✓七夕に行事食はある?
このような疑問を解消します。
織姫彦星伝説や短冊で知られる夏を代表する行事、七夕。せっかくなら七夕にちなんだ料理を食べたいとお考えの方も多いことでしょう。
でも、肝心の七夕の行事食や定番料理をよく知らない方もいると思います。
そこで今回は、七夕ならではの食べ物、伝統的に食べられてきた行事食をご紹介します。
このページの目次
七夕の行事食って何?
七夕の行事食を考えてもパっと思い浮かばない方が多いかもしれません。でも、七夕は五節句のひとつであり、五節句にはそれぞれ代表的な行事食が存在します。
古くから七夕で食べられてきた行事食は、ズバリ「そうめん」なんです。
七夕の日に食べる行事食は「そうめん」
あまり知られていないかもしれませんが、古くから七夕では「そうめん」を食べる風習があります。食欲が落ちる暑い日でもツルっと食べられる夏の定番料理ですね。
そのルーツは古く、古代中国のとある伝承が基になっています。
皇帝の子が熱病で亡くなり、その子が1本足の鬼となって熱病を流行らせてしまいます。
そこで鬼となった子供が生前好物だった「索餅(さくべい)」をお供えすることに。
すると怒りが収まり、熱病も治まりました。
索餅とは
索餅は小麦を練って縄状にして油で揚げた麺料理。
見た目はツイストドーナツのような形状。
それ以降、7月7日には無病息災を祈願して索餅を食べる習慣が生まれました。日本には奈良時代に伝わっており、宮中の儀式で無病息災を祈願してお供えされ、次第に庶民の間にも広がっていきます。
索餅は別名「索麺」とも呼ばれ、時代が変わるなかで七夕の行事食はそうめんへと変わっていったのです。
※平安時代の書物『延喜式 』に宮中の七夕行事でそうめんがお供えされた記載があります。
そうめんは「織姫の糸」や「天の川」に見立てたという説もある
先程紹介した索餅起源説の他に、「織姫の糸」や「天の川」に見立てたという2つの説もあります。
織姫の糸に見立てた説
七夕は「織姫と彦星の星伝説」と「乞巧奠(きこうでん)」という風習を起源とする行事。もともとは機織の名手であった「織姫(織女星)」にちなんで、裁縫の技術が上達することを祈願する風習でした。
そうめんの見た目が裁縫で使う白い糸に似ていたことから、七夕に「裁縫・芸術が上達するように」と祈願するようになったと言われています。
七夕の由来について詳しく知りたい方は下記の記事をご覧ください▼
七夕の由来、飾りの意味とは【短冊と笹竹で願い事をするのはなぜ?】
天の川に見立てた説
水にそうめんを流したときの光景が、まるで七夕の夜を彩る天の川のように見えたことから、天の川に見立ててそうめんを食べたという説。
最近では星型に切り抜いたニンジンなどの野菜を散りばめ、そうめんを天の川のように盛り付け、それをSNSなどで紹介している方も増えています。
7月7日は「そうめんの日」
実は7月7日の七夕の日は「そうめんの日」でもあります。1982年(昭和57)年に「全国乾麺協同組合連合会」という乾麺メーカーの団体が制定しました。
そうめんが七夕の行事食となった由来を踏まえ、伝統ある行事食を全国に広げて未来に受け継いでいくという趣旨のもと、そうめんの日の普及に取り組んでいます。
そうめん以外の七夕ならではの食べ物
地域によってはそうめん以外の行事食を食べられていることもあります。また、一般的にご家庭でよく食べられている七夕にピッタリの料理もあわせてご紹介します。
地域によって異なる七夕の行事食
各地域の七夕の日に食べられている行事食をまとめました。
■長野県 ⇨ ほうとう
季節の食材、煮物、饅頭と一緒にほうとうを食べる風習があります。
「ほうとう」とは、麦の食文化から発展した食べ物。基本的には平べったくしたうどんのような麺を使い、カボチャや里芋などの野菜と一緒に煮込んだ料理。
■九州 ⇨ みょうが饅頭
九州の一部地域では、みょうが饅頭を食べる風習があります。
みょうが饅頭とは、あんこ入りの団子をみょうがの葉にくるんで蒸した食べ物。この地域では、七夕の時期にはスーパーに「七夕饅頭」として店頭に並ぶこともあるそうです。
■仙台 ⇨ 笹かもぼこ
仙台では名物として全国に知れ渡っている笹かまぼこが食べられています。
笹かまぼことは、すり身にした白身魚を笹の葉の形に整えて焼いたかまぼこ。初代仙台藩主である伊達政宗の家紋に描かれている笹の葉にちなんで呼ばれるようになりました。
実は七夕の日である7月7日は「笹かまの日」としても制定されています。
七夕の定番料理といえば「ちらし寿司」
行事食以外でよくご家庭で食べられているのは「ちらし寿司」。七夕にまつわる由来は一切ありませんが、もともとお祝い事の定番メニューであり、見た目も華やかなので七夕にピッタリです。
ニンジンや薄焼き卵を星型に切り抜いたり、断面が星型になるオクラを使ったりと、縁起の良さに加えて七夕用にアレンジしやすい料理であることも人気の理由。
実際、七夕の時期はスーパーやお寿司屋さんで、七夕をイメージしたちらし寿司を見掛けるようになります。
七夕の日に食べるデザートは?
七夕に行事食的なデザートは存在しません。ゼリー、アイス、杏仁豆腐、水羊羹といった、夏らしさのあるひんやり系デザートが人気のようです。
また、この時期しか食べられない七夕限定スイーツも人気。七夕の象徴である「星」や「星空(夜空)」をモチーフにしたものが多いです。目と舌で楽しめる煌びやかなで美味しいスイーツを堪能できます。
そうめんの原型である索餅も七夕ならではのスイーツと言えます。また、索餅と見た目がそっくりなツイストドーナツも七夕らしさを感じられるかもしれませんね。
7月7日は七夕料理も一緒に楽しもう!
七夕の行事食は夏料理の定番でもあるそうめんです。そのまま食べても良いのですが、野菜を星型にカットするなどして、七夕風アレンジに挑戦してみるのも楽しいと思います。
また、輝く「星」との関わりが深い七夕には、ちらし寿司のような華やかな料理もピッタリ。子供にも人気の料理なのできっと喜んでくれるはず。こちらも盛り付け次第でいくらでもアレンジ可能です。
今年は七夕にちなんだ料理を用意して、食から七夕を楽しんでみてはいかがでしょうか。
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