7月 8月

お盆にお供えする花の種類と選び方【盆花の正しい飾り方・マナーもご紹介】

お盆に備える花の種類・選び方・飾る際のマナーを解説

✓お盆にお供えする花は?
✓お盆花の選び方は?
✓お盆でお花を供えるときのマナーは?

こんな疑問を解消します。

 

お盆は、あの世から帰ってきたご先祖様や亡くなった人の魂を供養する仏教行事。そして、ご先祖様をお迎えするにあたって、必要となるのがお墓や仏壇にお供えする花です。

でも、どんな花を用意すればいいのか分からない場合もあるでしょう。花をお供えする際のマナーがあるのかも気になるところです。

 

この記事では、お盆に供える花の種類と選び方、お供えする時に守りたいマナーについてご紹介します。

 

お盆にお供えするお花の選び方

お盆のお供えとして飾る花の選び方

まず最初はお盆にお供えする花の選び方を解説します。

 

色は三色(白・黄・紫)か五色(白・黄・紫・赤・ピンク)が基本

仏事にお供えする花の色に厳格の決まりはありませんが、落ち着いた色合いでまとめるのが良いとされています。よく見る色の組み合わせ方は三色構成と五色構成の2パターンです。

  • 「白・黄色・紫」がメインの三色構成がオーソドックス
  • 三色構成に差し色として「赤・ピンク」を加えた五色構成

五色の方がバランス的にまとまりが良く、見た目も明るくて見栄えがよくなります。

 

ただ、初盆の場合は白を基調とした淡い色の花でまとめるのが一般的です。

 

飾った際のバランスも考慮して選ぶ

お盆のお花は無造作に飾るのではなく、ちゃんと見た目のバランスも考えてお供えすることが大切。

正面から見て花が左右対称になるように飾りましょう。

通常お墓には、花瓶の代用となる花をお供えするための「花立」が左右に1つずつ用意されています。花立はあまり容量が大きくないので、飾り切れないほどたくさん用意しないように気を付けてください。本数は3・5・7本の奇数で飾るのが基本です。

 

亡くなった方が好きだった花や好きな色の花を選ぼう

お盆にお供えするお花は、よく選ばれている定番の花、お供えする際のマナーが少なからずあります。しかし、お盆はあくまでご先祖様や亡くなった方のためにある行事です。

やはり故人が生前好きだった花、好きな色があるのなら、そのお花をお供えするのが一番。

最低限のマナーさえ守れていれば、必ずしも定番やルールにこだわる必要はありません。もちろん、周りのお墓に迷惑が掛かる種類の花、飾り方はNGです。

亡くなった方が飾ってもらえると嬉しいお花をお墓や仏壇にお供えしてあげましょう。

 

お盆にお供えにピッタリの花の種類

お盆花にピッタリの花の種類

お盆にお供えする花の種類に決まりはありません。しかし、仏事に選ばれやすい定番の花、あまり相応しくない花はあるので念のためチェックしておいてください。

 

キク(菊)

お盆をはじめ、お供え用の定番の花といえばキクです。弔事全般で使われることが多いので、迷ったときはとりあえずキクを選んでおけば間違いありません。

 

お供えの花にキクが選ばれる理由はこちら▼

  • 花が枯れやすい夏場でも花持ちが良い
  • 枯れる際も花びらが散りにくく周囲を汚しにくい
  • 昔から邪気を祓う力があると信じられてきた

また、菊の花はカラーバリエーションも豊かです。仏花に最適とされる白や黄色。アクセントになる赤やピンク。爽やかなブルーなどさまざま。

このような理由から日本では伝統的に菊が仏花に選ばれてきました。お盆のお供え用としてはも選びやすい花です。

 

リンドウ(竜胆)

古くから日本人に親しまれてきたリンドウも人気の仏花です。リンドウといえば青や青紫の印象が強いでしょうが、他にもお供え用にぴったりの白やピンクの種類もあります。

お盆の時期に咲く季節の花として、昔からお供えの花に用いられてきました。派手過ぎずしとやかな美しさを持つ特徴も選ばれている理由の一つ。

また、花言葉も「あなたの悲しみに寄り添う」「悲しんでいるあなたを愛す」というように、仏花に相応しいと支持されています。

 

ミソハギ(禊萩)

ミソハギもお盆に飾られる代表的な花で、ちょうどお盆のころに開花する盆花として知られています。別名「精霊花」「仏様花」。

見た目は紫色の小さな花を穂状に咲かせており、耐暑性・耐寒性に優れた丈夫な花です。

それに加えて、ミソハギはお盆にお供えする花として打ってつけの言い伝えも残っています。

ミソハギについた露をお盆に帰ってくる仏様が好む

仏様は水がほしくてもミソハギについた露でなければ口にされない

 

ユリ(百合)

