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懐石料理とはどんな食事?会席料理とは違うの?【献立・順序・マナーなど基礎知識を解説】

懐石料理の基礎知識を解説!順序やマナーは?会席料理との違いは?

✓懐石料理ってどんな料理?
✓懐石料理と会席料理は何が違うの?
✓気を付けた方がいい食べ方のマナーは?

こんな疑問を解消します。

 

料亭で出される格式高い料理というイメージが強い『懐石料理』

きちんとした懐石料理を食べる機会は少ないため、「どんな料理でどのようなマナーがあるのか分からない」……そんな方も少なくないのでは?

今後、改まった席で食べる機会があるかもしれません。基本的な献立・順序・マナーさえ知っていれば、焦らず料理を堪能できますよ。

 

そこで今回は、懐石料理の基礎知識と食べ方や服装のマナーについて分かりやすく解説します。

懐石料理とは

懐石料理とは?会席料理との違いは?

 

料亭や旅館で出される懐石料理ですが、意外なことに本来は”茶の湯”の席で振舞われたおもてなし料理でした。

メインのお茶を頂く前にゲストがホストに振舞う食事を指します。

 

懐石料理を始めたとされているのは、茶道の祖である”千利休”

空腹ではお茶の味を楽しめないということから、主役のお茶を引き立てる事を目的として、空腹を和らげるためにシンプルな料理を提供していたんです。

懐石とは

お寺の修行僧が、修行中に”温石””懐”に入れて空腹や寒さをしのいでいたことからきています

 

「懐石料理」と「会席料理」の違い

懐石料理(カイセキリョウリ)と同じ読み方の「会席料理」というものがありますよね。読み方が同音のため混同されがちですが、本来の意味からすると別物。

 

この2つの違いを簡単に説明すると――

POINT

  • 懐石料理・・・お茶をたのしむための食事
  • 会席料理・・・お酒をたのしむための食事

となります。

 

茶会のもてなし料理である懐石料理に対して、会食料理は主に宴会で振舞われる食事季節の食材を使用した一汁三菜を基本とする和食のコース料理。料亭や割烹で出される料理は会席料理が多いです。

同じ一汁三菜の懐石料理と違う点は、飯と汁がお食事の最後に提供されていたところ。宴会向きである会食料理は最初にお酒と肴が出されます。

 

ただ、現在では懐石料理とお酒を合わせるることもよくありますし、会席料理のような豪華なコース料理へと発展しているため、懐石料理と会席料理は同じ意味で使われることが多いです。

 

懐石料理の献立と順番

懐石料理の献立と出される順番

懐石料理の献立は、和食の基本となる「一汁三菜」スタイル。懐石料理は和食のコース料理であり、出てくる順番は基本的に決まっています。

 

まず最初に――

飯(ごはんもの)・汁(味噌汁)・向付(むこうづけ:刺身や酢の物)の3品を乗せた小さなお膳からスタート。

 

続いて三菜の残り2品――

椀物(わんもり:煮物や汁物など)と焼き物、預け鉢が出されます。

一汁三菜は一応ここで完了となります。

 

しかし、現在はここから付け足しとして次の料理が出てくるのが一般的。

強肴(しいざかな)と小吸物(こすいもの)。

強肴には「強いてもう一品すすめる肴」という意味があり、和え物・揚げ物・炊き合わせなどの料理が少量出てきます。

小吸物は箸洗とも呼ばれ、箸や口をあらためる意味で出される汁物。

 

食事らしい料理はここまで。この後は、酒を酌み交わすための肴が登場します。

八寸(はっすん)、湯桶(ゆとう)、香物(こうのもの)。

八寸とはお酒に合う海と山のもの二種を盛り付けた肴。湯桶は懐石の締めくくりで、おこげや炒り米にお湯を注いで少量の塩をかけたもの。最後の香物は漬物のことです。

 

懐石料理はここで終了となります。

本来は一汁三菜が出てきたところで終了するのが懐石。しかし、現在ではこのように品数が増えているケースの方が多く、それに伴ってお酒を合わせることも多くなっています。

 

正式な懐石料理では食事のあとにメインの「お茶」が始まる

上記の献立で懐石は終了となりますが、大切なことをお忘れではないですか?本来の懐石料理の意味はあくまでお茶の引き立て役

正式な茶事の場でのメインはここからとなります。

 

懐石料理の後にようやく――

主菓子(おもがし)と濃茶、干菓子(ひがし)と薄茶が出されます。

ここで出される濃茶は空腹で飲むには刺激が強く、苦味も強くなってしまうため、お茶を味わいを楽しむために懐石料理が振舞われるんです。

 

濃茶のお供となる主菓子は生菓子とも呼ばれ、季節感を表現した芸術性の高い「上生菓子」と、大福・まんじゅう・団子・桜餅などの「朝生菓子」があります。

 

そして、最後のリラックスタイムに頂くのが薄茶と干菓子。

薄茶は抹茶と聞いてイメージしやすい泡の立っているお茶のこと(泡を立てない流派もある)。ちなみに、濃茶は薄茶の4~5倍の濃度になります。

 

