3月

忘れがちな雛人形の正しい飾り方・並べ方【お内裏様とお雛様の左右はどっち?】

雛人形の正しい飾り方・並べ方の解説

✓雛人形の並べ方が分からない
✓お雛様とお内裏様は右左どっち?
✓雛人形を飾るのはいつからいつまで?

こんな疑問や悩みを解消します。

 

女の子の健やかな成長と幸せを願う雛祭り。その雛祭りでは雛人形を飾ってお祝いするのが定番です。

さまざな人形や道具で構成されている雛人形。基本的に1年に1回しか飾ることがないため、「お雛様とお内裏様の配置はどっち?」といったように、並べ方を忘れてしまうこともしばしば。段飾りのような立派な雛人形は特に。

大切な子供の幸せを祈る行事なので、雛人形も正しい配置で飾ってあげたいものです。

 

このページでは、忘れてしまいがちな雛人形の正しい飾り方・並べ方と、時期はいつからいつまで飾るのかを紹介します。

 

お殿様とお姫様の左右はどっち?

お殿様(男雛)とお姫様(女雛)は雛人形における主役ですが、左右どちらに配置すればいいの分からず悩まれている方は多いのではないでしょうか。商品の写真で確認すると、右が男雛で左が女雛のタイプもあれば、右が女雛で左が男雛のタイプもあります。

実は左右どちらのタイプも間違いではありません。雛人形というのは天皇陛下の結婚式を模したもの。そのため、お殿様は左側が正解と思われるかもしれませんが、作られた地域によって配置が逆になることもあります。

  • 関東で作られる雛人形「関東雛」は向かって左側が男雛
  • 京都で作られる雛人形「京雛」は向かって右側が男雛

全国的には関東雛のスタイルが主流です。京雛は京都と関西の一部で伝わっているタイプ。京雛より関東雛の方が目にする機会は多いため、向かって左側がお殿様の配置が広く伝わっています。

 

雛人形の由来についてはこちらの記事をご覧ください▼

雛人形をひな祭りの日に飾る意味と由来【何歳まで飾るのか決まりはある?】

 

古式(京雛)と現代式(関東雛)の違い

右か左かというのは古式に合わせるか現代式に合わせるかの違いもしくは地域や家庭の仕来たりよって変わります。

京雛(きょうびな)

京都と一部の関西地域で見られる京雛は、向かって右側に男雛を配置します。

理由は昔の日本では左上位・左上座が慣わしだったからです。左に位の高い人が座るという考え方だったことから、古来の形式を表現している京雛ではお殿様である男雛を右側に飾ったのです。

関東雛(かんとうびな)

一方、関東雛はいわゆる現代式の雛人形です。お殿様が向かって左側に座っているのには、大正天皇と深い関わりがあります。

左上位という日本古式の考え方に対して、国際儀礼はその逆の右上位が慣わし。この考え方を取り入れたのが大正天皇。即位の礼の折、皇后陛下の向かって左側に天皇陛下が立たれたことから、このスタイルが広まったと言われています。

人形の顔立ちにも違いがあり、京雛の見た目は京美人風、関東雛は現代風の美人顔。さらに、関東雛の方が一般的になっていることからデザインのバリエーションも豊富です。

 

雛人形の正しい飾り方・配置

雛人形の配置に厳格な決まりはありませんが、一般的とされている基本形の飾り方・並び方はあるのでご紹介します。ここでは、雛人形の代表的な七段十五人飾りを例として解説します。

七段飾り(十五人飾り)の雛人形の並べ方

全体的な配置は上の画像の通り▲

飾る際は下からより上から順に並べていくやり方をおすすめします。誤って人形を落としてしまったとしても、下の人形を傷つけずに済むからです。

 

雛人形の構成は以下を参考にしてください▼

最上段 親王(殿・姫)
屏風、雪洞(ぼんぼり)、三宝
二段目 三人官女(向かって左から:加の銚子・眉ナシ・長柄銚子)
あいだに高杯
三段目 五人囃子(向かって左から:太鼓・大鼓・小鼓・笛・謡)
四段目 随身(向かって左端に左大臣のお爺さん、右端に右大臣の若者)
あいだに御膳・菱台
五段目 仕丁(向かって左から:台笠、沓台、立笠)
左端に立花、右端に桜
六段目 箪笥・挟箱・長持・鏡台・針箱・火鉢・茶道具
七段目 御駕籠(おかご)・重箱・御所車

同じ七段飾りでも地域や雛人形のタイプによって違うケースもあります。

 

飾り終えたら写真を撮って保存しておくことをオススメします。そうすることで翌年は写真を確認しながら迷わず飾ることができます。

七段飾りを雛人形の代表的な形式と言いましたが、最近は減少傾向にあります。近年は住宅事情の変化でコンパクトサイズが主流であり、三段飾りや五段飾り、殿と姫のみの親王飾り(一段飾り)の方が一般的です。

ただ、雛人形の起源であるひいな遊びが男女対のみだったことを考えると、一段飾りが標準で、それ意外が派生型と言えるのかもしれませんね。

 

雛人形はいつから飾る?いつ片付ける?

