
✓初詣はいつからいつまで?
✓混雑しやすい時間帯は?
このような初詣に関する疑問を解消します。
初詣は新年を迎えて初めて神社やお寺を参拝する行事。日本人にとっては毎年の恒例行事であり、地元の神社仏閣には多くの参拝客が訪れます。
それでは、なぜ日本人は年の初めに初詣に出掛けるのか…その理由をご存知でしょうか?また、初詣の時期や混雑する時間帯など、知っていると役立つ情報をしっかりチェックしていますか?
このページでは、初詣の意味と由来を解説しつつ、初詣に関する素朴な疑問も解消します。
このページの目次
初詣とは?意味と由来
初詣とは、年が明けて初めて神社やお寺に参拝すること。
「詣(もうでる)」という漢字は「神仏にお参りする」という意味なので、初詣は新年初のお参りという意味。他に「初参・初参り(はつまいり)」と呼ぶこともあります。
初詣に行く目的は、一般的には神様に一年の感謝を捧げ、新年の挨拶や願掛けを行うため。おみくじを引いたり、御守りを購入したり、絵馬に願い事を書く方も多いです。
また、お正月に飾り付ける正月飾りや鏡餅は、家に歳神様をお迎えし、感謝を捧げるための慣わし。つまり、家で神様に感謝を捧げ、その後に神社で再度神様を参拝するわけです。
なぜ2度も神様を参拝するのかと言うと、家にお迎えする神様と神社の神様は別の神様だから。
- 各家にやってくる神様は「歳神様」
- 神社におわす神様は同じ地域に住む人達が祀る「氏神様」
最近は地元の神社ではなく、有名な神社やお寺を参拝する方も増えているようです。できればその上で、ご自身が住む地域を守っていただいている地元の神様も大切にしたいですね。
初詣の歴史と由来
現在の初詣の形式は、「正月に地元の神社、もしくはご利益の大きそうな有名神社かお寺を参拝する」というのが一般的。
しかし、こうした形式が定着したのは意外にも最近のこと。初詣の慣わしは時代と共に大きく変化してきました。
年籠り➡元日詣➡恵方詣り➡初詣
初詣のもともとの由来とされているのは、平安時代に行われていた「年籠り(としごもり)」という風習。
年籠りとは、家長や村長が大晦日から元旦にかけて、その土地の氏神様を祭る神社で寝ずにこもり、新しい年の豊作や家内安全を夜通し祈願すること。
年籠りはやがて以下の形式に分かれました▼
- 元旦に参拝する「元日詣(がんじつもうで)」
- 大晦日に参拝する「除夜詣(じょやもうで)」
初詣の原型とされているのは前者の元日詣。
元日詣は江戸時代中期頃から「恵方詣り(えほうまいり)」として盛んに行われるようになります。恵方詣りとは、元日の朝に自宅から見て恵方の方角にある神社やお寺に参拝することです。
交通網の発達によって現在の初詣スタイルが確立!
その後、2つに分かれた風習は時代の流れと共に簡略化されていき、元旦にだけ神社を参拝する習慣が広まったのです。
ちなみに、現在だと除夜の鐘が鳴る前から神社を参拝し(除夜詣)、現地で年をまたいで新年を迎える(元旦詣)という人が増えており、これを「二年参り」と言います。
さらに、大正時代から昭和時代の鉄道登場による交通網の発達によって、氏神様や恵方にこだわる慣わしへの意識が薄れることになりました。そして、有名な神社やお寺に自由に参拝するという現在のスタイルが一般的になったのです。
「初詣」という言葉が使われるようになったのも大正時代頃からと言われています。
交通の便が改善されたことで、近くの恵方の社寺だけでなく、遠方の恵方にある有名な社寺へ参拝に出向きやすくなりました。このように、当初はまだ恵方の慣わしは盛んだったのですが……。
正月になると各鉄道会社が自分たちの沿線にある神社仏閣こそ「恵方だ!」と宣伝合戦を開始。それが原因で大正時代末期から徐々に恵方の意味が失われていき、恵方が関係ない「初詣」が一般的になりました。
初詣に関するQ&A|参拝期間はいつからいつまで?混雑する時間は?
毎年当たり前のように行っている初詣ですが、意外と知らないことも多くありませんか?初詣に関する素朴な疑問をまとめたので参考にしてください。
初詣の参拝期間はいつからいつまで?
