✓お弁当の食中毒対策は?
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こんな疑問や悩みを解消します。
夏のお弁当ライフで心配なのが、食中毒リスクが高くなること。お弁当は作ってから食べるまで時間が空くため、気温や湿度が高く、食中毒菌が繁殖しやすいこの季節は、普段の食事以上の注意が必要です。
自分用だけではなく、子供に持たせるため、家族のために作っている方もいます。自分や家族の健康のためにも、お弁当の安全性はなんとしても守りたいものです。
それでは、いったいどのようなことに気を付けてお弁当を用意すればいいのでしょうか。
このページでは、夏のお弁当の食中毒対策にとしてやっておきたいことを、「準備」「調理」「持ち運び」の工程ごとに解説します。
このページの目次
【お弁当の食中毒対策①】準備段階ですべきこと
食中毒を引き起こす菌は、人の手、食器、調理器具、食品が保菌している可能性が高く、それらを介して体内に侵入してきます。なので、対策をするなら調理を始める前、準備段階から徹底して行い、使用する道具はしっかり清潔にしておくことが重要。
手洗い
手は日常でさまざま場所に触れるため、多くの菌が付着していると同時に、手を介して菌を拡散させています。身体を守ってくれる常駐菌だけではなく、病気や食中毒の原因となる菌もいるので無視するわけにはいきません。
- 調理前の手洗いは必須
- 手洗いを習慣化することが大切
- 雑になりがちな指と指の間や爪の間は汚れが残りやすいので念入りに
スマホやタブレットを見ながら調理する場合もいるでしょう。でも、当然スマホの画面にも菌は付着しています。なので、手だけではなく、調理前にはスマホの画面も清潔にしておいてください。
お弁当箱の洗浄をする
どれだけ衛生面に気を配って調理したとしても、肝心の料理を盛り付けるお弁当箱が不衛生では意味がありません。
お弁当箱はしっかり洗って清潔な状態にしておいてください。
意識して洗いたいのはパッキン部分。ここに汚れや水分が残ると菌が繁殖してしまうので、すみずみまで綺麗に洗浄して、水分はしっかり拭き取ることが大切です。
菌は「付着させない」ことと同時に、「増殖させない」工夫も重要。お弁当箱に「パストリーゼ」のような除菌スプレーを吹きかけたり、酢をしみ込ませたキッチンペーパーで拭いておくと、菌が増えにくい状態となるのでより安心です。
また、まな板、包丁、フライパンなどの調理器具も清潔にしてから使用するようにしてください。
【お弁当の食中毒対策②】調理時にできるおかずを傷ませないコツ
食材の火の通しが不十分だったり、菌が増殖しやすい食材を盛り付けてしまうと、食中毒を引き起こすリスクが高くなってしまいます。食中毒菌が増えにくいお弁当作りをするために、調理時に気を付けたいポイントも見ていきましょう。
調理の際は「ポリ手袋」を装着して行うことで安全性をさらに高めることが可能です。
食材には中心までしっかり火を通す
POINT
加熱が必要なおかずは中心までしっかり熱を通すようにする。
食中毒を引き起こしやすい食材と言われているのが「お肉」「お魚」「卵」。生の部分が残っていると、サルモネラ菌が原因で食中毒となるケースが多く確認されているようです。なので、これらの食材は中心までしっかり火を通すようにしてください。
75度で1分以上加熱することで殺菌できます。
また、加工品や野菜を生のまま入れるのも夏は控えましょう。食中毒を防ぎたいのなら一度は加熱調理してからの方が安全です。
お弁当に汁気の多い食品は禁物
POINT
菌は水分が大好物なので食材に付いている水気はしっかり拭き取る。
汁気の多いおかずを入れると菌が繁殖しやすくなるので気を付けてください。レタスやトマトなどの生野菜はそのままだと傷みやすいので、入れるのは避けた方が無難です。
おひたしのような汁気の多いおかずを入れるときのコツはこちら▼
- キッチンペーパーの上で水分を取る
- しぼって水分を抜く
かつお節やすりゴマなど、水分を吸ってくれる食材を和えるのも一つの方法。とにかく水分を抜くことが大切です。
また、汁気の多いおかず以外にも、卵やチャーハンなど要注意のおかずがあるのでチェックしておきましょう。
お弁当に入れない方がいいおかずの詳細はこちらをご覧ください▼
抗菌パワーのある梅干しをご飯に入れる
POINT
抗菌作用を持つ梅干しをご飯と混ぜることで菌の繁殖を抑えられることが証明されている。
梅干しに含まれるクエン酸の働きによるもの。クエン酸には他にも、疲労回復と食欲増進効果もあるので夏にはぴったりのおかずです。
ただし、日の丸弁当スタイルだと梅干しの周辺しか抗菌パワーを発揮しません。なので、梅干しは細かく刻んでからお米と混ぜた方が効果的。