並べ方の前に気になるのが雛人形を飾る時期。いつから飾り始めるのが正しくて、いつ片付けるのがよいのか。

実は雛人形にいつからいつまでという飾る期間の明確な決まりはありません。でも、目安となる一般的な飾る期間はあるのでそちらを参考にすると良いでしょう。

雛人形を飾り始めるのに最適な時期は、立春(節分の翌日)から2月中旬頃まで。

立春まで待つ理由は、ひな祭りは「五節句」のひとつで春のお祝い行事だから。五節句は季節を祝う意味も含まれているため、春が訪れるのを待ってから飾るのが良いとされています。

 

ひな祭りの由来についてはこちらの記事をご覧ください▼

ひな祭り(桃の節句)は具体的に何をする日?【意味・由来・代表的な食べ物を解説】

 

縁起の良い日を選んで飾り始める

ひな祭りは女の子の幸せと健やかな成長を願う行事なので、立春後の「大安」といった縁起が良いとされる日を選ぶ方が多いようです。

他にも、二十四節気の一つ「雨水(うすい)の日」に飾ると良縁に恵まれると言われています。雪が雨に変わって大地に草木が芽吹く頃。農業の準備を始める縁起の良い時期と考えられてきました。

ちなみに、ひな祭りの前日に飾ることを「一夜飾り」と言います。これは非常に縁起が悪いとされているので気を付けてください。遅くてもひな祭りの1週間前までには飾り終えておくとのが良いでしょう。

 

二十四節気と雨水については下記の記事をご覧ください▼

季節の便り「二十四節気」の意味と一覧【七十二候との関係も簡単に解説】

二十四節気「雨水」はどんな季節?2022年はいつ?【旬の食べ物・花・風習も紹介】

 

片付けずにいると婚期が遅れるというのはただの迷信

「雛人形を片付け忘れると婚期が遅れる」と言いますが、これはあくまで迷信。「片付けがしっかりできない女性はお嫁に行けない」という意味合いであり、暗にだらしなさを戒める警告として言い伝えられてきたものです。

昔は時代的に娘を嫁がせるのは親の役目。花嫁修業としての意味合いも含まれていたと考えられます。

婚期に関しては気にする必要ありませんが、理由が子供のしつけのためであるなら、ひな祭り終了後すぐに片付けるよう促すのも良いでしょう。

 

片付けで注意すべきは「婚期」よりも「天気」

片付けるタミングで大切なのは天気。空気が乾燥してる晴れの日に片付けるのがおすすめ。天候が悪い湿気の多い日に片付けてしまうと、人形に湿気が残ってしまう恐れがあるからです。それがカビやシミの原因となります。

なので、雛人形の片付けに関しては、婚期気にするより天気を気にしてください。そもそも片付けのタイミングが婚期に影響するわけありません。人形を長持ちさせたいのなら雨や湿気が要注意です。

また、雛人形は持ち主の穢れを移す身代わりとしての役割も担っています。なので、片付けずにそのまま放置していると、せっかく移した穢れが元に戻ってしまうという考えもあります。

 

役目を終えた雛人形の処分についてはこちらの記事をご覧ください▼

役目を終えた雛人形の処分方法【供養はどこで?寄付や一般ゴミはアリ?】

 

まとめ

雛人形は娘や孫の健やかな成長と幸せを願うために飾るもの。しっかり正しく並べてあげたいと思うのが親心です。

飾り方は忘れてしまいがちですが、一度正しく飾って写真に撮って保管しておけば次回は苦労なく飾れますよ。それか、もし飾る手間を無くしたいのなら、親王飾りやコンパクトサイズのものを選ぶのが良いかと。

大きな雛人形は準備も大変ですが、家族みんなで飾るのもそれはそれで良い思い出となります。お子さんのためにもぜひ丁寧に飾ってあげてください。

 

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