✓新盆の時期はいつ?
✓通常のお盆と新盆の違いは?
こんな疑問を解消します。
あの世から帰って来るご先祖様を供養するお盆において、故人が亡くなって初めて迎えるお盆を「新盆(初盆)」と言います。ご家族にとっては大切な意味のある行事です。
でも、通常のお盆と何が違うのか分からない方もいると思います。準備、マナー、どのように供養すればいいのかなど、初めてだと戸惑うことも多いのではないでしょうか。
このページでは、知っておきたい新盆の意味、必要な準備、正しい供養のやり方をご紹介します。
このページの目次
新盆(初盆)とは
お盆は一年に一度あの世から亡くなった方が帰ってくる期間であり、その魂を供養することを目的とした伝統行事です。
新盆とは、故人の死後四十九日の忌明けを過ぎてから初めて迎えるお盆のこと。
初盆の読み方は、「はつぼん」「にいぼん」「あらぼん」「しんぼん」など地域によってさまざま。
新盆は初めて迎えるお盆ということで、通常のお盆より念入りに、盛大に供養するのが一般的。家族以外に生前故人と親しかった方もお招きして、法要を執り行なうケースも珍しくありません。
新盆の正しい時期
新盆の時期は宗派や地域によって異なり、旧暦の8月13~16日に行う地域もあれば、新暦の7月13〜16日に迎える地域もあります。ただ、現在の主流となっているのは8月の旧盆です。
注意点は、新盆は四十九日の忌明けを過ぎてから初めて迎えるお盆なので、四十九日の前にお盆が来た場合は翌年が新盆となります。
新盆で準備するお供え物と飾り【通常のお盆との違いは?】
新盆で使うお供え物と飾りは基本的に通常のお盆と同じ。ただ、微妙に異なるところもあるので、間違いがないように確認しておいてください。
お盆の飾り・お供え物
- 精霊棚(盆棚)
- 盆提灯
- 精霊馬(きゅうりとなすび)
- お供え物(水・果物や野菜・団子やおはぎ)
- 供花
この中で、通常のお盆と違うところがあるのは「盆提灯」「供花」「お供え物」の3つ。
■盆提灯
盆提灯は絵柄入りと無地の2種類あります。新盆では「白提灯」を使用するのが基本。ただ、この白提灯は新盆の1度しか使用しないため、最近は新盆でも絵柄入り提灯を使用するケースも少なくありません。
■お供え物&供花
お供え物に関しては通常より多少豪華になる程度の違いです。供花はお亡くなりになってからまだ日が浅いことを配慮して、白を基調とした控え目な色でまとめた方が良いでしょう。
盆花の詳細はこちらの記事をご覧ください▼
お盆にお供えする花の種類と選び方【盆花の正しい飾り方・マナーもご紹介】
新盆の行事の流れ
新盆は、お盆飾りとお供え物を準備して、家族揃ってお墓参りに出掛けるのが一般的。また、親戚や故人の友人を招待することもあり、このとき僧侶を招いて法要を行い、その後で会食という流れがよく見られるパターンです。
8月13日~16日の旧盆を例として、期間中の一般的な新盆の流れを解説します。
行事の流れや準備する物は地域・宗派によって異なるのでご注意を。
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113日の盆の入り
盆の入り(迎え盆)となる13日は、ご先祖様の霊をお迎えする日。
精霊棚やお供え物を準備して、「迎え火」を焚いてご先祖様をお迎えします。
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214日と15日の中日
中日にあたる14日と15日は、僧侶を招いて親族や友人と一緒に法要や会食を行います。
お墓参りや仏壇の掃除も行い、故人を偲んで過ごすのが一般的。
お水とお供え物はなるべく毎日交換してください。
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316日の盆の明け
最終日は盆の明け(送り盆)と呼ばれ、あの世へ戻るご先祖の霊をお見送りします。
