
✓時期はいつからいつまで?
✓どんな内容の挨拶を書けばいいの?
こんな疑問を解消します。
寒さ厳しい時期に相手を気遣って出す季節の便りが『寒中見舞い』、そして『余寒見舞い』です。最近では年始の挨拶が出来なかったとき、年賀状の代わりとして用いられることも増えてきました。
しかし、寒中見舞いはいつまでなのか、いつから余寒見舞いとなるのか、それぞれの挨拶の内容など、送り慣れていないと分からないことも多いですよね。
このページでは、寒中見舞いと余寒見舞いそれぞれの意味や挨拶を送る時期、書き方と文例を紹介します。
このページの目次
”寒中見舞い”と”余寒見舞い”とは
季節の挨拶状といえば、年始のご挨拶となる年賀状。他にも、夏に暑さを気遣うために送る暑中見舞いや残暑見舞いなど、日本には季節ごとに便りを出す風習があります。
そして、冬の寒い季節に送る挨拶状が「寒中見舞い(かんちゅうみまい)」と「余寒見舞い(よかんみまい)」です。
寒中見舞いと余寒見舞いは時期が異なるだけで意味や目的はだいたい同じ。
厳寒期に相手の健康を気遣ったり、お互いの近況を報告しあう、冬に送る季節の挨拶状。
POINT
- 「寒中」とは暦上で寒さが最も厳しいとされる時期
- 「余寒」とは立春が過ぎても尚残る寒さ
親しい方やお世話になっている方に、ハガキなど便りを出すのが一般的で、時候・季節の挨拶、安否伺い、近況報告などを行います。
また、現代では年始の挨拶を忘れた相手、または喪中のため挨拶を出来なかった場合に、年賀状の代わりとして利用されることも多いです。
用途は?どんなシーンで使用できる?
本来の役割である”季節の挨拶状”としてはもちろんのこと、他にも以下の用途でも使用されています。
CASE1:年賀状の代わり
- うっかり忘れたり諸事情で年賀状を出せなかった場合
- 年賀状を出していない相手から年賀状が届き、返事が松の内の期間内に間に合わなかった場合
- 喪中の方への年始の挨拶状とする場合
CASE2:喪中はがきの代わり
- 喪中はがきを出していない相手から年賀状が届いた場合
- 年末に急遽喪中となり、喪中はがきが間に合わなかった場合
CASE3:その他の用途
- 喪中だと知らずに年賀状を出してしまった場合に、お悔やみとお詫びを兼ねて
- 寒中見舞い・余寒見舞いへの返事(年賀状の返事として受け取った場合は必要ない)
寒中見舞いと余寒見舞いを出す時期は?
次に寒中見舞いと余寒見舞いを出す時期についてですが、これは「立春」を境にどちらを使うか変わります。
寒中見舞いの期間
二十四節気における「小寒」から「立春」前日までの期間、それら合わせて30日間を「寒中」もしくは「寒」「寒の内」といいます。小寒の最初の日が「寒の入り」、大寒が終わり立春を迎えると「寒の明け」です。
その期間内に出す季節の挨拶状のことを「寒中見舞い」と呼びます。
松の内(多くは元旦~1月7日)を過ぎてから、節分(立春の前日2月3日頃)までに届くようにしましょう。
一般的に松の内は1月7日までですが、関西など一部の地域では1月15日まで。
MEMO
具体的な送る期間はこちら▽
1月8日~2月2日から4日、もしくは1月16日~2月2日から4日まで。
先方の住まいの松の内が15日までの地域の場合は、16日以降に届くように手配した方がいいでしょう。
【小寒・大寒の詳細は下記の記事をご覧ください】
二十四節気「小寒」はどんな季節?2022年はいつ?【旬の食べ物・花・風習も紹介】
二十四節気「大寒」はどんな季節?2022年はいつ?【旬の食べ物・花・風習も紹介】
余寒見舞いの期間
小寒・大寒を過ぎてもなお残る寒さのことを「余寒」といい、その時期に出す季節のご挨拶を「余寒見舞い」といいます。
余寒見舞いとは、暦の上では春を迎えたものの、なお厳しい寒さが残る時期に、相手の健康を気遣って出すもの。
立春(2月3日~頃)から、寒さの続いている頃までに送ります。
MEMO
適切な送る期間はこちら▽
2月3日から5日の立春~寒さの続く頃まで。
実は寒中見舞いと違って「この日までに送る」という厳密な決まりはありません。
