
✓お雛様とお内裏様の配置はどっちがどっち?
✓雛人形を飾るのはいつからいつまで?
こんな疑問や悩みを解消します。
ひな祭りに雛人形を飾るご家庭は多いですよね。しかし、なにぶん1年に1回きりということもあって、「あれ?どこに何を置くんだっけ?」なんて人形の配置を忘れていることもしばしば。
それが段飾りのような立派な雛人形なら尚更。雛人形は段数や種類によって並べ方が決められています。子供のためのお祝いなので、正しい並べ方で飾ってあげたいものです。
このページでは、忘れがちな雛人形の正しい飾り方・並べ方、飾る時期について紹介します。
このページの目次
お殿様とお姫様の左右はどっちがどっち?
雛人形の主役とも言える「お殿様(男雛)」と「お姫様(女雛)」。正しい配置は左右どちらなのか悩んだことありませんか?
向かって左側に男雛を飾られているケースが多いのですが、中には女雛を左に配置されてるケースも少なくありません。
男雛と女雛の並べ方問題、実は左右どちらでも間違いではありません。
「左に男雛、右に女雛」でも正解。「左に女雛、右に男雛」でも正解です。
雛人形というのは天皇陛下の結婚式を模したもの。そのため、お殿様は左側が正解と思われるかもしれませんが、作られた地域によって配置は逆になることもあるのです。
POINT
- 関東で作られる雛人形「関東雛」は向かって左側が男雛
- 京都で作られる雛人形「京雛」は向かって右側が男雛
京雛は京都と関西の一部で伝わっているもので、全国的には関東雛のスタイルが主流です。それゆえ京雛に比べて関東雛の方が目にする機会は多く、向かって左側がお殿様という配置が広く伝わっています。
雛人形の由来については下記の記事をご覧ください▼
雛人形をひな祭りの日に飾る意味と由来【何歳まで飾るのか決まりはある?】
古式(京雛)と現代式(関東雛)の違い
右か左かというのは古式に合わせるか現代式に合わせるかの違い。もしくは地域や家庭の仕来たり・慣わしによって変わることがあります。
両者は顔立ちにも違いがあり、京雛の見た目は京美人風、関東雛は現代風の美人顔です。さらに、関東雛の方が一般的になっている分、デザインのバリエーションも豊富だったりします。
デザインの好みで選べるのならその方が楽しそうですね。
雛人形の正しい飾り方・配置
雛人形にはガチガチの厳格な決まりはないのですが、基本形となる飾り方・並び方の決まりならあります。
ここでは、雛人形の代表的な七段十五人飾りを例にして、正しい並べ方を分かりやすく解説します。
全体的な配置は上の画像の通り▲
飾る際は、下から飾り始めるより上から順に並べていった方がいいですよ。その方が誤って人形を落としたとしても、下の人形を傷つけずに済みます。
詳しい構成は以下を参考にしてください▼
最上段 | 親王(殿・姫) 屏風、雪洞(ぼんぼり)、三宝 |
二段目 | 三人官女(向かって左から:加の銚子・眉ナシ・長柄銚子) あいだに高杯 |
三段目 | 五人囃子(向かって左から:太鼓・大鼓・小鼓・笛・謡) |
四段目 | 随身(向かって左端に左大臣のお爺さん、右端に右大臣の若者) あいだに御膳・菱台 |
五段目 | 仕丁(向かって左から:台笠、沓台、立笠) 左端に立花、右端に桜 |
六段目 | 箪笥・挟箱・長持・鏡台・針箱・火鉢・茶道具 |
七段目 | 御駕籠(おかご)・重箱・御所車 |
なお、同じ七段飾りでも地域や雛人形のタイプによって違うケースもあります。
七段一五人飾りは、いわゆる雛人形のフルセットのようなもの。それなりのスペースを必要としますが、やはり見栄えはとても華やかですね。
飾り終えたら写真を撮って保存しておくことをオススメします。そうすることで翌年は写真を確認しながら迷わず飾ることができますよ。
七段飾りを雛人形の代表的な形式と言いましたが、年々減少傾向にあります。近年は住宅事情の変化から飾る場所の問題があり、三段飾りや五段飾り、殿と姫のみの親王飾り(一段飾り)の方が一般的です。
ただ、雛人形の起源であるひいな遊びが男女一対のみだったことを考えると、一段飾りが標準で、それ意外が派生型と言えるのかもしれませんね。
雛人形はいつから飾り始める?いつ片付ける?
