マンガ

漫画【フルーツバスケット】感想!心を揺さぶられる感動と涙の名作少女マンガ!

こんにちは、漫画大好きワチイツキです。

みなさん、『フルーツバスケット』という少女漫画をご存知ですか?

少し古い作品ではあるんですが、個人的には何度読んでもお色褪せない面白さと魅力がある名作だと思ってます。

あまり読者層を選ばず幅広い層から親しまれてきた作品です

元々、男性も楽しめる少女漫画として知名度は非常に高く、アニメ放送やギネスの一件でさらに注目を浴びることになりました。

特にアニメ放送がきっかけで原作漫画を読み始めた人は多いことでしょう。かくゆう私自身もアニメが入口で、そこから原作にどっぷりハマったくち。

実は、驚いたことにこの作品が再アニメ化するということで、また注目されているんです。ネットでの反響も凄かったそうですよ。

そこで今回は、今一度『フルーツバスケット』について振り返り、個人的に感じた魅力ポイントをお伝えさせていただきます。

 

基本情報

  • タイトル:フルーツバスケット
  • 著者:高屋奈月
  • 出版社:白泉社
  • レーベル:花とゆめコミックス
  • 掲載誌:花とゆめ
  • 連載状況:完結済み
  • ジャンル:少女マンガ、ラブコメ、ファンタジー、学園

あらすじ・概要

テントで暮らす女子高生・透(とおる)。家事の腕を買われ草摩由希(そうまゆき)の家で暮らすことに。だが、草摩家には異性にふれると動物に変身してしまうという秘密が――。

(出典:ebookjapan)

もう少し詳しく。

幼い頃に父親を亡くし、唯一の肉親だった大好きな母親までも交通事故で失ってしまった女子高生の本田透(ほんだ とおる)

その後、天涯孤独の身となった透は、父方の実家に引き取られるも、わけあってとある小山で1人テント暮らしをしていました。

ある日、透が通う学校でプリンスと呼ばれる同級生の草摩由希(そうま ゆき)にテント現場を見られると、この場所が草摩一族所有の土地だと知らされます。

さらに、許可を得ようと交渉していた最中、土砂崩れによってテントも荷物も埋もれてしまう事態に・・・。

途方に暮れていた透だったが、これをきっかけに由希も暮らしている草摩紫呉(そうま しぐれ)の家で居候させてもらえることになりました。

ところが、新たな生活が始まったその矢先、透は草摩一族が抱えている重大な秘密を知ることになります。

草摩の家の者は、代々「十二支の物の怪」に憑かれており、異性に抱きつかれると獣の姿に変身してしまう特殊な体質だったのです。

 

居候生活をきっかけに草摩一族の人々と交流を重ねるようになった透は、十二支の物の怪憑きたちの苦悩を知っていくうちに、彼等を呪いから解放したいと強く望むようになっていく。

↓愛蔵版も出てます。

フルーツバスケットの魅力

両親を失った心優しい少女・本田透と、異性に抱きつかれると獣に変身する体質を持つ草摩一族との、心に寄り添う交流を描いた物語。

ファンタジー要素も加味されている学園ラブコメ。

略称は「フルバ」。

なんと全世界累計発行部数は3000万部を超えていて、2007年には「もっとも売れている少女マンガ」としてギネス認定も受けた人気少女漫画です。

この作品の魅力をいくつか挙げるとするなら、

ポイント

  • 異性に抱きつかれると動物に変身する設定
  • 本田透という眩し過ぎるファンタジー
  • メインもサブも登場人物みんな魅力的
  • 心に残る名言が多い

では、ひとつずつ魅力を語っていきますね。

 

異性に抱きつかれると動物に変身する『十二支の物の怪憑き』

フルバの最たる特徴は、何と言っても十二支の物の怪に憑かれている『草摩一族』の存在。

そして、彼らが異性に抱きつかれると、憑かれてる十二支の動物に変身してしまう特異体質という設定ですね。

 

変身する物の怪は『十二支』+『猫』の計13匹。同時に複数の人が同じ動物を宿すことはないから物の怪憑きも全部で13人。

異性から抱きつかれるだけでなく、体調が弱ったときも「ボン!」と変身してしまいます。ただし、異性であってもそれが同じ十二支同士なら抱きつかれても変身しません。

主人公の透が女性だからなのか、物の怪憑きの男性率は高く、13人中10人が男性。そのため、様々な要因で序盤は結構ぽんぽん変身していたと思います。バレないことが不思議なくらいに。