日中は最後のお供え物とお祈りをこれまでと同様に行ってください。
夕方くらいに送り火を焚いてご先祖様をお見送りします。
地域によっては精霊流しや灯篭流しを送り火とする風習も。
昔は送り火を焚いた際に白提灯も一緒に燃やしていましたが、最近は家の前で火を焚くことが難しくなっているため、白提灯は後日処分するご家庭が多いようです。
迎え火や送り火の詳細はこちらの記事をご覧ください▼
迎え盆と送り盆の正しいやり方【お盆の迎え方・送り方と必要な物を紹介】
新盆(初盆)で用意するお布施と香典の金額
新盆で僧侶を招いて読経をあげてもらう場合は、僧侶に渡す「お布施」を用意する必要があります。また、新盆の法要に参加するときも香典を持参するのがマナーです。
お布施も香典もお気持ちとして渡すものとはいえ、一般的な相場とされる金額はあります。
お布施の相場
地域や宗派によって金額に違いはありますが、新盆のお布施は30,000円~50,000円が相場。通常のお盆より10,000円程度多めに包むのが一般的です。
その他に、お布施とは別に必要となるお金があります。
- 移動にともなう「御車代」がおよそ5,000円~10,000円
- 会食にともなう「御膳料が2,000円~10,000円
ただし、お寺と隣接した場所で法要を行なったり、移動の車を手配してある場合は御車代が不要となります。御膳料も僧侶が会食に参加する場合は必要ありません。
お布施を入れる封筒の書き方
- 袋は無地の白い封筒(お布施・御車代・御膳料はそれぞれ別の封筒で)
- お布施の表書きは「御布施」「お布施」「御経料」
- 御車代の表書きは「お車代」
- 御膳料の表書きは「御膳料」
- 下段に「〇〇家」もしくは施主の氏名をフルネーム
- 黒ずみを使用する
- 入れるお金は新札
- 封筒の裏麺に氏名・住所・金額を記載(裏面は何も記載しなくても問題ない)
ちなみに、お布施をそのまま手渡しするのはマナー違反です。法要もしくは会食の後に「切手盆」と呼ばれるお盆に乗せて渡すのがマナー。切手盆に乗せるときは上からお布施、御車代、御膳料の順番となります。
香典の相場
一般的な香典の相場はだいたい3,000円~10,000円。ただ、こちらも宗派や地域の慣習、家庭ごとの考え方によってさまざまです。
また、相手との関係性や立場などによって金額は変わります。
会食をご馳走になる場合は、この金額に5,000円程上乗せしましょう。宗派・地域・ご家庭によってかなり差があるので、分からない場合は事前に身近な人に聞いておくのが確実です。
香典の封筒の書き方
- 袋は不祝儀袋(香典袋)
- 水引は結切りで、黒白・双銀・藍銀、関西だと黄白か黄銀
- 表書きは「御供物料」、仏式なら「御仏前」「御佛前」でも良い
- 下段に夫の氏名をフルネーム、もしくは夫婦連名
- 薄墨を使用する
- 入れるお金は新札
- 中袋に氏名・住所・金額(例:金〇萬円)を記載
香典は袱紗(ふくさ)という布に包んでおきます。黒やグレーのハンカチや布を代用しても構いません。施主に挨拶をした際に、香典を取り出して、相手から文字が読める向きにして渡してください。
新盆をつつがなく過ごすためにも事前のチェックは大切
ご先祖様があの世から帰ってくるお盆において、新盆は故人の死後はじめて迎えるお盆を指します。通常より盛大に行われるケースが多く、それだけ準備も大変です。
特に僧侶や知人を招いて法要をする場合は、事前にしっかり予定を確認しておきましょう。お盆の期間中はお寺も大変忙しくされているので、僧侶のご都合を聞いて、早めに予約することをおすすめします。
また、お盆は地域や宗派、各家庭ごとによってやり方や考え方はさまざま。新盆をつつがなく過ごすためにも、気になることは身近な人やお寺でしっかり確認を取っておきましょう。
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