その他の注意点としては、近頃よく見る「減塩タイプ」や「ハチミツ漬け」の梅干しは効果が薄いこと。昔ながらのすっぱい梅干しが最もおすすめです。
梅干し以外の抗菌効果のあるもの
- お酢
- 大葉
- わさび
- しょうが
- カレー粉
昨晩の残り物は再加熱してから
POINT
昨晩の残り物を入れるならレンジでもいいから必ず再加熱する。
理想としては、お弁当に詰めるおかずは当日に調理したものの方が安全です。しかし、「時間がない」「節約になる」という理由から、昨晩の残り物をお弁当に活用したいというのが正直なところ。
その場合は、フライパンやお鍋でもう一度火を通したり、レンジを使って再加熱することが必須。
保冷剤代わりとして冷たいまま・凍ったまま詰めるのは危険。食材に菌の大好物である水分が付着してしまうからです。菌にとって居心地の良い環境になってしまうので、必ず加熱してから詰めてください。
お弁当箱に詰める・持ち運ぶ
おかずが出来上がってもまだまだ油断してはいけません。むしろここからの方が重要。お弁当の詰め方によって食中毒の危険性は大分変わります。
ごはんとおかずは冷ましてから盛り付ける
「お弁当のおかず出来たからさっそく温かいうちに盛り付けよう」……この流れはNGなので気を付けてください。
POINT
中心までしっかり火を通したおかずとごはんは、熱を完全に冷ましてからお弁当箱に詰める。
食材が温かい状態でお弁当箱に詰めてしまうと、蒸気がこもって水滴が発生してしまいます。既に説明した通り、食中毒菌が増えやすいのは水分が多い環境です。
なので、水滴を出さないためにもしっかり冷ましてから盛り付けるようにしてください。
食材の熱を早く冷ます方法
- ご飯は大き目のお皿に広げる
- 鍋や底の深い器に氷を敷き、その上にご飯を詰めたお弁当箱を乗せる
- 急いでる時はお弁当の上に保冷剤を置いて蓋を少しずらしておく
- 扇風機やうちはを使う
- 金属トレーの上に乗せておく
- ホコリが気になるならキッチンペーパーをかぶせておく
暑い夏の時期は手をかざしてひんやりするくらいが目安です。暑くない季節なら常温程度で問題ありません。
おかず同士は使い捨てのカップで仕切る
POINT
アルミカップやシリコンカップなど仕切りを使っておかず同士が直接触れ合わないようにする
おかずの水分が他のおかずと混ざってしまうと、菌が繁殖して食材が傷みやすくなってしまいます。レタスなど生野菜を仕切りに使う方法も、野菜自体から水分が出てしまうので夏は避けましょう。
暑さ・食中毒対策に役立つアイテムはこちらの記事で紹介しています▼
お弁当を持ち運ぶときは保冷剤や保冷バックを使う
POINT
保冷剤や保冷バックなどを活用して、お弁当を持ち運ぶとき、保管するときにも暑さ対策を徹底する。
近年、夏の気温は8月どころか7月や9月ですら、35度を越える危険な猛暑日が各地で観測されています。実は、この35~37度というのは菌が最も活発になる温度なんです。
学校や会社は冷房設備が設置されていても、通勤通学時は熱気にさらされている状態。また、節電目的で室温は少し高く設定されていることもよくあります。
お弁当は食べるまで時間が空くので、持ち運びや保管する際にも暑さ対策は必須。
- 保管場所は直射日光の当たらない場所
- 保冷剤を使ってお弁当を冷やす(タオルで巻いてお弁当箱を挟むように上と下に置く)
- 安全性を確保したいなら保冷バッグを使う
保冷剤の冷気がお弁当をひんやり包み込み、保冷バックのバリアで夏の暑さをシャットアウトしてくれます。
お弁当が温かいままだと保冷剤の効果時間が短くなってしまいます。保冷剤のひんやり効果を持続させるためにも、上述した通りごはんやおかずは冷ましてから詰めるようにしましょう。
暑さ対策をしてお弁当を安全においしく食べよう
この記事では、夏のお弁当の食中毒対策を「準備」「調理」「移動・保管」の工程ごとにご紹介しました。重要な要点のみまとめたので最後にもう一度確認しておきましょう。
- 調理前に手・お弁当箱・調理器具を清潔にしておく
- 食材は中心までしっかり火を通す
- 汁気の多い食材はなるべく入れない
- 梅干しは細菌の繁殖を抑制する
- 昨晩の残り物を使う場合は再加熱する
- 盛り付けはしっかり冷ましてから
- 保冷剤や保冷バックを使って暑さから守る
このように、夏のお弁当は通常の食事より注意すべきことがたくさんあります。
夏は食材が傷みやすい季節。食中毒菌が繁殖しやすい環境も意外と作ってしまいがちなので、お弁当を作る際は十分気を付けてください。もちろん毎回全ての対策を徹底するのは大変です。そういう時は便利グッズを活用するのも一つの方法。
夏も安心してお弁当ライフを楽しむためにも、暑さ対策・食中毒対策はしっかり行いましょう。
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