喪中はがきの書き方と文例【時期や対象範囲など基本的なマナーも紹介】

✓喪中はがきを出す親族の範囲は？
✓喪中はがきはいつまでに出す？
✓喪中はがきにはどんな事を書くの？

こんな疑問を解消します。

喪中とは、遺族や親族が故人を偲ぶ期間のことで、贅沢や祝いごとを慎んで過ごします。そのため、喪中期間は年賀状による挨拶も控えるのが通例です。

その場合、年賀の挨拶を欠礼することを伝える「喪中はがき（年賀欠礼状）」を送ります。ただ、喪中はがきは送付する範囲や時期など、適切な送り方とマナーがあるため、どうしたらいいか分からなくて悩んでいる方もいるかもしれません。

そこでこの記事では、知っておきたい喪中はがきのマナーや基礎知識、正しい書き方と役立つ文例をご紹介します。

喪中の期間は年賀状を控えて「喪中はがき」を出す

喪中とは、遺族や親族が故人の死を悼む期間のこと。

おめでたい慶事やお祝い事の企画・参加、贅沢や遊興を避けて喪に服すことを指します。

喪中の際に控えるべき祝い事の中には、年末年始の正月行事や年賀状も含まれています。

そして、喪中の場合に年賀状の代わりとして出すのが「喪中はがき」。正式名称は「年賀欠礼挨拶状」と言います。”新年の挨拶を遠慮する”旨を、年賀状シーズン前に報せるために送るものです。

喪中はがきは比較的新しい慣習のため、ルールやマナーは未だに確立されていません。また、弔事なので宗派・地域によってマナーは異なる場合もあります。

喪中はがきを出す親族の範囲は何身等まで？

一般的には、ご自身から見て”二親等以内の親族”が亡くなった場合となります。

とは言っても、この範囲も厳密に定められているわけではありません。最近は祖父母が他界した場合でも出さないご家庭が増えているようです。

一般的にほぼ必ず出されているのは、亡くなった方が一親等と二親等の兄弟姉妹、そして同居している家族・親族・親戚の場合。祖父母や叔父叔母といった三親等の関係でも、同居していたなら喪中はがきを出すことが多いです。

また、大変お世話になった方が亡くなられた場合に出す人もいるので、付き合いの深さを一つの基準にするのも良いでしょう。

喪中の期間

喪中の期間は誰もが同じというわけではなく、故人との関係性によって変わります。

一親等に比べて二親等の喪中期間はだいぶ短くなりますが、これはあくまで目安の期間。特に、配偶者と子供の場合は決まった喪中期間がないという考え方が一般的です。

数か月の差がある理由は、故人との付き合いの深さによって喪中期間は変わるから。二親等でもほとんど面識のない故人の場合、それで6ヶ月も喪に服すというのは違和感があります。

悲しみの深さは単純な続柄だけでは測れないもの。最終的には本人の心情、相手との関係性で喪に服す期間を決めても良いでしょう。

喪中はがきを送る相手は？

喪中はがきは毎年年賀状をやり取りしている相手に送るのが一般的。故人と面識のある人、付き合いが深い人に送りましょう。基本は身内にも送るものがですが、親族・親戚はお互い喪中であることから近年は省略する人も増えています。

喪中はがきは訃報ではありません。あくまで「今年は年賀状を控える」ことを伝える手段なので、葬儀の参列者にも改めて送るのがマナーとなります。

また、最近はビジネスとプライベートは分けて考え、仕事の付き合いしかない相手には例年通り年賀状を出す人も増えているようです。

喪中はがきを出す期間はいつからいつまで？

喪中はがきは年賀状の受け取りを拒否するものではなく、あくまで「新年の挨拶を遠慮します」というお詫びを伝える挨拶状です。最近は”喪中の相手には年賀状を控える”という考え方が一般的。

そのため、喪中はがきは相手が年賀状の準備を始める前に届くようにするのがマナーです。

11月中頃か遅くても12月初旬までには相手に届くよう手配しましょう。

その期間よりも後、年末に不幸があった場合は、喪中はがきはあえて出さなくても問題ありません。喪中の間に年賀状を送ってくれた相手には、松の内の後（1月8日以降）に「寒中見舞い」を出して喪中の報せとします。

