
✓今年の恵方の方角はどっち?
✓無言で食べる理由は?
こんな疑問を解消します。
節分と言えば豆まきのイメージが大きいでしょうが、最近は恵方巻の話題を聞くことが増えてきました。太巻きを1人1本用意して、恵方を向いて太巻きを無言で食べるという少し変わった慣わし。
ただ、この風習が浸透してきたのはここ数年のこと。そのため「何で節分に太巻き?」「恵方って何?どっち?」など、よく分からない事も多いかもしれません。
このページでは、節分に恵方巻を食べる意味と今年の恵方の方角、無言で食べる理由についてご紹介します。
恵方巻とは
まずは恵方巻とはいったいどのような食べ物なのかについて見ていきましょう。
節分の日にその年の恵方を向いて食べると縁起が良いとされる太巻き寿司
恵方とは、歳徳神という吉神様がおわす方角を指す言葉。より分かりやすくするなら”運気が良い方角”のことです。
その恵方を向いて太巻きを黙って食べ切ることによって、運気が上がったり、願いが叶うとされています。
節分に恵方巻を食べる意味は何?
節分とは季節の変わり目であり、昔は大晦日にあたる重要な日でした。旧年の穢れや邪気など、悪い運気を払って1年を元気で健やかに過ごせるように厄払いする日です。
節分の詳細はこちらの記事をご覧ください▼
節分の本当の意味と由来!2023年はいつ?【豆まきの正しいやり方・ルールも解説】
季節の変わり目は邪気が生じやすいと考えられており、節分の日には豆まきをして邪気払い・厄除けがされてきました。
恵方巻を食べる意味もだいたい同じです。旧年の悪い気を払い、歳徳神に無病息災など願掛けをするという意味。
また、七福神にちなんで七種類の具材を使うのが基本。それを海苔で巻くことで「福を巻き込む」という縁起を担いでいます。
恵方巻の具材についてはこちらの記事をご覧ください▼
恵方巻の具材に決まりは?7種類でないとダメ?【具材の組み合わせ例も紹介】
恵方巻の由来は?
恵方巻が広まったのは最近のことなのですが、この食べ物・風習にはルーツがあるのをご存知でしょうか?
恵方巻が全国区になるまでの流れ
起源は諸説あるのですが、江戸末期もしくは明治初期、花街の遊女に太巻きを食べさせるという遊びが由来として知られています。
この風習は次第に廃れていくのですが、昭和時代に大阪寿司商組合がこ風習に目を付けました。しかし、一度は流行に成功したものの再び廃れていくことに。
次に海苔問屋協同組合が海苔ビジネス促進のために動き始めます。1970年代に寿司屋と海苔屋が手を組んで「幸運巻き寿司」というキャンペーンを開始。その結果、関西方面で節分の日に太巻きを食べる文化が定着していったのです。
とは言え、この時点で浸透していたのはまだ関西地方くらい。この風習を全国区へ押し上げたのは、まさかのセブンイレブン。
節分前後の2月初旬は商業的にコンビニの売り上げが落ちる時期。その対策として1990年頃に「恵方巻き」と名付けて販促キャンペーンを始めました。そして、2000年以降になると全国のコンビニやスーパーで販売されるようになり、日本中に広まったと言われています。
もともとは花街で行われていた遊びが、大阪のローカル行事となり、寿司屋と海苔屋の働きで関西地域に広がり、コンビニが「恵方巻き」と名付けて売り出して全国区になったのです。
最近ではコンビニやスーパーに留まらず、デパートやお寿司屋さん、フレンチレストランなどさまざまなお店で見かけるようになりました。
流通業界の商業活動が生んだ風習と言えますが、神事やお祭りでお寿司を食べたり、恵方を向いてお寿司を食べるという風習自体は昔からあったものです。
恵方とは
恵方巻で大切なのは、恵方の方角を向いて食べること。そこで気になるのは、恵方の方角はどっちなのかではないでしょうか。
そもそも恵方とは何かというと、「歳徳神(としとくじん)」という吉神がおわす縁起の良い方角。
昔から「歳徳神がいる方角に向かって事を成せば、万事に吉とされる」と言い伝えられてきました。そのことから、恵方巻は歳徳神がおわす方角に向かって食べることが習慣になったんです。
この歳徳神は1年ごとに居場所を変えるため、恵方の方角も毎年変わります。
恵方の方角はどうやって決める?
恵方の決め方は「干支(えと、かんし)」です。
干支と聞くと、「子・丑・寅・・・」で知られる十二支を思い浮かべる人が多いでしょう。もちろん十二支も関係しているのですが、干支の正式な形は「十二支」と「十干(じっかん)」の組み合わせ。
十干とは、甲(こう)・乙(おつ)・丙(へい)・丁(てい)・戊(ぼ)・己(き)・庚(こう)・辛(しん)・壬(じん)・癸(き)の総称で、十二支と同じく毎年方角は変わります。
干支は十二支と十干の組み合わせが本来の形なので、「十干十二支(じっかんじゅうにし)」と呼ばれることもあります。
2023年の恵方はどっち?
恵方の方角を調べるのは難しくありません。実は恵方と呼ばれる方角は4つしかないのです。
POINT
0~9の西暦の下一桁の数字によって決まります。
4(甲)、9(己)の場合 ⇒ 東北東やや東
0(乙)、5(庚)の場合 ⇒ 西南西やや西
1(丙)、3(辛)、6(戊)、8(癸)の場合 ⇒南南東やや南
2(丁)、7(壬)の場合 ⇒ 北北西やや北
2023年は1の位が「3」なので恵方の方角は「南南東やや南」
どうして恵方巻は無言で食べるの?
恵方巻は「無言」で食べた方が縁起が良いとよく聞きませんか?
その理由は「福を逃さない」ため。恵方巻は歳徳神のおわす吉方に向かって食べることで幸福をいただくのですが、幸福は恵方巻を通って身体の中に入ってくると考えられています。
そのため、幸福を注いでいる最中に口を開けてしまうと、幸福が逃げてしまうと考えらえているのです。もしくは「話す ➡ 離す ➡ 福を離す(福が逃げる)」とも言われています。
ただ、この無言で食べるというのは少し勘違いされてることも。
実は、食べてる間ずっと無言を貫く必要はありません。神様に祈願するときは基本的に無言になりますよね。恵方巻も願掛けをしてるときは無言で食べるのがルールですが、願掛けが終われば普通にしゃべっても構いません。
恵方巻の食べ方の詳細はこちらの記事をご覧ください▼
恵方巻の正しい食べ方とルール【切るのは縁起が悪い?無言でないとダメ?】
まとめ
節分に恵方巻を食べる理由は、厄除け・邪気払いが主な目的であり、歳徳神に幸福を願うためでもあります。
恵方を向いて黙って食べる方が縁起が良いとされていますが、食べてる間ずっと無言でいる必要はありません。願掛けが終わったら会話も解禁なので、家族や友人と会話も楽しみながら節分の食事を堪能してください。
ただ、恵方巻の習慣については諸説あるため何が正しいのかはハッキリしていない面もあります。そのため、ルールはこれから変わってる可能性も全くないとは言い切れません。
結局のところ大切なのは、恵方巻を食べるときにしっかり気持ちを込めること。あとはなるべく残さず食べること。それさえ心掛けていれば、あとは自分なりに食べやすいようにいただくのが一番ですよ。
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