並べ方の前に気になるのが、雛人形はいつから飾り始めるのが正しいのか。そしていつまで飾り続け、いつ片付けるのかではないでしょうか?
実はいつからいつまでという飾る期間に明確な決まりはありません。
とは言ってもそれでは余計に悩んでしまいますよね。明確な決まりはありませんが、目安となる期間はあるのでそちらを参考にするのが良いでしょう。
雛人形を飾り始めるのに最適な時期は、立春(節分の翌日)から2月中旬頃。
立春まで待つ理由は、ひな祭りは「五節句」のひとつで春のお祝い行事だから。五節句は季節を祝う意味も含まれているため、春が訪れるのを待ってから飾るのが良いとされているのです。
ひな祭りの由来については下記の記事をご覧ください▼
ひな祭り(桃の節句)は具体的に何をする日?【意味・由来・代表的な食べ物を解説】
縁起の良い日を選んで飾り始める
ひな祭りは女の子の幸福と健やかな成長を願う日ですから、立春過ぎの”大安”のような縁起が良いとされる日を選ぶのがベスト。
他には、二十四節気の一つ「雨水(うすい)の日」に飾ると良縁に恵まれると言われています。雪が雨に変わって大地に草木が芽吹く頃で、農業の準備を始めたりする縁起の良い時期と考えられていました。
また、ひな祭りの前日に飾ることを「一夜飾り」と言いますが、これは非常に縁起が悪い行いとされているのでなるべく避けた方がいいでしょう。
遅くてもひな祭りの1週間前までには飾り付けを終わらせておくといいでしょう。
二十四節気と雨水については下記の記事をご覧ください▼
季節の便り「二十四節気」の意味と一覧【七十二候との関係も簡単に解説】
二十四節気「雨水」はどんな季節?2022年はいつ?【旬の食べ物・花・風習も紹介】
いつまでに片付けるのが正しい?
「雛人形を片付け忘れると婚期が遅れる」という言い伝えを聞いたことありませんか?
人によってはすごく気になるフレーズでしょうが、コレはあくまで迷信。「片付けがしっかりできない女性はお嫁に行けない」という意味合いがあり、暗にだらしなさを戒める警告として言い伝えられてきたことです。
昔は時代的に娘を嫁がせるのは親の役目とされていたため、花嫁修業としての意味合いも含まれていたと考えられます。
現代では婚期うんぬんは気にしなくてもいいのですが、理由が子供のしつけのためならば、ひな祭りが終わったらすぐに片付けるよう促すのもいいと思いますよ。
片付けで注意すべきは「婚期」よりも「天気」
婚期は気にしなくても大丈夫。それより大切なのは、空気が乾燥してる晴れの日に片付けること。
天候が悪い湿気の多い日に片付けてしまうと、人形に湿気が残ってしまうことがあります。それがカビやシミの原因になってしまうのです。
そういう理由があるので、雛人形の片付けに関しては、婚期気にするより天気を気にしてください。片付けのタイミングが婚期に影響するわけがありません。人形を長持ちさせたいのなら天気や湿気を注意した方が絶対にいいです。
ただ、雛人形は持ち主の穢れを移す身代わりとしての役割も担っているので、いつまでも片付けずにいると、せっかく移した穢れが元に戻ってしまうという考えもあります。
役目を終えた雛人形の処分については下記の記事をご覧ください▼
役目を終えた雛人形の処分方法【供養はどこで?寄付や一般ゴミはアリ?】
まとめ
忘れがちな雛人形の飾り方。さっさと飾るのを終わらせたくても、「お殿様とお姫様の左右どっちだっけ?」「道具が多すぎて何をどこに配置すればいいか分からない!」…などと迷いながら飾るため、全部終えたときにはかなり疲弊してるんですよね。
とは言っても、雛人形は娘や孫の健やかな成長と幸せを願うために飾るもの。しっかり正しく並べてあげたいと思うのが親心でしょう。
一度しっかり飾ることができれば、あとは写真に撮って保管しておくことで次回は苦労なく飾ることができますよ。もし飾る手間を無くしたいのなら、雛人形は親王飾りやミニサイズのものを選ぶというのも一つの選択です。
手間は掛かりますが、家族みんなで飾るのもそれはそれで楽しいもの。お子さんのためにもぜひ丁寧に飾ってあげてください。
ひな祭りの関連記事は下記にまとめてありますので是非参考にしてください。