
✓熱帯夜でも眠れる快眠方法は?
✓夏は寝るときエアコン切った方がいい?
こんな疑問や悩みを解消します。
暑い夏、夜になっても最低気温が25℃以上の日を熱帯夜と言います。暑くてなかなか寝付けなかったり、寝苦しくて何度も起きてしまうなど、この時期は睡眠不足に悩まされている人は多いでしょう。
夏だからこそぐっすり眠って疲れを取りたいのに。しかも、熱帯夜の日数は年々増えているのだとか。睡眠不足は体調を崩す原因にもなるので、熱帯夜でもしっかり眠れる対策をしたいものです。
このページでは、夏の睡眠不足を解消するための。熱帯夜でもぐっすり眠るための快眠術をご紹介します。
このページの目次
暑いと寝つきが悪くなる理由
眠るためには深部体温(脳を含む内臓の温度)を下げることが重要。基本的に体内時計でコントロールされており、深部体温が低下すると眠気が出て、入眠して睡眠状態に入ります。睡眠の質を上げるためにも大切なことです。
通常就寝前になると脳温を下げる作用を持つメラトニンの分泌量が増えます。また、就寝時は皮膚表面から熱が放出され、冷えた血液が心臓や脳に戻ることで、深部体温はさらに低下するのです。
しかし、熱帯夜で室温が高いと体温調整が妨げられ、体温が低下しにくくなってしまいます。暑さのせいで眠る体勢を整えられなくなってしまうということ。
この状態だと寝つきは悪くなり、寝れたとしても体温は高いため、眠りは浅くなってしまいます。
寝苦しい熱帯夜でもぐっすり眠るための快眠術
熱帯夜における睡眠で大切なのは体温調節と部屋の環境を整える事。
- エアコンを上手に使う
- 扇風機やサーキュレーターを活用する
- 氷枕で頭部を冷やす
- 快眠グッズを取り入れる
- 寝る前に水を飲む
- 夏こそお風呂に入る
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それでは一つ一つ詳しく見ていきましょう。
【熱帯夜対策①】エアコンを上手に使う
熱帯夜の場合、エアコンを寝る前に切ると睡眠の質は落ちる可能性が高いので気を付けてください。
睡眠にはサイクルがあり、「ノンレム睡眠(深い)」と「レム睡眠(浅い)」が交互に訪れます(※睡眠のサイクルは個人差がある)。そして、寝始めの3時間が快眠にとっては重要。この3時間の間に妨げられることなく2回の深いノンレム睡眠がやってくると、質の良い睡眠をとれると言われています。
一晩中つけっぱなしが嫌だとしても、寝始めてから3時間はエアコンをつけておくのが正解。
- 設定温度は26~28℃
- 湿度は通年で50%前後
こちらが夏場の快眠を得やすい理想の設定温度と湿度。就寝1時間前くらいからエアコンを付けて室温を下げておき、途中で切りたい方はタイマーを3時間にセットしましょう。
でも、近年は夏の気温上昇に伴い、安全のため一晩中つけっぱなしが推奨されています。
扇風機やサーキュレーターを併用する
冷たい空気は下にたまりやすく、温かい空気は上にたまりやすい特徴があります。エアコンを稼働させても、室内に空気の流れが無いと、効率よく室温を低下させることができません。
そんな時は、扇風機やサーキュレーターを活用して、気流を作って室内の空気循環を整えましょう。
ただし、注意点もあるので使い方は気を付けてください。
注意ポイント
- 目的は室内の空気循環を良くすること
- 扇風機の風は直接体にあてない(壁や天井へ向けて跳ね返りを利用する)
- エアコンと併用するならエアコンの下に置く
- 外の空気を取り込みたいときは窓の近くに置く
エアコンや扇風機の風が体に直接当たるのは危険。汗の蒸発が進んで急激に体温が低下したり、脱水気味になったり、睡眠の質が悪くなってしまいます。
ちなみに、エアコンを使うなら除湿(ドライ)モードがおすすめ。快眠を妨げているのは温度よりも湿度であることが多いからです。
熱は寝具の中にも溜まっている
見落としがちなのが寝具に含まれている熱です。昼間の室温が高かった場合は布団や枕などの寝具にも熱が籠ってるはず。エアコンで部屋を冷ましても寝具がホカホカなこともあり、結局寝苦しい思いをすることになります。
なので、布団の上を歩いたり枕を軽く叩くなどして、寝具の中の熱を外へ排除してください。タイミングは部屋が冷えてきた頃を見計らって。冷たい空気と入れ替えることができます。
クローゼットや大型の収納家具も一応開けておいてください。
【熱帯夜対策②】氷枕を使って頭部を冷やす
質の良い睡眠をとるためには深部体温を効率よく下げることが大切。しかし、熱帯夜の暑さで体温が下がらないと、寝つき悪くなったり、眠りが浅くなってしまいます。
その場合は、氷枕を使って後頭部、首の後ろを冷やしてみるのも一つの方法。首には皮膚から浅い位置に頸動脈が通っています。そのため、首や後頭部を冷やすと深部体温が下がりやすくなるのです。同じく太い血管が通っている腋の下、股関節を冷やすのも効果的。