優雅で凛とした姿が目を引くユリは、仏教行事においてキクと並ぶ人気の花です。仏教に止まらず、結婚式のブーケにもよく使われています。

お供えの花としておすすめの品種は、白色の大輪を咲かせるユリの女王「カサブランカ」。華やかで気品があり日持ちする花なので、仏壇やお墓にも飾りやすいです。その他にも、黄色やピンクなどユリは様々な種類があります。

ユリを中心にして他の花を合わせるのも良さそうです。

 

カーネーション

母の日の象徴でもあるカーネーションも、実はお供え用によく選ばれている花です。日本では赤色のカーネーションが有名ですが、他にも、ピンク、黄色、オレンジ、紫があります。

黄色や紫でも問題ありませんが、お供え用としてならやはり白色のカネーションがおすすめ。白カーネーションの花言葉は「私の愛情は生きている」。込められた意味もお盆という行事性にマッチしています。

供養の気持ちと故人に対する愛情を同時に感じ取れる花です。

 

その他のお盆に相応しい花

その他にも、お盆花として相応しい花はたくさんあるのでご紹介します。

  • 紫の花が咲き、お盆の頃に最盛期となる「桔梗」
  • 黄色やオレンジなど温か味のある色の花をつける「キンセンカ」
  • 青紫の優雅な花で、「よい便り」という花言葉を持つ「アイリス」
  • 大ぶりで華やかさのある白やピンクの花が咲く「グラジオラス」

これらもお盆花としてよくお供えに使われている人気の花です。

 

お盆花にはあまり相応しくない花

一方で、お盆のお供えにはあまり相応しくないと言われている花もあります。

注意すべきポイントはこちらの4つ▼

  • トゲのある花(バラ、アザミなど)
  • 毒のある花(水仙、ヒガンバナなど)
  • 香りが強烈な花(ヤマユリなど)
  • 散りやすい花(ツバキ)

怪我や死など不吉なことを連想しやすかったり、周囲に迷惑を掛けてしまうような花は避けましょう。また、「椿」の何がNGなのかというと、花がポトリと散る様子が「首が落ちる」様子を連想させてしまうからです。

ただし、生前に故人が好きだった花であれば、迷惑にならないように注意すれば使っても問題ありません。例えばそれがバラの場合はトゲは全て落としてからお供えしましょう。

 

花をお供えするときに気を付けたい飾り方・マナー

お盆花を供える際の気を付けたいマナー

続いてお花をお供えする際のマナー・ルールをご紹介します。

 

花の本数

お盆など仏事にお供えする花の本数は、「3本、5本、7本…」のように奇数にするのが一般的。

理由は「割り切れない数字」は縁起が良いとされていたから。逆に偶数は「割り切れる数字」であることが、「故人と縁が切れる」という連想に繋がるとしてあまり良くないと考えられています。

 

本数は「3~7本」が丁度良いです。

用意した花はお墓の花立に飾るのですが、花立は小さいのでたくさん用意しても入りきりません。なお、左右の花立に飾るので2束で1対として用意します。

 

飾るときの花の向き

飾る際の花の向きにもポイントがあります。

  • 向下相 ⇨ 供養する人の方を向くように飾る
  • 向上相 ⇨ 仏様の方を向くように飾る
  • 向中相 ⇨ 四方八方に向くように飾る

3つの内どれが正しいのかと言うと、これは地域・宗派・ご家庭によって異なります。

 

全体としては①の供養する側に花を向ける向下相の地域が多いです。

故人の魂を供養するためなので、向上相が正しいように思われるかもしれません。しかし、仏花は仏様の慈悲の心を表したものだと考えられています。仏様の慈悲をいただくという意味で、供養する側に向けて飾られるようです。さらに、供養する人の心を清めるという意味もあります。

 

生花ではなく造花を供えても良いの?

造花はマナー違反のように思われるかもしれませんが、お盆花は造花でも問題ありません。地域によっては昔から造花をお供えしているケースもあります。

お盆にお供えする花として大事なポイントは「長持ちする(花持ちが良い)」こと。

枯れた花を飾るのは気分の良いものではありません。片付けの手間も増えます。特に夏場は暑さで花が枯れやすいので、枯れる心配がない造花を飾るのは合理的と言えるでしょう。

 

もちろん生花には造花にない生きた美しさ、温かみがあり、枯れる姿にも命の尊さを感じられます。生花と造花、どちらを選んでも間違いではありません。ただ、地域や宗派によって考え方は異なるので、事前の確認は必須です。

 

お盆にはご先祖様や亡くなった人が喜んでくれる花をお供えしよう

お盆に仏壇やお墓にお供えする花には、意外と厳格な決まりはありません。最低限のマナーを守り、周りの迷惑にならないのであればどんな花でも問題ないでしょう。

それでも、念のために地域や宗派のしきたり・風習は事前に確認しておくのが無難。

難しく考えず、生前に故人が好きだった花や色にするのも一つの選択肢です。どうしても決められない場合は、菊やミソハギ、リンドウのような定番の花もおすすめです。

何より大切なのは故人を偲び供養する気持ち。花をお供えする際にはそれさえ心掛けておけば大丈夫です。

 

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