✓2023年の初午はいつ?
✓何をするの?相応しい行事食はある?
こんな疑問を解消します。
「初午(はつうま)」という言葉をご存知でしょうか。これは2月最初の”午の日”を指す言葉で、当日は全国の稲荷神社でお祭りが開かれます。期間限定で「初午いなり」と書かれた”いなり寿司”がスーパーなどで販売されるのも特徴。
近年だとあまり馴染みのない行事のため知らない方は多いかもしれません。「初午の意味」や「いなり寿司を食べる理由」など、どのような行事なのか気になるところです。
このページでは、初午の意味と由来、どうしていなり寿司を食べるのかについてご紹介します。
初午とは|意味と由来
初午(はつうま)とは、お稲荷さんと朱色の鳥居で有名な「稲荷神社」の祭日。約4万社あると言われている全国各地の稲荷神社が盛大に祭りを行う日。
京都・伏見稲荷大社をはじめとした稲荷神社と深い関わりのあるお祭りです。
通称「お稲荷さん」「お稲荷様」で有名な稲荷神社。稲荷神社に祀られているのは農業神「宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)」。そんな宇迦之御魂神のご利益にあやかるために祈願される方が多いようです。
- 五穀豊穣
- 商売繁盛
- 家内安全
- 芸能上達
- 産業興隆
- 所願成就
- 開運
神の使いの「狐」の好物が油揚げであることから、油揚げやいなり寿司を奉納したり食べて過ごすようになりました。
初午の由来
次に初午がどのように始まったのかも見ていきましょう。
初午は、五穀を司る農業神「宇迦之御魂神(ウカノミタマノカミ)」が、稲荷山(伊奈利山)の三箇峰に降臨された和銅4年(711年)2月の最初の午の日です。この2月というのは旧暦だと3月にあたる時期。
これを記念して祭神を祀る「初午祭」を行ったことが始まりと言われています。人々は稲荷神社の総本山・伏見稲荷大社に「初午詣」するようになりました。
3月頃はちょうど稲作や畑の準備を始める時期。農村では五穀豊穣を祈願した祭りが開かれ、街では商人が商売繁盛を祈願した祭りを催すようになりました。
ちなみに、稲荷神社におられるお狐様は正しくは神様ではなく、神様の眷属である神使です。
稲荷は「稲生り」に由来する事から農村で稲荷神が祀られていました。さらに、”キツネは家を守る”という言い伝えも稲荷信仰が広く親しまれていた理由のひとつです。
そのため、初午にはお稲荷様に豊作を祈願すると共に、神の使いであるお狐様にもお供えをするのです。
初午はいつ?
初午の時期は、昔の旧暦(太陰太陽暦)に合わせるか、現代の新暦(グレゴリオ暦)に合わせるかで変わるので、地域によって違いがあります。
全国的には現代の新暦が主流のため、「2月最初の午(うま)の日」を指すケースがほとんど。
午の日とは
十二支の午のこと。
昔は日付を数字ではなく十二支を当てはめた数え方をしていました。
子・丑・寅・卯・辰・巳・午・未・
12日間で1巡するため、毎月「二の午(2週目の午の日)」や「三の午(3週目の午の日)」も訪れます。
初午の日付は固定ではなく年によって変わるので気を付けてください。
2024年の初午は2月12日(月曜日)
カレンダーの中には、「干支カレンダー」という十二支が記載されているタイプも販売されています。
ちなみに、旧暦に合わせてる地域の場合は、2月ではなく「3月最初の午の日」が当日です。
初午にいなり寿司を食べる理由は?
初午の日に食べる代表的な食べ物といえば「いなり寿司」で、これを「初午いなり」と呼びます。それでは、どうして初午にいなり寿司を食べるようになったのでしょうか。
稲荷神社ではお稲荷様と共に、古来より神聖な生き物とされてきた神の使い「狐(キツネ)」が祀られています。キツネは油揚げが好物と考えられていたことから油揚げをお供えしていたのです。現代でも稲荷神社では油揚げをお供えしています。
この事から、油揚げを使用した料理が「稲荷」と呼ばれるようになりました。そして、寿司飯を詰めたものを「いなり寿司」もしくは「おいなりさん」と呼び、初午の日に行事食としていただくようになったのです。
ちなみに、伏見稲荷大社に祀られている宇迦之御魂は五穀を司る農業神だったことから、いなり寿司は米俵のように見える「俵型」になったとも言われています。西日本で見られる三角形のいなり寿司はキツネの耳に見立てているのだとか。
いなり寿司以外の初牛でいただく食べ物
初午の日は「いなり寿司」の他にも、ご当地の行事食として食べられている食べ物があるので、代表的な3つの行事食をご紹介します。
しまつかれ
栃木県あたりの北関東で赤飯と一緒に食べられている郷土料理。鮭の頭、油揚げ、大根、人参、大豆などを細かく刻んだり鬼おろしですった材料を、酒粕と一緒に煮込んで作ります。家庭ごとに微妙な味の違いがあり、いろんな家のしまつかれを食べると無病息災になると言われています。
初午だんご
別名「繭(まゆ)団子」と呼ばれる富山県の郷土料理。養蚕の盛んな地域では繭がたくさん取れるように祈願するため、繭の形に見立てて白い団子を作ってお供えします。
旗飴
奈良の一部地域でみられる飴菓子。旗がついた棒の先に小さな飴を付けたもの。稲荷神社にお供えした旗飴を子供たちが「おさがり」としてもらうため、近所のお店を「旗飴ちょうだい」とまわる風習です。
初午の日はいなり寿司を食べて福を招こう!
現代では馴染みのない行事となっている初午。初午はキツネで有名な稲荷神社ゆかりの祭事。五穀豊穣・商売繁盛・開願を祈願する古来より大切にされてきた2月に行うお祭りです。
この日にキツネの大好物とされているいなり寿司を奉納したり、実際に食べることで福を招くと言われています。スーパーやコンビニで「初午」と書かれたいなり寿司を見たことある人は多いのではないでしょうか。
今年はいなり寿司や油揚げ料理を食べて、稲荷神のご利益にあずかってみてください。稲荷神社で行われている初午祭りに参加してみるのも良いかもしれません。