✓雛人形はいつから始まったの?
✓雛人形を飾るのは何歳まで?
こんな疑問を解消します。
3月3日は雛祭り。雛祭りといえば雛人形を飾ってお祝いするのが一般的です。そもそも雛人形はなぜ飾るのでしょうか。あまりにも飾るのが当たり前すぎて、その意味までは知らない方もいるかもしれません。
また、日本で雛人形を飾る文化が始まった由来や、何歳まで飾るのが良いのかなど、意外と知らない事がたくさんあります。
このページでは、ひな祭りに雛人形を飾る意味と由来、何歳まで飾るのかなど、知っておきたい雛人形の基礎知識をご紹介します。
このページの目次
雛人形をひな祭りに飾る理由
雛祭りに欠かせない雛人形。昔と今では雛人形を取り巻く環境はかなり変わっており、誰もがイメージする大型の段飾りは滅多に見られなくなりました。そんな現代でも雛人形は根強い人気があり、多くのご家庭でライフスタイルに合う雛人形が飾られています。
雛人形とは、女の子の健やかな成長と幸せを願って飾るもの。ここから具体的にどんな役割や意味が込められているのを見ていきましょう。
幸せな結婚ができるようにという両親の祈り
まずは、雛人形における主役となる最上段、お雛様とお内裏様について。あの場面は、天皇陛下と皇后陛下の「結婚式」を模したものです。向かって左側のお内裏様が天皇陛下で、右側のお雛様が皇后陛下にあたります。
そこには、「我が子が天皇陛下と皇后陛下のように幸せな結婚をしてほしい」という、娘の幸せを願う両親の祈りが込められています。
当初は貴族の間で行われていた雛人形の風習が、一般の人々にも広がっても宮中の結婚式モデルは変わりませんでした。
昔より結婚や恋愛の形が多様化してはいても、やはり親が願うのは子供の幸せ。時代が変わろうとこの想いだけは不変ということなのでしょう。
雛人形のモデルについては下記の記事をご覧ください▼
五人囃子?三人官女?…彼等はそもそも何者?【雛人形の登場人物15人を紹介】
持ち主の厄を引き受ける身代わり人形
雛人形は幸せな結婚を祈ること以外にも、持ち主(娘)の”身代わり”となって厄を引き受ける役割を担っています。
ひな祭りの原型と言われている「流し雛」だと、和紙で作った形代(かたしろ)を川に流していました。これには身の穢れを人形に移して水に流すという意味があります。和紙の形代が現在のような華やかな人形に変わると、川に流すものから家に飾るものに変化しました。
つまり、雛人形は「娘の幸せな結婚を願うと共に、健やかに育って欲しい」という願いも込められているのです。
雛人形の由来
ひな祭りは流し雛という民俗行事を原型としており、雛人形とも深い関わりがあります。雛人形がどのように生まれたのか、その由来を見ていきましょう。
雛人形の原型は奈良時代の風習
ひな祭りの起源は、古代中国の風習「上巳(じょうし)の節句」という説が有力です。上巳の節句とは、3月最初の巳の日に邪気や厄を払うために川に入って禊をする行事のこと。
日本では奈良時代に、和紙もしくは草木で作った「人形(ひとがた)」を、身代わり人形として川に流す儀式が行われていたようです。それが平安時代に形を変え、人形に穢れを移して川に流す「流し雛」という風習が生れました。
ひな祭りの由来についてはこちら記事をご覧ください▼
ひな祭り(桃の節句)は具体的に何をする日?【意味・由来・代表的な食べ物を解説】
日本古来の宮中遊び「ひいな遊び」と合体
平安時代の宮中では、貴族の女の子の間で「ひいな遊び」と呼ばれる人形遊びが流行っていました。分かりやすく言えば平安時代版おままごとです。雛(ひいな)とは「かわいらしいもの」という意味で、ひいな遊びに使われていたのは紙や布で作られた人形。
そして、日本古来の遊び「ひいな遊び」と、中国から伝わってきた「上巳の節句」、さらに「流し雛」の風習が合体しました。
流し雛でひいな遊びの人形も流すようになると、人形がどんどん豪華になったことによって、川に流すものから家に飾って楽しむ行事に変化したのです。
また、江戸時代では既に現在のような雛人形が出来上がっていました。庶民のあいだで豪華な雛人形を見せ合う「ひな合わせ」という自慢合戦もあったのだとか。
雛人形は何歳まで飾る?
雛人形は何歳まで飾るのが正しいのでしょうか。古くから行われてきた伝統行事なので、飾る年齢にも明確な決まりがありそうですよね。
しかし、実は雛人形を飾る年齢に○○歳までという明確な決まりはありません。
子供が何歳になっても飾って良いんです。もちろん、中学や高校までなど、あらかじめ区切りを決めておくのも良いと思います。結婚を節目に飾るのをやめるご家庭も多いようです
どこを区切りにするのかはご家庭や地域によってさまざま。子供の健やかな成長と幸せを祈るための物なので、周りに合わせる必要は全くありません。
昔は嫁入り道具だった
昔は嫁入りの際に雛人形を持参して、嫁入り後の最初のひな祭りに飾って賑やかに祝う風習もありました。雛人形は嫁入り道具として持たされていたんです。
親から子、そして子から孫に、想いや愛情と一緒に雛人形も受け継がれてきたということ。この風習を「嫁の雛(よめのひな)」と呼びます。
飾る年齢に区切りをつけるかどうかも自由。娘が何歳になっても、大人になっても、雛人形を毎年の慣習にして1年の無事を祈ることは間違いではありません。
最近はコンパクトな雛人形が人気
昔は七段十五人飾りのような大型の雛人形が当たり前でしたが、最近はあまり見かけません。理由はやはり飾るスペースの問題。
大型の雛人形を飾るには当然広いスペースが必要です。でも、近年はアパートやマンション住まいの人が増えたことで、大きな段飾りを飾るのは現実的ではなくなりました。そのため、飾ることを諦めるご家庭もすくなくありません。
そんな住宅事情の変化に伴い、雛人形も現代に適応してコンパクトサイズが主流となっています。
卓上サイズなど省スペースに飾れる雛人形が増加。見た目のデザインは可愛らしく、飾っても収納してもかさばらないので、むしろ現代の方が飾りやすくなっているとすら言えるかもしれません。
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我が子の幸福と健康を祈って雛人形を飾ろう
雛人形を飾る理由は、娘の健やかな成長と幸せな結婚を願うため。身代わり人形として災いや穢れを本人の代わりに引き受ける役割も担っています。
子供には元気に育ってほしい。幸せな結婚をしてほしい。子や孫を想う両親と祖父母の願いが込められています。このような雛人形の意味を知っていると、飾るときに想いを込めやすいですね。
また、年齢制限はないので何歳になっても飾れます。しばらく飾っていなかったご家庭でも、久しぶりに雛人形を飾ってお祝いしてみるのもいいかもしれません。
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