一般的には2月の末までに出されることが多いです。ただし、先方のお住まいが寒さの厳しい地域の場合は3月上旬くらいを目安に。
寒中見舞いと余寒見舞いの書き方
寒中見舞いと余寒見舞いは、こうでなけいればダメというような決まった形式はありませんが、一般的には下記のような構成になっています。
POINT
- 季節の挨拶
- 時候の挨拶や先方の安否をたずねる言葉
- 近況報告・お礼・結びの挨拶
- 日付
①季節の挨拶
季節の挨拶はある程度決まった形があるので、この部分はほとんどの寒中見舞いが同じ。下記の定型文をそのまま使っていただいて問題ありません。
<寒中見舞いの場合>
- 寒中お見舞い申し上げます
- 寒中お伺い申し上げます
<余寒見舞いの場合>
- 余寒お見舞い申し上げます
- 余寒お伺い申し上げます
②時候の挨拶や先方の安否をたずねる言葉
この部分は用途によって内容は変化しますので、ご注意ください。一般的には、時候の挨拶(季節や天候に応じた心情や季節感を現す挨拶分)、続いて相手の安否をうかがう挨拶の言葉を書きます。
または、年賀状の返礼に遅れた際のお詫び、もしくは喪中対応の挨拶となります。
<寒中見舞いの場合>
- 厳しい寒さが続いておりますが いかがお過ごしでしょうか
- 今年の冬の寒さは格別ですが 御地のご様子はいかがでしょうか
- 暖冬とはいえ さすがに冷え込む今日この頃 皆様いかがお過ごしでしょうか
<余寒見舞いの場合>
- 春とは名ばかりの厳しい寒さが続いておりますが いかがお過ごしでしょうか
- 残寒いまだ去らぬ今日この頃でございますが お変わりなくお過ごしでしょうか
- 春の陽気が待ち遠しい毎日ですが 皆様いかがお過ごしでしょうか
<年賀状の返信に遅れた場合>
- ご丁寧な年賀状を頂きありがとうございました ご挨拶が遅れ申し訳ございません
- 新春のご祝詞を頂きながらご挨拶が遅れてしまい誠に申し訳ございません
<喪中対応>
- 喪中につき新年のご挨拶を控えさせていただきました ご通知が遅れましたことお詫び申し上げます
- 本年○月に【続柄】【故人の名前】が〇〇歳にて永眠いたし 服喪中のため新年のご挨拶を控えさせて頂きました 本来であれば旧年中にお知らせ申し上げるべきところ 年を越しての事となり 深くお詫び申し上げます
- ご服喪中のことと年頭のご挨拶は遠慮させていただきましたが 皆様いかがお過ごしでしょうか
- ご服喪中とは存じあげず お年始の挨拶を申し上げてしまい大変失礼いたしました
③近況報告・お礼・結びの挨拶
ご自身やご家族についての近況報告や、日頃お世話になっていることに対するお礼の言葉などをかき出し、最後に先方の健康や幸せを祈る言葉で締めくくります。
<近況報告>
- お陰様でこちらは(私共は)変わりなく過ごしております
- お陰様で私ども家族一同 無事つつがなく過ごしております
<結びの挨拶:寒中見舞いの場合>
- 厳しい寒さが続きますが お風邪など召しませぬようお体を大切にお過ごしください
- 寒さ厳しき折柄 皆様のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
<結びの挨拶:余寒見舞いの場合>
- 余寒なお厳しき折 くれぐれもお身体ご自愛ください
- 季節の変わり目 風邪など引かれませんよう どうかご自愛下さいますようお祈りいたします
④日付
日付は年号+月だけで構いません。日にちまで細かく記載しなくても大丈夫。
「年号〇〇年〇月」
寒中見舞いの例文・文例
CASE1:基本的な季節の挨拶
寒中お見舞い申し上げます
厳しい寒さが続いておりますが 皆様いかがお過ごしでしょうか
おかげさまで私どもは一同変わりなく過ごしております
厳しい寒さが続きますが お風邪など召しませぬようお体を大切にお過ごしください
CASE2:年賀状の返信が遅れた場合
寒中お見舞い申し上げます
新春のご祝詞を頂きながらご挨拶が遅れてしまい誠に申し訳ございません
皆様におかれましては佳き年を迎えられましたご様子 心からお慶び申し上げます
厳寒の折 風邪などお召しになられませんようご自愛ください
本年も宜しくお願い申し上げます
CASE3:喪中の方への年始の挨拶
寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中と存じ 年始のご挨拶はご遠慮させていただきましたが ご家族の皆さまはいかがお過ごしでしょうか
ご家族が欠けたこの冬は 寒さもひとしおと存じます
厳寒のみぎり皆様どうかお体を大切にお過ごしくださいませ
CASE4:喪中と知らず年賀状を出してしまった場合
寒中お見舞い申し上げます
ご服喪中と存じ上げずにお年始状を差し上げてしまいましたことを深くお詫び申し上げます
遅ればせながら謹んでご冥福をお祈り申しあげます
厳寒の折から 皆様どうか御身大切にお過ごしください
CASE5:喪中はがきを出していない相手から年賀状をいただいた場合
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただき 有難く存じます
昨年〇月に【続柄】【氏名】が永眠し 年頭のご挨拶を控えさせていただきました
ご通知が遅れましたことを深くお詫び申し上げます
なお本年も変わらぬお付きあいのほど どうぞよろしくお願いします
CASE6:故人に年賀状が届いた場合
寒中お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただき 有難く存じます
【続柄】【氏名】は昨年〇月に他界いたしました
旧年中にお知らせ申し上げるべきものを 年を越してしまいました非礼をお許しください。
故人が生前に賜りましたご厚情に深謝申し上げますとともに
この厳寒の折柄 皆様の一層のご健康とご多幸をお祈り申し上げます
余寒見舞いの例文・文例
CASE1:基本的な季節の挨拶
余寒お見舞い申し上げます
春とは名ばかりの厳しい寒さが続いておりますが いかがお過ごしでしょうか
おかげさまで私どもは一同変わりなく過ごしております
季節の変わり目 風邪など引かれませんよう どうかご自愛下さいますようお祈りいたします
CASE2:年賀状の返信が遅れた場合
余寒お見舞い申し上げます
新春のご祝辞をいただきながらご挨拶が遅れてしまい 誠に申し訳ございません
皆様ご健勝でお過ごしとのご様子 なによりとお喜び申し上げます
春とは名ばかりに厳しい寒さが続いておりますが くれぐれもご自愛のほどお祈り申し上げます
CASE3:喪中はがきを出していない相手から年賀状をいただいた場合
余寒お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただき 有難く存じます
服喪中につき年頭のご挨拶は差し控えさせていただきました
お返事が遅れて申し訳ありませんでした
余寒厳しき折 お身体を大切になさってください
CASE4:喪中はがきを出していない相手から年賀状をいただいた場合2
余寒お見舞い申し上げます
ご丁寧なお年始状をいただき 有難く存じます
昨年〇月に【続柄】 が他界いたしましたため 年末年始のご挨拶をご遠慮させていただきました
ご連絡が行き届かず大変申し訳ございませんでした
立春とはいえまだまだ寒さ厳しき折 くれぐれもご自愛いただきますようお祈り申し上げます
寒中見舞いと余寒見舞いは相手を気遣うことが大切
寒中見舞いと余寒見舞いは、本来は相手の安否をたずね、無事を祈り、こちらの近況や無事を伝える季節の挨拶状です。
ただ、現在では不幸があったり諸事情で年賀状での新年の挨拶が遅れた場合、もしくは先方に不幸があり年賀状を控えた場合に出されることが多くなっています。
大切なのは相手を気遣う気持ち。失礼のない時期を選び、相手に不快な思いや心配をさせない文面であること。
この記事で紹介した文例は少し堅苦しいかもしれませんが、親しい友人や親族に出す場合ならもう少し砕けた文面になっても構いません。自分の文章を書くことで相手を想う気持ちがより深く伝わるでしょう。
記事を参考にして、マナーを踏まえつつ相手を気遣う気持ちを込めた、素敵な寒中見舞い、もしくは余寒見舞いを送ってみてはいかがでしょうか。
【喪中はがきに関する記事】
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