懐石料理のいただき方!食事作法とマナー

知っておきたい懐石料理の基本的な食事作法とマナー

懐石料理のような改まった食事に招かれた際に、気になるのが食事マナーではないでしょうか?ここからは、出てくる料理の順序に沿いながらマナーや作法を解説していきます。

 

飯と汁(食べ方とお椀の蓋の置き場所)

ご飯と汁を頂く際、左側の飯椀の蓋は左手で、右側の汁椀の蓋は右手で取ります。大きい蓋(飯椀)を上向きに返して、そこに小さい蓋(汁椀)かぶせるように重ね、右側に置きます。

このとき、飯椀と汁椀、そして右に置いた蓋が一直線になるように置いてください。

 

口をつけるのは飯が先。その後は交互にいただくようにしてください。(食べる時はお椀を持ち上げて)

口をつけた箸を置く場合は、箸置きがあるならその場所に、ない場合はお盆の左側に先が浮くように置きます。

食べ終わったら蓋は元通りにかぶせておきます。

 

お酒と向付け(お酌の受け方)

お酒を振舞われる席の場合、飯と汁の後にお酒をすすめられます。「酒3献」というように、ここですすめられるお酒が第1献目となります。

続いて、焼きもの前に第2献、八寸に第3献。

 

杯を右手で持ち、左手を下に添えてお酌を受けます。お酌を受けた杯は口をつけずに元の場所に戻し、全員が揃ったところでカンパイという流れ。

お酒に口をつけたら、はじめて向付けに箸をつけます。

 

次に、ご飯と汁のお代わり。飯器がまわってくるので、受け取ったら次の人に手渡してください。

 

椀物

汁椀を引かれ、メインディッシュの椀盛りが置かれます。箸を休めて軽く会釈を。

 

受け取ったら冷めない内に頂きましょう。食べるときは器を持って構いません。蓋は器の右側に置き、食べ終えたら元の通りに蓋をしておいてください。

 

次に第2献のお酒をすすめられますが、いらない場合は断っても大丈夫です。

 

焼き物から強肴・小吸物へ

一汁三菜の最後、焼き物。焼き物は鉢や大皿、蓋ものに人数分盛られているのが一般的。

「どうぞお取りまわしてくださいませ」と言って置かれます。器に取り箸が付いてるので、次のお客に「お先に」と声を掛けてから、空いた向付の器に取りましょう。

 

煮物の代わりに蒸し物、焼き物の代わりに揚げ物が出てくることもあり、これを「替り鉢」といいます。

 

ここまでが一汁三菜となりますが、この後に強肴と言う少量の料理を出されるのが一般的で、最後に口と箸を清めるための小吸物が出されます。。

 

八寸から締めの湯桶・香物へ

一汁三菜のあと、ホストとゲストが盃を交すのですが、そのとき酒の肴として出てくるのが八寸(海山のもの二種の肴)。

 

その後、懐石料理の締めとなる湯桶と香物が運ばれてきます。

湯桶には、湯と一緒に湯の子(おこげ)が入っていますので、湯と湯の子を飯椀に取り、次の客へ手送りしてください。香物も、空いてる向付の器に取ります。

食べ終わったら、お椀に蓋をして、箸を膳の手前に揃えて懐石終了です。

 

服装

懐石料理は改まった席で頂くことが多いため、服装マナーも気になるところ。和服でなければいけないのかと心配してる方もいるかもしれませんが、特に決まった服装はありません。

もちろん悪目立ちする派手な服装や奇抜な服装、明らかに浮いてしまうラフ過ぎる服装は避けた方が賢明。

 

「着物の着用をお願い」されていないのであれば、TPOを弁えた服装が好ましいでしょう。

落ち着いた雰囲気のスーツやワンピースで問題ありません。普段より少し控え目なくらいがちょうど良いです。もちろん着物でもOK。

 

また、香りが強すぎる香水も避けるべき。懐石料理やお茶の繊細な味わいや香りを邪魔する可能性がありますから。

お座敷の場合は素足だと失礼になりますので気を付けてください。

 

和食の伝統である懐石料理を楽しもう

豪華な食事というイメージが強い懐石料理ですが、本来は茶の湯の席に出されるおもてなし料理。お茶を美味しくすることを目的とした食事だったんです。

よく混同されがちな会食料理は、懐石料理から発展したお酒をたのしむための食事。現在の料亭や割烹で出される料理スタイルはだいたい会席料理ですね。

 

懐石は茶事に出される料理であるため、会食料理より細やかな作法を求められますが、あまり堅苦しく考えているとせっかくの料理を楽しめません。

別に最初から完璧である必要はなく、基本的なマナーを抑えておき、あとは経験して学んでいけば大丈夫。何より大切なのは、あなたも周りの人も楽しめることですから。

 

懐石料理の基礎知識だけでも知っておくと、リラックスして食事やコミュニケーションを楽しめますよ。

 

和食(日本料理)の基本的なマナーや作法について以下の記事で詳しく解説していますので参考にしてください。

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