
✓どうして桃の節句って言うんだろう?
✓ひな祭りの代表的な食べ物は?
こんな疑問を解消します
『ひな祭り』は3月3日にある日本の年中行事。別名「桃の節句」とも言われる、女の子が主役となる日です。
ただ、毎年のことではあっても、やる事といえば”雛人形”を飾る…くらいのイメージしかない人が多いのではないでしょうか?
特に女の子がいないご家庭で育った方にはあまり縁が無いイベントですからね。認知度が高いわりに具体的に何をするのか、意味や由来も意外と知らない場合が多かったりします。
そこで今回は、ひな祭り(桃の節句)がどんな日なのかを、意味・やる事・行事食などを解説しながらご紹介していきます。
このページの目次
ひな祭りとは~意味と由来~
毎年「3月3日」は女の子の日として知られる「ひな祭り」。
雛人形を飾ってお祝いするご家庭は多いと思います。
女の子が生まれた場合は雛人形を飾り、”健やかな成長と健康を願う”ことを目的としてお祝いされる行事です。
しかし、実はひな祭りは最初から女の子の節句だったわけではなく、もともとは老若男女問わない行事だったんですよ。
ひな祭りの由来
ひな祭りの由来は諸説ありますが、中国から伝わってきた五節句という行事のひとつ「上巳(じょうし)の節句」という説が有力。
五節句とは
季節の変わり目に生まれやすい邪気や厄を払い、無病息災を願う五つの神事。
- 人日(七草がゆ)・・・1月7日
- 上巳(桃の節句)・・・3月3日
- 端午(菖蒲の節句)・・・5月5日
- 七夕(星祭)・・・7月7日
- 重陽(菊の節句)・・・9月9日
中国では老若男女関係なく「無病息災で過ごせるように」と川で身を清め、邪気や厄払いを行う「踏青(とうせい)」という習慣がありました。
■古代中国の風習+日本の神事と遊び
それが、平安時代の宮中で女の子のあいだで流行っていた、「ひいな遊び」というままごと遊びと結びつきます。
一方、日本にも和紙で作った形代(かたしろ)を川に流す神事があり、次第にひいな遊びで使われていた人形も流すようになったのです。これが現在でも受け継がれている「流し雛」のルーツと言われています。
■人形は川に流すものから飾るものへ
人形を川に流す流し雛の慣習はしばらく続きますが、人形がどんどん豪華になり始めると、川には流さず家の中に飾る形へと変化していくことに。
これが現在の「ひな祭り」の原型。ちなみに、雛人形として家に飾られるようになったのは、女の子の日が定着した江戸時代の頃です。
桃の節句と呼ばれるようになったのは?
ひな祭りは別名「桃の節句」とも呼ばれますが、どうして「ひな祭り=桃の節句」と呼ばれるようになったのでしょうか?
ひな祭りの原型である上巳の節句は、もともと旧暦の3月3日に行われていました。現在の暦に合わせると一ヵ月ほど遅れるため、4月上旬あたりになります。
その頃にちょうど見頃を迎えるのが「桃の花」だったのです。
昔から桃には、邪気を払う魔除けの力があり、長寿をもたらすと信じられてきました。
そのため、邪気払いを行う上巳の節句でも相応しいとして飾られたことから、日本では「桃の節句」と呼ばれるようになりました。
ひな祭り(桃の節句)では何をするの?