 

こう見るとコメディみたいな設定ではありますが、当人たちにとってこれは『呪い』

十二支以外の人が相手だと、どれだけ親しくなっても、恋しく想っても、愛おしさが溢れても、決して人の姿で抱き合うことは叶いません。たとえそれが親だとしても、見守ることしかできないわけです。

十二支の物の怪憑きになったとしても、それは決して喜んだり祝うようなことではない。

 

物語開始当初こそ比較的明るめに触れられていましたが、次第にどんより重い雰囲気に・・・。

しかし、そんな呪いと苦悩を抱える草摩一族が、透という天使に出会ったことで、彼等が抱える過酷な運命も少しずつ変化していくことになります。

 

本田透という眩し過ぎるファンタジー

本田透、はっきり言ってこんな娘はどこにもいない・・・でも、もし存在するなら出会ってみたいとも思わされる魅力的な女の子。

「天使?、それとも聖母か?」と錯覚してしまいそうになるほど、慈愛に満ち満ちてる少女です。

 

正直言いますと、最初はそれほど好きなキャラではありませんでした。私がちょっと捻くれた性格だからなのか、見ていてイライラすることもそれなりにあったんですね。人間味も薄いと感じましたし。

ある意味、十二支の動物に変身してしまう草摩一族の人たちよりも、透の方がずっとファンタジーな存在だと感じていましたから。

 

ですが、現在のあの性格に至るまでの経緯を知ると印象が変わってきます。

透の生い立ち、最愛の母・今日子と交わした言葉など、これまで彼女が経験してきたことや影響を受けたことを知ると、彼女の綺麗過ぎると感じていた言葉・行動・態度も納得できるものがありますし、それがとても温かく心に沁みてきました。

決してただの良い子ちゃんなんかではありません。彼女の明るさ、優しさには、母・今日子の影響が強く、さらに若い身でありながら多くのことを経験してきた人生の積み重ねも大きく関与しています。

 

それに、あのぐらいの聖母でもなければ、十二支の問題は解決できなかったのではとも思っています。

 

メインもサブも登場人物みんな魅力的

登場人物一人一人の掘り下げが非常に丁寧だったなというのも、強く印象に残ったポイント。好感ポイントでもあります。

 

さすがに登場人物は多すぎたせいか、十二支の中にも陰が薄くて「誰だっけ?」と思い出すのに時間が掛かるキャラもいたのは事実。

ですが、キャラクターは多い割りに、ほとんどの人物のバックボーンをしっかり作り込んでいたのはすごいところ。

主人公や十二支のみならず、この作品の登場人物は大抵が悩みや辛い過去の経験を抱えているというのが前提にあります。それはいつもニコニコ明るい主人公の透も例外ではなく、みんな多かれ少なかれ心に傷を負っているんです。

 

立ち向かおうとしてる人、逃げようとしてる人、諦めてる人、何も出来ないことに苦しむ人、置かれてる状況やそれぞれのバックボーンを丁寧に描いてるため、ファンタジーな設定でありながらリアルな心理描写を覗くことができます。

この作品は、今まで背を向けていた物事に向き合い、ぶつかり、乗り越え、あるいは受け入れながら未来へ歩むという成長と変化を描いています。

立ち向かう姿はときに痛々しくて、見てるのが辛く感じる場面もかなり多くあります。

ですが、乗り越えた後の顔はそれこそ憑き物が取れたように晴れやかな表情。私の心もズンとなってた重しが取り除かれたような軽やかで爽やかなな気分にさせてもらえました。

 

本当に感動しますし、何度も泣かされちゃいましたね。

 

名言製造漫画

この作品、心に残る名言が非常に多いのも特徴。

全部紹介するとキリがないので、個人的に印象深かった名言を2つだけ紹介します。

忘れてはいけないのは 子供の頃の自分だって 初めて逆上がりができた日や初めてたくさん怒られた日の事 子供の頃感じた気持ちをちゃんと忘れずにいれば 大人になっても親になっても理解しあえる 100%は無理でも歩み寄る事はできる…って

