い効果を得られたのがしじみ。旬のしじみは栄養たっぷり。夏バテにとても効果的で、暑さで体が弱る時期にしじみを食べるのは理に適っていたのです。

ちなみに、土用にうなぎを食べ始めたのは江戸時代。一方で、しじみは縄文時代の貝塚から殻が発掘されており、古くから食用にされてきたことがわかります。

 

夏のしじみは夏バテに効果的!

夏(8月頃)は丁度しじみの産卵期にあたるため、子持ちで非常に栄養価が高く、夏バテ防止の滋養強壮食材として重宝されていました。

MEMO

「土用しじみは腹薬」という言葉がある通り、アミノ酸(オルニチン・メチオニン}、ビタミン、ミネラルが豊富で、肝臓の働きを助けてくれる効果があります。

まさに夏バテが辛い時期にピッタリの食材。そのため、二日酔いにもしじみは良いと言われています。

 

寒しじみとは違うの?

しじみは冬が旬というイメージを持ってる方も多いと思われます。実はしじみの旬は夏と冬の年に2回あります。冬に収穫するしじみは「寒しじみ」と呼ばれ、味は夏より冬の方が美味しいと言われるほど。

 

しじみは寒い冬を乗り越えるため、秋から冬にかけて餌をたくさん食べて栄養を蓄えています。栄養満点なことに加えて、通常のしじみよりだいぶ大ぶりで、さらに身がしまっているからとても美味しいのです。

その豊富な滋養から腹薬と言われる土用シジミに対して、「寒しじみは風邪薬」と言われています。

 

土用の行事食③:土用卵

うなぎ以外の土用の丑の日の食べ物【土用卵】

土用餅や土用しじみの以外に「土用卵」というものがあります。土用卵とは卵の品種名でも料理名でもなく、土用に産み落とされた卵のこと。土用卵は特に精がつくと言われています。

 

卵は”完全栄養食品”と呼ばれるほど栄養価が高い食材。

MEMO

卵にはカルシウム、亜鉛、鉄分の他に、体内では生成されない8種類の必須アミノ酸が入っています。

※必須アミノ酸はたんぱく質の源であり、免疫力を高める効果、肝機能を向上する効果がある。

人体に必要な栄養素がバランスよく入っているため、病気になりにくい健康な身体作りを手助けしてくれます。

 

そのため、卵は昔から滋養食とされてきました。特に夏の土用のころにはしじみと同じく、「夏バテを解消するために栄養のある卵を食べよう」となっていたわけです。

夏バテで食欲と体力が落ちる暑い時期にはピッタリの食材と言えます。

 

土用の丑の日は「しじみ」「あんころ餅」「卵」を食べて夏バテ撃退!

土用しじみ、土用餅、土用卵はエアコンや扇風機なんて無かった時代において、夏の暑さを乗り切るために夏バテ防止として土用に食べられていた食材です。

現在の土用の丑の日はほぼ「うなぎ」の独壇場になっているでしょうが、これらの食材にも注目して欲しいところ。

 

うなぎと一緒に食べればより暑さに強い身体をつくれるかもしれません。うなぎのかば焼きを卵で巻いた「うまき」もおすすめ。

しじみのお吸い物、卵料理を食べて、体の内側(肝臓)から夏バテ対策を行っていきましょう。食後のデザートにはあんころ餅も。

 

猛暑でだるくなりやすい土用の季節。土用に関連する食材を美味しくいただき、今年の夏も元気よく乗り越えられたらいいですね。

 

土用の丑の日の詳細はこちらの記事をご覧ください▼

土用の丑の日の意味と2022年はいつ?【うなぎを食べる理由も併せて解説】

-7月, 8月
-,

© 2023 暮らし道標 Powered by AFFINGER5