子供は大人よりもたくさん水分が必要。汗もたくさんかくので、日頃の水分補給はしっかりとって欲しいところ。
しかし、なかなか飲んでくれない子もいますよね。
「いつも水筒を持参させてるのに帰宅後に確認してみると中身がほとんど減ってない」
「ジュースは喜んで飲むのに水やお茶だとそっぽ向いて飲んでくれない」
ということありませんか?
これでは、いつか「脱水症」になるのではないかと心配になってしまいます。子供の成長にも影響があるのではないかと悩んでるママさんやパパさんもおられるでしょう。
そこでこの記事では、子供が水分を取らない原因や水・お茶を避ける理由を解説すると共に、無理しない水分補給対策についてご紹介します。
このページの目次
子供が水分をとらない原因
子供が脱水症や熱中症にならないためにも、水分補給はしっかりしておきたい。
しかし、水やお茶を入れたコップを置いてもプイッと拒否。帰宅後に水筒を確認しても中身はそのままで減ってない。
なんで飲んでくれないのでしょうか?
まずは理由を明らかにすることが大切。
子供が水分をとらない理由の一例
- 遊びに夢中で忘れてる
- 食事から得られる水分量でまあまあ足りてる
- ジュースの甘さに慣れてしまった
- 水筒を使ってないだけで実は飲んでた
- おもらしがトラウマになってる
詳しく見ていきましょう。
他のことに夢中で忘れてる
特に重大な問題を抱えているのではなく、単純に子供が”忘れてる“可能性は決して低くありません。
子供は夢中になると目の前のモノに一直線。
遊びに夢中になりすぎてる ⇒ 水筒や水分補給のことをすっかり忘れてる
喉の渇きのような脱水症・熱中症のサインが出ていても、気づかずに長時間遊び続けているのかも。
その結果、本人も思いがけず脱水症状を起こしてしまうことがあります。
食事に含まれる水分量だけでそこそこ足りてる
水分は何も飲料水だけから摂取するわけではありません。料理にもたくさん水分が含まれているため、食事からもかなりの水分量を摂取できています。
お米を炊くときにはたくさん水を投入しますよね。お味噌汁やスープも見たまんま水分です。
参考
料理の種類や回数によっても異なりますが、平均的な食事をしてる場合、1日の食事から摂取する水分量は約1Lと言われています。
水分をより多く含んでる食事ならさらに増えるでしょう。
また、塩分を摂取した後は上昇したナトリウム濃度を下げるために、身体は水を飲んで濃度を薄めようとします。
※塩辛いものを食べた後に喉が渇くのはこのため
しかし、塩分を極力抑えた食事をしてる場合、体内の塩分を薄める必要がないため、身体は水分をあまり要求しなくなるのです。
つまり、食後に喉が渇かないのは、塩分(ナトリウム)を減らした優しい食事だったというサインの可能性も。(塩分不足も健康にはよくない)
食事を見直してみることによって、問題が解決することもあるかもしれません。
水やお茶ではなく甘いジュースを欲しがる
子供というのは甘い味を好む傾向にあります。
子供の味覚というのは大人より2倍も敏感。甘い味は本能的に害がないと判断し、苦味や酸味は毒のシグナルと受け取って本能的に避けようとします。味がしない飲み物も同じように嫌煙しがち。
生まれたばかりの赤ちゃんは水やお茶を飲みませんよね。
摂取するのはほとんど母乳やミルク。この2つにも少し甘味があるため、赤ちゃんも抵抗なく飲めるのです。
甘いジュースを飲ませてあげたくなるかもしれませんが、幼い時期にジュースのような甘い味を覚えてしまうと、水やお茶を拒絶するような子も出てきます。
「甘い飲み物があるのに、なんでわざわざ味がしない、或いは苦い飲み物を飲まないといけないの?」
……ということになるわけです。
ジュースには糖分がたっぷり含まれています。飲み過ぎると糖尿病や虫歯のリスクを高める結果にもなりかねません。
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水やお茶を飲まないからといって、安易にジュースを水分補給として与えてしまうと、水に戻りづらくなってしまうかもしれないのでご注意を。
実は幼稚園や小学校で飲んでいた
水筒の中身が減っていないからといって、必ずしも水分を摂取していないとは限りません。
施設にある水道の水を飲んでる可能性だって大いにあるからです。
ウォーターサーバーを導入してる幼稚園や保育園もちらほら見受けられます。
水筒を使わない理由
- 見た目が好みじゃない
- 飲み口周辺がくさい
- 一人だけ違うモノを使ってる
など理由はさまざま。
また、空っぽになった水筒に自分で水道から補充してたのかもしれません。
念のためお子さんから話を聞いてみてはいかがでしょうか。
おもらしのトラウマ
「おねしょ」「おもらし」をしたことで、厳しく叱られたり、何か恥ずかしい思いや辛い経験をすると、それがトラウマになってしまう子もいます。
寝る前などにトイレに行くような対策は普通のことですが、中には漏らすことへの恐怖心から水分を取りたくない…というケースも。
それから、「授業中、トイレに行くのが恥ずかしいから学校では水やお茶をあまり飲まない」、という話も少なからず聞いたことがあります。
恐怖心や恥ずかしさが原因で水分補給が不十分になると、脱水症を引き起こしてしまうかもしれません。
飲まない子供向けの水分補給対策
それでは、なかなか水分をとらない子供向けの、無理しない水分補給対策をご紹介します。
水やお茶の味に慣れさせる
味のしない水や、苦味・渋みのあるお茶というのは、子供は危ないモノと判断して拒絶してしまうもの。
ジュースなら喜んでゴクゴク、お水を置くと嫌な顔してNO!