(引用:本田透・本田今日子『4巻より』)

もうひとつは、

「好き」なら 何を言っても許されるなんて思ってはいけない・・・ 「好き」なら何をしても許されるなんて思っているなら 反省した方がいい・・・ 一方的に高まった愛情をぶつけると 相手の重荷になったり傷つけてしまう時もあるのだという事を 忘れてはいけない・・・ 相手の気持ちを尊重し思い遣る心を忘れてはいけない・・・

(引用:花島恵『5巻より』)

2つ目はキャラクターのインパクトが強かったというのも理由ですね。

ほんとに名言だらけの作品なので、じっくり読みたくなるし、何度でも読み返したくなるんですよ。

 

フルバの再アニメ化が決定!

なんと、あの『フルバ』が帰ってきます。

私も発表を聞いたときにはまさかのことに驚かされたんですが、2019年にスタッフ&キャスト一新で「再アニメ化」します。

この作品、既に2001年に全26話でアニメ化されているんです。ただ、この時はまだ原作が連載中だったこともあり、アニメ版は原作の設定を変更してる部分が多く、ラストもオリジナル展開で締め括られていました。あれはあれでとっても良かったんですけどね。岡崎律子さんの主題歌も素晴らしかったです。

この再アニメ化ですが、驚きはしましたけど今尚人気は衰えない作品なので、不思議ではありませんでした。むしろ大歓迎!

キャストも一新されるということで、ハマり役だった堀江由衣さんではないのが残念ですが、今回はきっと原作ラストまで忠実にアニメ化してくれることでしょう。

公式サイト

<メインキャスト>

  • 本田 透(ほんだ とおる):石見 舞菜香
  • 草摩 由希(そうま ゆき):島﨑 信長
  • 草摩 夾(そうま きょう):内田 雄馬
  • 草摩 紫呉(そうま しぐれ):中村 悠一

<スタッフ>

  • 原作・総監修:高屋奈月
  • 監督:井端 義秀
  • シリーズ構成:岸本 卓
  • キャラクターデザイン:進藤 優
  • アニメーション制作:トムス・エンタテインメント

 

まとめ

両親を失った心優しい少女・本田透と、異性に抱きつかれると獣に変身する体質を持つ草摩一族との、心に寄り添う交流を描いた物語『フルーツバスケット』の紹介でした。

あと、実はフルバの続編にあたる『フルーツバスケットanother』もあるので、気になった方はこちらもチェックしてみてください。

ストーリー構成や伏線の回収が見事でしたね。長編にもなると伏線貼っといて結局放置したままなんてことはよくありますが、フルバは目ぼしい伏線はあやふやにすることはなくしっかり回収してますし、「あっ」と驚かせる演出も挟んで読者を飽きさせず最後まで走りきってくれました。

改めて読み返してみると伏線の数に驚かされますね。よくそれらを無理なく回収できたものだと感心してしまうほど。

セリフや出来事、それぞれの過去や記憶の部分での関連性が見事に成立しているため、1巻で仄めかされたことが最終盤になって回収してるなど、これが全部計算の上でのことだとしたらホントに「凄い」としか言えません。

コメディとシリアスのメリハリもよく調整されていたと思います。

私のなかでは稀代の名作に位置付けてる少女漫画。人生のバイブルと言っても過言ではないかも。緻密に計算しつくされた巧みなストーリー展開は見事で、登場人物も個性が見事な魅力に溢れたキャラばかり。個人的には透が特に好きですが、彼女に負けず劣らず花島姉弟がお気に入りのキャラですね。

フルバはこんな方におすすめ

  • 泣ける少女漫画を読みたい人
  • 設定が面白い作品を読みたい人
  • メインもサブもキャラクターが魅力的な作品が好きな人
  • 濃い人間ドラマを見たい人

誰かに自分を受け入れてもらうこと、自分が誰かを受け入れること。それは自分にも相手にも心の拠り所になることであり、たとえ迷っても、傷つくことがあっても、それは先へと歩みを進める励みにも勇気にもなることを教えてもらえました。

素晴らしい作品なのでよければ読んでみてください。自信を持っておすすめさせていただきます。

いつもよりちょっと長くなりましたが、今回はこの辺でおわり。

 

-マンガ

© 2025 暮らし道標 Powered by AFFINGER5