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【アニメーターお仕事漫画】アニメタ!の感想【あらすじ&面白いポイント】

アニメタ!(花村ヤソ)

こんにちは、ワチイツキです。

今回みなさんに紹介したい漫画は、元アニメーターが描いたリアルお仕事系漫画アニメタ!

この漫画の特徴は、

元アニメーターの経歴を持つ作者の花村先生が、ガチリアルなアニメ制作の現場を描いてるところ。

また、人間ドラマや主人公の成長模様も面白く、スポ根的な熱さを感じられる作品になってます。

それでは、『アニメタ!』の魅力をご紹介します。興味が湧いた方はぜひ読んでみてください。

基本情報

  • タイトル:アニメタ!
  • 著者:花村ヤソ
  • 出版社:講談社
  • レーベル:モーニングKC
  • 掲載誌:月刊モーニングtwo
  • 連載状況:連載中
  • ジャンル:アニメーター、スポ根、人間ドラマ、お仕事

あらすじ・概要

テープが擦り切れるほど観たアニメは、あたしの人生を変えた。あたしも……こんなアニメを作ってみたい! 九条監督はすごく厳しいけど……それでも、アニメーターになるんだ、絶対!! 技術ゼロの新人アニメーター・真田幸(19歳)が、0.1%の「才能」と、99.9%の「熱意」で、プロフェッショナルが終結するアニメ業界に挑む!! スポコン・アニメーター物語、開幕!!

(引用:ebookjapan

もう少し詳しく――

 

「テープが擦り切れるほど見たアニメは、わたしの人生を変えた――」

いたって普通の家庭で育った19歳の「真田幸(愛称:ユキムラ)」

たまたま観た『王立少女パンナコック』というアニメに感銘を受け、「わたしもこんなアニメを作ってみたい!」…と強く思うようになります。

専門知識も技術も無く、情熱以外なに一つ持っていないにも関わらず、業界トップクラスのクオリティを誇るアニメ製作会社「N2ファクトリー」の入社試験に挑戦。

一次試験は通過したものの、次の実技で技術不足が露呈し、「専門学校に行ってからでも遅くないんじゃない?」と言われることに・・・。

しかし、監督の「九条」に呼び止められたユキムラは「アニメに命をかける覚悟はあるか」と問われ、「自分が好きで選んだ仕事で死ねるなら本望です」と答えます。

すると、後日届いた合否の連絡は、まさかの“合格通知”。

こうして、アニメへの愛と若さのみで憧れの世界の扉を開いたユキムラは、ゼロからのアニメーター生活を始めるのでした。

【アニメタ!】の魅力・面白いポイント

アニメーターを取り巻く過酷な実情をリアルに描くと同時に、愛と根性だけで飛び込んだ新人アニメーター女性の成長模様、アニメ愛溢れる人たちが魂を込めてアニメ製作に全てを傾けていく姿を描いた物語。

熱血スポコン系アニメーターお仕事漫画。

アニメタ!の面白いポイントはコチラ

  • アニメーターのリアルな現場を描くお仕事漫画
  • これぞスポ根!愛と根性で壁を乗り越える主人公の成長譚
  • 考えさせられるアニメ業界の過酷な現状

それでは、ひとつずつ魅力を語らせていただきます。

 

アニメーターのガチリアルな現場を描くお仕事漫画

アニメタは一言で説明するとこんな感じの漫画。

シビアな労働環境を描きつつ、主人公の新人アニメーターが成長していく姿と、アニメ愛を溢れさせてる奴等が魂を込めてアニメーション製作に全てを傾けている姿を描いています。

 

アニメ製作の現場を描いた作品といえば『SHIROBAKO』が有名です。以来、同様のテーマ作品をちらほら目にするようになりました。

その中にあって、特にアニメーターのガチな姿を描き、リアルな制作現場の空気を感じられるのが本作『アニメタ!』。

 

スポットが当たること事態珍しい”原画マン”や”動画マン”たちにファーカスしている興味深い作品です。

彼ら無くしてアニメ製作は成り立たないとはいえ、作品の軸とするには少し地味なテーマの気もします。しかし、実際に読んでみると非常に熱い作品で、且つ考えさせられる濃密な内容でした。

 

しかも、作者の花村ヤソ先生は元アニメーターさん。

アニメーターのリアルな実情が分かると共に、アニメがどのように作られていくのかも詳しく描かれています。製作過程はもちろん、使っている道具、監督の絵コンテ、原画や動画の描き方など、アニメ制作のネタ知識が満載。

確かな経験に基づいているだけあって、解説はとても詳しく濃密です。引いてはそれがストーリー展開やキャラの動きに説得力を持たせていましたね。

 