次に、ひな祭りの日にはいったい何をするのかについてご紹介していきます。
初めてのひな祭りは初節句
子供が生まれて初めて迎える節句を「初節句」と言います。男の子なら「端午の節句」、女の子だと「ひな祭り(桃の節句)」。
初節句は”赤ちゃんが無事に成長することを祈願して、厄除けを執り行なう行事”です
。
雛人形を飾り、両家の祖父母や親戚を招き、縁起を担ぐ意味のある食材を使った祝い膳(ハマグリ、えび、豆など)を用意して、親族で盛大にお祝いします。
「この子が病気もなく健康に育つように」と願いを込め、家族みんなで神社へお参りに出掛けるご家庭も多いようです。
ひな人形を飾る
ひな祭りに欠かせないものといえば、もちろん「ひな人形」。
飾る理由は、昔は人形が身代わりになって悪いことや災いを引き受ける効果があると考えられていたからです。つまり、ひな人形には「子供に悪いことなく健康に育ち、幸せになって欲しい」という親の想いが込められているということ。
雛人形を飾る意味は下記の記事で詳しく解説しています。
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雛人形をひな祭りの日に飾る意味と由来【何歳まで飾るのか決まりはある?】
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残念ながら、近年ではお家事情から飾らないご家庭も増えているようです。
しかし、雛人形業界もそんな環境の変化に合わせて、最近はマンション・アパート向けのミニ雛人形が増えています。
こちらの記事でコンパクトサイズの雛人形を紹介していますので参考にしてください。
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ちょっとしたスペースに飾れるコンパクト雛人形【今どき住宅事情に合致した雛人形選び】
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家族が集まって祝い膳を食べる
ひな祭りは家族が集まって、ちらし寿司など祝い膳を食べてお祝いするのが一般的。祖父母も招いてパーティーを開くのもいいでしょう。
ご家庭ごとにアレンジしてみるのも楽しそうですね。オリジナルのちらし寿司を用意したり、独自のお祝い方をすれば、きっと良い思い出になりますよ。それが子供から孫へと代々受け継がれていくかもしれませんね。
ひな祭りで食べると縁起が良いとされる料理は以降で紹介します。
ひな祭りにまつわる食べ物
ひな祭りに用意する祝い膳と呼ばれる料理には、お正月と同じように縁起を担いだ食材を入れるのが一般的。
なので、使用する食材については、お正月のおせちを参考にしてみるのもいいでしょう。
参考記事正月におせちを食べる意味とは?【おせち料理それぞれの意味も解説】
以降で、代表的なお祝いの料理は5つご紹介します。
ちらし寿司
ひな祭りの由来とされている「ひいな遊び」。その際、現在の寿司の起源となった「なれ寿司」を食べてお祝いしていました。
それが江戸時代に入ると、見た目がより華やかな「ちらし寿司」を食べるようになったようです。
ちらし寿司はいろいろな具材を混ぜ合わせた料理。そこには「子供が将来食べるものに困りませんように」という願いが込められています。
さらに具材には、エビ(長生き)、レンコン(将来を見通す)、豆(健康でマメに働く)など、縁起を担ぐ意味のある食材が使われていることが多いです。
ひなあられ
ひな祭りのおやつというイメージが強い「ひなあられ」。
起源は江戸時代。当時流行した「雛の国見せ(部屋から雛人形を連れ出して春の景色を見せてあげるという風習」の際に、ひな祭りの伝統食である菱餅を屋外でも食べられるように砕いて携帯したもの。
菱餅の「ピンク、白、緑」に「黄」を加えることによって、四季を表現しています。「一年を通して女の子が幸せにありますように」という願いが込められているお菓子です。
ちなみに、東日本では砂糖菓子のような甘い味付け、西日本では醤油や塩味のしょっぱい味付けなど、地域によって味付けが異なるのも特徴。
ひし餅(菱餅)
ひなあられの原型でもある「ピンク・白・緑」の3色からなる「ひし餅(菱餅)」。地域によって2色だったり5色だったりしますが、最もよく見るのは3色タイプの菱餅です。
下から緑・白・ピンクの順番になっており、緑は大地、白は雪、ピンクは桃を表現しています。「雪の下には新芽が芽吹き、桃の花が咲いている」という春の情景から。
ちなみにそれぞれの色に込められた意味は、桃色「魔除け」、白「清浄・純潔」、緑「健康・邪気払い」です。
ハマグリのお吸い物
「はまぐりのお吸い物」もひな祭りの定番料理ですね。
はまぐりの貝殻は、対になっている貝殻でなければピッタリ綺麗に合わさりません。
そんな特徴を持つ事から、はまぐりは夫婦円満を表す食べ物とされています。「一生を添い遂げられるような男性と巡り合い、夫婦仲良く幸せな人生を送れますように」という願いが込められています。
白酒・甘酒
ひな祭りは邪気払いの意味を持つ神事です。元々は桃の花を使った「桃花酒(とうかしゅ)」というお酒を飲んでいましたが、江戸時代からは「白酒」がひな祭りのお供えとして変わっていきました。
しかし、白酒はアルコールが入っているため子供が飲むわけにはいきません。子どもが飲むのはアルコールが入っていない家庭でも作れる「甘酒」です。
白酒・甘酒には、「邪気・厄払い」「長壽」の願いが込められています。
まとめ
ひな祭り(桃の節句)は、女の子の成長と健康を願ってお祝いされる日本古来から続く年間行事です。
近年ではひな人形を飾らないご家庭が増えており、そもそも何もしないご家庭も少なくないのが実情。でも、ひな祭りの意味や込められた願いを知ると、ひな祭りへの関心が高まると共に、実際にやってみるとより楽しめると思います。
また、なかには定番というだけで、意味を知らずにひな祭りの行事食を食べていた人もいるかもしれません。料理や食材一つ一つにも意味があり、そこには我が子の幸せを願う親の気持ちが込められているんですよ。
古くから受け継がれてきたひな祭りの意味を理解し、その上で子供の健やかな成長と幸福を願ってみてはいかがでしょうか。
ひな祭りの関連記事は下記にまとめてありますので是非参考にしてください。