甘味は母乳やミルクで経験済みです。しかし、味がしない・苦味・渋味・酸味というのは正に未知との遭遇。経験がないなら苦手なのも当然です。
なので、経験値を積ませて少しずつ慣れさせていくことが大切。
ただし、ここで無理やり飲ませようとすると、余計に拗らせるばかりなのでやめましょう。
決して異常なことでも何でもないので、すこ~しずつ慣らしていけばいいんです。
水やお茶は危険じゃない、嫌なものじゃないことを教えてあげてください。
\ 楽しい /
ママやパパさんがお子さんと一緒に飲んだり、好きなキャラクターのマグカップに入れてあげると、楽しんで飲んでくれることがあります。
できれば表情はニコやかに。楽しいな、美味しいなという明るい雰囲気を出すことがポイント。
水が安全な飲み物で、水分摂取が大切なことをなんとなくでも理解できれば、徐々に慣れていくはず。
ゴクゴク飲まなくても、一口二口くらい飲めたら、ちょっとオーバーなくらいの勢いで褒めてあげましょう。
水をいつでも飲めるように配置
いくら親が飲むように促しても、なかなか飲んでくれない子はいます。
押してダメなら自然にまかせるのも一つの方法。子供が水を飲みたくなるまで待ってみましょう。
ポイントは、子供が自発的に水を飲めるように、目の届く位置に水やお茶を置いておくこと。
改善には環境作りも大切です。
ジュースは無いことを子供にアピール
また、ジュースを家に常備せず、子供に冷蔵庫の中を直接見せてジュースがないことを確認させておくのも有効な手段。
ぐずった時に根負けしてジュースを与えてしまうと、子供は泣けばジュースが貰えると覚えてしまうので注意してください。
ジュースが家に無く、いくら泣いても貰えないと分かれば、喉が乾いたら水やお茶を飲むようになります。
子供との我慢比べみたいな感じになりますが、グッとこらえて経過を見守ってみましょう。
ただし、脱水症状にはご注意を。意地になり過ぎるのは危険です。
水筒やコップをお気に入りの物に変える
無理やりにではなく、自発的な水分補給を促す方法としては、お気に入りの水筒やマグカップを用意してあげるのも◎
何で飲むかによっても水分補給の回数は変わることがあります。
お気に入りの道具ならいつでもどこへでも持って行きたくなりますし、使いたくもなります。あと、異様に見せびらかしてくる子もちらほら。
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お気に入りのアイテムを使うとテンションが上がるのは大人も同じですよね。
子供は大人よりもずっと素直なので、マグカップや水筒を変えるだけで「飲まない」が改善されることもあります。
慌てずにゆっくり慣れさせよう
水やお茶を飲まない子への対策として注意してほしいのが、
【急がない】
【無理しない】
【強制しない】
無理やり飲ませようとしても、嫌な記憶を心に刻んでしまうだけ。下手すると厄介なトラウマを植え付けてしまうかもしれません。
自分に置き換えたらわかりやすいです。
誰かによく分からない飲み物を「はい、飲んで」と渡されたらどんな気持ちになりますか?別に飲みたくもないタイミングでドリンクを飲むように強要されたらどんな気持ちになりますか?
決して良い気分にはなりませんよね。
飲まないのは本能です。まだ味を知らない、安全かどうか分からない、慣れていないだけ。
なので、少しずつ、ゆっくり、徐々に慣らしていきましょう。
それに、最初からゴクゴク飲むことを目標にしてしまうと、親御さんのストレスまで溜まってしまいます。
また、他の同年代の子供と比べて、自分の子供の方が遅いと焦る気持ちも出てくるでしょう。ですが、別にそんなところに優劣なんてありません。はっきり言ってたんなる個人差です。
あまり深刻に捉え過ぎずに、焦らないでゆっくり取り組んでいきましょう。
まとめ
この記事では、水やお茶を「飲まない」子供への水分補給対策についてお話しました。
最後にもう一度、大切なポイントだけ確認しておきましょう。
子供が水分をとらない理由
- 水やお茶に慣れていない
- 食事に含まれる水分量でそこそこ足りてる
- ジュースの甘さに慣れてしまってる
- 実は水筒以外でちゃんと飲んでる
- おもらしやおねしょがトラウマ
水やお茶を飲まない子への対策ポイント
- 水やお茶の味に慣れさせる
- 安全な飲み物であることを教える
- お気に入りの水筒やマグカップを用意する
- 急がない焦らない。ゆっくり慣れてもらう。
子供の水分補給は大切です。しかし、強要したり叱ったりするやり方はおすすめしません。
そこには理由があるはず。
特に水やお茶の場合は、まだ味に慣れていないだけの可能性が高いです。本能から避けているので、これは仕方ないと言えます。
なので、焦る必要はありません。じっくり慣らしていく方が健全。「ゆっくりで良い」くらいの気持ちで取り組んでみてはいかがでしょうか。