冷やしすぎるのも良くないので、直接ではなくタオルにくるんでから使用するようにしてください。
【熱帯夜対策③】ひんやり快眠グッズを活用する
夏用の暑さ対策されている快眠グッズを使用するのもおすすめです。年々驚くべき進化を遂げている快眠グッズ。寝苦しい夏の夜を救うひんやり系の対策グッズもいろいろ販売されています。
最もお手軽なのは市販の「冷却シート」。おでこにピタっつと貼るだけでひんやりできます。他には冷感素材を使った寝具も快眠の良きサポートになるでしょう。
睡眠のプロが考えたお役立ちアイテムがあるのなら、その力を拝借して熱帯夜を乗り切るのも賢い選択です。
シーツや掛布団などの寝具の素材を冷感タイプに変える
寝ようと横たわってる間に、接触部分がどんどん熱くなってくることありますよね。普段使っている寝具の素材を冷感タイプに見直してみてはいかがでしょうか。
- タオルケット・掛け布団・枕カバーなどを冷感素材に変える
- ジェルタイプのひんやりマットを使う
- 温度調節機能素材を使ったパッドシーツを下に敷く
吸湿性と放湿性に優れた接触冷感素材、熱伝導率の高い素材の寝具なら、横になった瞬間にひんやり気持ちよくなれます。汗によるベタつきも解消してくれるのでおすすめです。
ただ、このタイプは熱を冷ます即効性はあっても、だいたい1~2時間程度で冷感効果は薄れてしまうので、元から寝つきが悪い人だと効果は薄いかもしれません。
【熱帯夜対策④】寝る前に水を飲む
人間の体は発汗することによって体が熱を発散しやすくなり、深部体温を低下させています。しかし、汗の元である水分が不足していると、睡眠時に発汗による体温調整が上手くできなくなってしまいます。
また、水分が足りていないと、脱水症状や熱中症のリスクまで高めてしまうので要注意。
なので、寝る前にコップ1杯の水を飲むようにしましょう。冷水ではなく常温の水が好ましいです。また、寝ている最中に汗をたくさんかいているので、朝起きたときにも水を1杯飲んでください。
【熱帯夜対策⑤】夏でも入浴する
夏は暑いからとシャワーで済ませている方が多いかもしれませんが、質の良い睡眠のためにも夏こそ入浴を推奨します。
- 38~39℃くらいのぬるめのお風呂
- 10~15分を目安にゆっくり浸かる
すると、副交感神経が優位に働き、全身がリラックス状態になります。
また、眠気が訪れるのは深部体温が下がったときです。なので、寝る前に入浴して体温を上げておくことで、深部体温を下げるというリズムが生れやすくなり、快適に入眠できるようになります。
睡眠時の服装は長袖長ズボンがベスト
夏は半そで短パンで寝ている方が多いいとでしょう。中には素っ裸になって寝ている方も少なからずいますよね。
しかし、実は意外にも夏であっても快眠しやすい服装は長袖長ズボンのパジャマ。
「暑そう」「汗かきそう」と思われたかもしれませんが、エアコンや扇風機を付けっぱなしで寝ている方はなおの事長袖長ズボンがおすすめです。
寝冷えを防いで汗の不快さを解消してくれる
起床時の身体のだるさ、筋肉痛、関節痛は、エアコンが原因の寝冷えである可能性が高いです。また、半袖半ズボンだと汗を吸収してくれる布が少ないのも良くありません。
- 逆に体温調節が難しくなる
- 汗がベタベタして不快さが増す
その結果、寝つきが悪くなったり、寝苦しさで質の良い睡眠がとれなくなってしまうことに。
長袖長ズボンにすることで冷房による寝冷えを防ぐことができます。さらに、人は一晩に200ミリリットルの汗をかくため、長袖長ズボンならしっかり汗を吸収してくれるので安心。
パジャマの選び方は、吸収性や通気性に優れた素材を使用しているものがベスト。コットン、リネン、ガーゼパジャマがおすすめです。肌ざわりが良く、眠りを妨げない素材を選びましょう。
締め付けのないゆったりしたパジャマの方が通気性は良く、眠りを妨げません。
まとめ
熱帯夜だと睡眠が妨げられる理由は、暑すぎて深部体温が低下しないこと、湿度が高く汗が不快であることがあげられます。夏でも快眠をえるために大切なのは、効率の良い体温調節と部屋の環境を整えることです。
- 就寝前に室温を低くしておく
- エアコンを上手に使う
- 扇風機やサーキュレーターを併用する
- 快眠グッズを取り入れるのも効果的
- 寝る前にコップ1杯の水を飲む
- 夏はぬるめのお風呂にゆっくり浸かる
- 服装は長袖長ズボンがベスト
面倒と思われる方もいるかもしれませんが、睡眠はそれだけの手間を掛けてでも整えるべきです。睡眠不足が続くと、体調を崩しやすくなったり、翌日のパフォーマンスの低下を招いてしまいます。
ちょっとした工夫と、必要なら快眠グッズを活用することによって、部屋と身体の環境は整えられます。熱帯夜対策をしっかり行い、寝苦しい夜、寝不足でだるい朝とお別れしましょう。
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