ちなみに、寒中見舞いは慶事の挨拶ではないので、喪中期間内であっても送って大丈夫です。

喪中はがきの正しい書き方

喪中はがきは年賀状とは異なる弔事ならではのマナーがあります。間違いのないように基本的な書き方とマナーは知っておきたいところです。

はがきと切手の選び方

喪中はがき用のはがきは、「私製はがき」と「通常のはがき（官製はがき）」どちらでも構いません。間違っても年賀はがきは使用しないように注意してください。

喪中はがきに通常はがきを用いる場合は、「胡蝶蘭柄」のはがきを使用する方が圧倒的に多いです。最近はオシャレなはがきも増えていますが、あくまで弔事用なので華美なデザインや色ものは避けた方がいいでしょう。

また、私製はがきには切手が必要となります。マナーとしては通常の普通切手は使わず、郵便局で購入できる「弔事用63円普通切手花文様」を貼るのが一般的です。

文字の色は「薄墨」と「黒色」どちらかで書く

挨拶状に用いる文字色は基本的に黒色と決まっていますが、喪中はがきの場合は「黒色」「薄墨」の2種類から選べます。

薄墨は「涙で墨が薄まってしまった」という由来があり、控えめな色でもあることから喪中はがきに丁度良いと考えられています。

どちらを使用するかは個人の好みで判断して構いません。ただ、挨拶文は薄墨で良くても、宛名面だけは黒色で書くのがマナーです。

印刷の場合は、そもそも薄墨を設定できないプリンターもあるため、どちらかというと黒色が一般的。ちなみに、文字のフォントは「楷書体・明朝体」が多いようです。

喪中はがきを書くときのマナー

喪中はがきの基本的な構成

まず、喪中はがきは「横書き」「縦書き」どちらでも構いません。

①喪中につき年賀欠礼することを述べた挨拶

よく使われる定型文はこちら▼

慶びの挨拶となる「年賀」の文字は使わず、「新年・年頭・年末年始」等と書きます。

②誰がいつ亡くなったのかを明確に書く

亡くなった方の「続柄」「名前」「亡くなった月」「享年」を書きます。

例えばこのように▼

続柄は、「祖父・祖母・父・母・義父・義母・兄・姉・弟・妹・義兄・義弟」などと記載。

夫婦連名で書く場合は、一般的には夫から見た続柄を表記します。

③結びの挨拶

「生前お世話になったお礼」と「今後も変わらぬお付き合いをお願いする」旨の言葉を組み合わせて伝えます。

例えばこちらのように▼

この他、感謝の言葉の後に「皆様が健やかなる新年をお迎えになりますよう心よりお祈り申し上げます」のように、先方の無事を祈る言葉を組み合わせるパターンもあります。

④日付（年号と月）

本文の後には日付を忘れずに書いてください。

「元号〇〇月」のように、基本的には差し出す年（元号）と月のみ記載します。日にちまで書く必要はありません。

一般的には11月か12月のどちらかになるケースがほとんど。なかには書いた日にちや投函日に関係なく、「一律12月」としている慣習もあるようです。しかし、届いた月と記載されてる日付が異なると、違和感をおぼえる人が多いので投函した月で構いません。

⑤差出人住所と氏名

最後に、差出人の住所と氏名の順番で記入します。

差出人名は個人でも連名でも構いません。

喪中はがきの文例

喪中の間に年賀状を受け取った際の返事は？

喪中の間でも年賀状は受け取ること事態はマナー違反にあたらないので大丈夫です。年賀状の返事は、1月8日以降に「寒中見舞い」を出します。

喪中はがきを出していない相手から年賀状が届いた場合は、喪中の連絡を出していない旨をお詫びする言葉を添えるようにしましょう。

寒中見舞いは暑中見舞いと同じで季節の挨拶状です。でも、最近は年賀状を出せなかった相手への挨拶状として使われることが増えています。

寒中見舞いの基本構成と文例

寒中見舞いで年賀状の返事をする場合の文例はこちら▼

※年賀状の「賀」はおめでたい文字となりますので、喪中の際は年賀状ではなく「お年始状」を用います。

喪中はがきはバタバタする年末の前に送ることが大切

喪中はがきは年賀状と違って毎年あるものではありません。比較的新しい慣習だからルールやマナーもまだ確立されていないのが実情です。

忙しい時期なので、相手が年賀状の準備を始める前に届くように手配することが大事。11月中か遅くても12月の始めくらいには届くように手配しましょう。

うっかり送れなかった相手、送っていない相手から年賀状が届いた場合は、最近だと1月8日以降に寒中見舞いを出すのが一般的です。

大切なのはマナーを守ることだけではありません。何より大切なのは故人を悼む心。相手のためだけではなく、ゆっくり故人を偲ぶ時間を確保するためにも、喪中はがきは早めに準備しましょう。

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