これぞスポ根!愛と根性で壁を乗り越える主人公の成長譚

過酷なアニメ業界のリアルな製作現場の光景。

そんなお仕事漫画の面だけでもかなり楽しめますが、物語を盛り上げているのはユキムラこと主人公「真田 幸(さなだ みゆき)」の成長

 

N2に入社当初のユキムラ(19歳)は本当に何も持っていませんでした

そもそもアニメ愛に目覚めたのも、アニメーターを志すと決めたのも、既に彼女が卒業後の進路を考えていた高校生のとき。そのため、入社したばかりの当初は業界のイロハはもちろん、アニメ製作の知識・技術も皆無に等しい状態だったんです。

まさに”ゼロ”からアニメーター人生をスタートさせたユキムラ。

 

ユキムラは優れた動体視力と空間認識能力を持つ稀有な才能の持ち主です。

しかし、才能が突然覚醒するなんてつまらない展開にはならないのでご安心を。素人同然で右も左も分からず、ダメ出しの連発、給料に直結する動画もリテイクの嵐。悩みまくるし涙も流します。

 

アニメへの愛と夢が原動力

それでも諦めないのは、からっぽだった自分の人生に光を差してくれたアニメへの愛がゆえ。

努力と根性で苦難をひとつずつ突破し、技術をひたすら磨き続けて成長していく展開は、これぞスポ根!と言える王道の熱量があります。

 

根性もさることながら、彼女の素直さは特に見習いたいところ。

素直に聞き、素直に実行できる人は、成長が早いとよく聞きます。ユキムラはあらゆる事からアニメーターとしての技術を学び取ろうとするので、とにかく成長が早い。

才能を丁寧に育ててくれる九条監督に出会えたことも大きいのでしょう。

 

そんなユキムラが何かを成し遂げていく姿を見ていると、胸の奥がジワりと熱を帯び始めるのが実感できます。

それほどに全身全霊を捧げて取り組めることがある彼女を羨ましく感じ、同時に発破をかけられた気分にもなりましたね。

 

考えさせられるアニメ業界の過酷な現状

薄給・重労働・休みも少ないという御免被りたい三拍子が見事に揃い、離職率も高いと言われるアニメーター事情。

正直そこらのブラック企業が可愛く見えてきます。

 

それを支えているのは、アニメーターたちの愛と情熱であるところも非常に大きいのですが、この作品は決してその点を礼讃なんかしていません。もちろんユーモアでごまかしてもいません。

この作品のメインキャラの一人である九条監督も幸に対して「『やりがい』と『給料』は別問題だ」とはっきりおっしゃってますから。

 

作中で語られていたことを一つ例にあげると――

  • 動画は完全出来高制だから描いた枚数が給料になる
  • テレビシリーズだと1枚210円前後
  • 1枚に1時間掛けると12時間働いても2520円
  • 1ヶ月休みナシで働いた場合、税金を差し抜くと手取りは約6万8000円
  • しかも、リテイク分はお金が出ないからその時間分給料は下がっる

過酷過ぎる・・・。

 

愛があっても食っていけなければそれは離職にも繋がります。

こういった是正すべき過酷な労働環境についても、マイルドに包むことなくしっかり切り込んで語られているのもこの作品の魅力と言えます。

 

アニメタ!の紹介・感想まとめ

今回は、アニメ制作に携わるアニメーターのガチリアルな現場風景と、愛と根性で夢に向かって突き進む新人アニメーターの成長を描いた【アニメタ!】を紹介しました。

これほどアニメーターという職業に向き合い、且つアニメ業界にビシっと切り込んでいる作品は他に見たことありません。それをだけでも個人的には評価したいと思いますし、とてもタメになる漫画でした。

それにストーリー展開もすごく面白い。主人公のユキムラが好感持てる嫌味の無いキャラクターだったのも好ポイント。まっさらだった彼女がアニメーターとして一歩一歩成長していく姿は胸が熱くなります。

そして、「自分も・・・(ガタッ)」と心を奮い立たされてしまいますね。

こんな方におすすめ

  • アニメーターのリアルな実情に興味がある
  • お仕事系漫画が好き
  • スポ根のような熱い成長ストーリーを読みたい
  • アニメーターを応援している!尊敬している!
  • 何かに全力で挑戦してる人

また、絵が非常に上手いです。

作者先生が元アニメーターだけのことはあり、表情や仕草の動きはもちろん、空間の描き込みや、見せ方がとても巧みでした。

とても面白い作品ですので、興味が湧いた方は是非読んでみてください。

ちなみに、4巻の巻末には作者の花村ヤソ先生と『攻殻機動隊 S.A.C.』や『東のエデン』で監督を務めた神山健治さんとの対談が載っています。花村先生が「プロダクションI.G.」で働いていたときの上司だったそうです。

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