初詣は新年を祝う大切な行事であるため、参拝期間にも厳格なルールが定められていそうですが、実は初詣にはいつからいつまでに行くという明確な決まりはありません。
あくまで、その年の初めての参拝が初詣となります。
POINT
ただ、一般的には三が日(1月1日~3日まで)もしくは松の内(多くは1月7日、関西など一部地域では1月15日)まで。遅くとも小正月(1月15日)までに済ませるケースが多いようです。
もちろん1月中でも2月や3月に初詣を行っても、それで縁起が悪くなるということはありません。しかし、やはり歳神様がいらっしゃる松の内までに行う方が縁起は良く、ご利益も得やすいとは言われています。
混雑する日にちと時間帯は?
やはり1月1日の元日・元旦は最も混雑しており、元日は9時頃から昼にかけての時間帯が多くの寺社で混雑のピークを迎えます。なので「混雑は絶対無理!」という方は元日は避けた方がいいでしょう。
それでも元日に空いてる時間を狙うのであれば以下の時間がおすすめ▼
- 午前4時~6時
- または午前7時~8時
早朝の時間帯ならピーク時よりは空いています。また、夕方まで混雑が続く寺社も珍しくないのですが、それでもお昼ごろよりは参拝しやすいでしょう。
1月1日以降はだんだん少なくなってくるとはいえ、有名な寺社だと三が日の間は混雑は避けられないでしょう。三が日が過ぎるとようやく混雑は落ち着き、1月4日以降になると人込みはかなり減少しています。
初詣は神社でないとダメ?お寺は相応しくない?
初詣のお参りは神社でもお寺でもどちらに行っても問題ありません。
神社とお寺では祀る対象が異なります。しかし、奈良時代からは「神仏習合」といって、神道をはじめとした日本古来の神と仏教とを結びつけて信仰するのが一般的になりました。
明治時代に神仏分離によって区別されましたが、その名残は現在にも色濃く残っています。
初詣における神社・お寺についてはこちらの記事をご覧ください▼
初詣の参拝は神社でないとダメ?【神社とお寺それぞれの参拝の仕方も解説】
喪中の初詣はダメ?
喪中であっても神社やお寺に初詣の参拝に行くことはできます。
しかし、故人が無くなってから四十九日の法要までは「忌中」といって、神社への参拝は避けた方がよいとされています。50日目の五十二祭で「忌明け」となるので、50日以降は神社への参拝が可能になります。
お寺に関しては気にせず参拝していただいて構いません。
初詣のお賽銭はいくら供えるべき?
お賽銭に金額の決まりは特にありません。
ただし、縁起が良いとされている金額と、縁起が悪いとされている金額はあるので、それらの金額を参考にするのも良いでしょう。
■縁起の良い金額
5円(ご縁がありますように)、5円×2枚(重ね重ねご縁がありますように)、5円×7枚(再三ご縁がありますように)など
■縁起の悪い金額
10円硬貨(遠縁になる)、65円(ろくなご縁がない)など
初詣のお賽銭の金額についてはこちらの記事をご覧ください▼
初詣のお賽銭はいくら入れると縁起が良い?【勘違いされてるお賽銭の意味も解説】
ちなみに、お賽銭というのは神様に願い事を聞いてもらうためのお供えではありません。お賽銭の本来の意味は、神様に感謝を捧げるためのお供え物です。
おみくじは結ぶ?持ち帰る?
初詣といえばおみくじを引く方も多いですよね。おみくじでよく挙げられる疑問が「おみくじは境内に結んだ方が良いのか。それとも持ち帰った方が良いのか?」ではないでしょうか?
初詣で引いたおみくじは境内に結ぶのも持ち帰るのも個人の自由。
※神社によっては結ぶことを禁止にしているところもあるので気を付けてください
ただ、どちらかといえば持ち帰った方が良いとされています。神社のおみくじというのは【神様から頂くありがたいお告げであり、あなたへ向けた助言】だからです。
生活や人生の指針となるメッセージなので、持ち帰ってたまに読み返す方が望ましいでしょう。
初詣のおみくじに関してはこちらの記事をご覧ください▼
初詣のおみくじは結ぶ?それとも持ち帰る?【神社に結ぶより持ち帰った方が良い理由】
まとめ
お正月の恒例行事である初詣。日本人にとっては当たり前の風習だが、現代スタイルの初詣の歴史は浅く、時代の流れと共に慣わしが変化してきた文化です。
現在のように好きな寺社に自由に参拝するようになったのが、「交通の便の改善」と「商業事情」の影響を受けての事というのは面白いですね。
時代と社会が変化するごとに文化の形も変わっていったということは、初詣がそれだけ我々の生活とも密接な関りがあり、大切にされてきた証。
このような意味や由来を知ったうえで参拝すると、何気なく行っていた初詣も新鮮な気持ちでお参りできるもの。せっかくの初詣なので、マナーを守った正しい参拝を心掛けて、気持ちよく新年をスタートさせてください。
お正月に関連記事はこちらにまとめてあるのでご参考にしてください