
✓お歳暮の相場はいくら?
✓お歳暮を忘れた時や喪中の時はどうするの?
このようなお歳暮に関わる素朴な疑問を解消します。
お歳暮は年末のご挨拶として、お世話になった方へお礼の気持ちを込めて贈るものです。お中元と似ていますが、お中元は上半期の感謝を、お歳暮は1年を通した感謝を伝えます。
お歳暮は贈り慣れていないと分からないことも多く、時期や金額相場、渡し方の作法など、悩まれている方は多いのではないでしょうか?
年末は何かと忙しい時期。直前になって慌てて準備しなければいけない事態は避けたいものです。
このページでは、お歳暮を送る時期、予算の相場、正しい渡し方など、お歳暮の基礎知識とマナーについてご紹介します。
このページの目次
お歳暮はそもそも誰に送るもの?
社会人になると覚えておく必要のあるマナーや常識が増えてきます。お歳暮もその内のひとつなのですが、礼儀作法以前にそもそも誰に贈るものなのでしょうか?
お歳暮とは、日頃からお世話になっている方に、「1年の感謝」と「これからもよろしくお願いします」という気持ちを込めて年末に贈る贈答品。
必ずしも誰々に絶対贈らなければいけないという決まりはありません。あくまで日頃の感謝の気持ちを贈るものなので、お世話になった方へ贈りましょう。
昔は、お世話になった目上の方に贈ることが多かったのですが、現代では上下関係に関わらず、友人や後輩、家族に贈られるケースも増えています。
一般的なお歳暮を贈る相手
- 上司
- お得意様
- 取引先
- 習い事の先生
- 親戚
- 両親・義両親
- 友人・知人
このような相手に贈られる方が多いようです。
お歳暮の受け取りを禁止されているケースもある
お歳暮を送る前に確認しておくべき注意点があります。
相手の立場・職業によっては”お歳暮の受け取りを禁止されている事もある”という点。
例えば、大手企業や外資系企業では、お歳暮の受け取りを一切禁止にしているケースが少なくありません。
また、特別な理由がない限り「学校の先生」に贈るのもNG。公務員(公立の先生・公務員・議員など)は利害関係者からの贈り物は基本禁止されています。変な誤解を与えかねないので注意してください。
相手に迷惑を掛けてしまうこともあるので、事前チェックは必ずしておくようにしましょう。
ちなみに、私立幼稚園だとお歳暮のような心づけを渡す習慣が残っているところもあるようです。
お歳暮の時期は?いつからいつまでに送るの?
気を付けなければいけないのがお歳暮を送る時期。初めてだといつからいつまでに送ればいいのか分からず、悩まれてる方もいるかもれません。
お歳暮というのは季節の挨拶も兼ねた贈り物です。そのため、贈る時期はいつでも良いというわけにはいきません。
伝統的な時期▼
「すす払いの日」である”12月13日から12月20日”まで。
ただし、現在ではこの期間は前倒しになる傾向が強くなっています。
地域ごとによる違いもあり、関東と関西で時期に若干の差が生じます。
POINT
関東で多いケース:12月1日から12月25日まで
関西や関東以外の地域に多いケース:12月13日から12月25日まで
現代だと東日本では11月下旬に贈るケースも珍しくありません。
マナーである以上はなるべく守った方がいいのですが、少しくらいならズレてもお歳暮として問題なく贈れます。遅くても12月の中頃にはお歳暮が相手に届くようにすれば問題ありませんよ。
期間内にお歳暮を送れなかった場合はどうする?
年末は何かと忙しい時期。諸事情によりお歳暮を年内に送れないこともあるでしょう。中にはうっかり忘れていたり、お返しがギリギリになって間に合いそうにない方もいるかもしれません。
遅れてしまった場合は「のし表書き」を変更して贈りましょう。ちなみに「お歳暮」は12月31日までの期間に届く場合に用います。
POINT
1月1日から1月7日までなら「御年賀」「お年賀」
(但し、関西は1月1日から1月15日までが「御年賀」になります)
1月8日から2月4日までなら「寒中御見舞」「寒中御伺」
立春を過ぎた場合は「余寒見舞い」
このような表書きになります。
「年賀」の表書きを使うのは”松の内”の期間です。松の内とは、門松などのお正月飾りを飾っておく期間のこと。
松の内は1月7日までの地域がほとんどですが、関西に限っては15日までとされています。それもあって、のしの表書きも関西と一部地域では15日までなら「御年賀」となるのです。
お歳暮の一般的な予算の相場
一般的なお歳暮の相場は3,000円~5,000円
安すぎると相手の気分を損ねてしまう可能性があります。逆に受け取った贈り物が高額すぎると、相手に気を遣わせてしまうこともあるので、この程度の金額が妥当です。
それから、最初に高い贈り物をしてしまうと後々負担にが大きくなってしまうので、なるべく負担になり過ぎない範囲の金額を設定することが大切です。
相場はだいたいこのくらいが一般的。この範囲なら失礼にあたる心配はないでしょう。ただし、お歳暮の相場は贈る相手との関係性によって変わるので気を付けてください。
お歳暮の相場は相手との関係性の違いで変わる
お歳暮の相場は、相手が目上の方、気心の知れた友人や知人など、相手との関係性によって異なります。
関係別のお歳暮の相場▼
- 友人・知人:3,000円程度
- 親戚・両親・上司:5,000円程度
- 特別お世話になった方:5,000円から10,000円程度
こちらの金額はあくまで目安であって、この金額でなければいけないというわけではありません。
その相手にどれだけお世話になったか、付き合いの長さや深さ、感謝の大きさなどによって金額は変わります。あとは、ご自身の年齢や経済状況も加味して検討するといいでしょう。
注意点としては、前年にもお歳暮を贈ってる場合、前年の贈り物と比べて明らかに金額の差が出る物は控えた方がいいです。お中元を贈ってる場合も同様なので注意してください。
心掛けておきたいお歳暮のマナー
お歳暮を送る際に心掛けておきたいのがマナーです。
贈り物の金額や贈る時期だけではなく、それ意外にもお歳暮には大切なマナーがあります。相手に失礼だと思われないためにも、ポイントをしっかり押さえて正しく送りましょう。
喪中のときは?
お歳暮を贈る際に悩ましいのが相手もしくはご自身が「喪中」である場合。「贈って大丈夫?」と躊躇ってしまう方も多いことでしょう。
結論としては、お歳暮は喪中であっても全く問題なく贈ることができます。
POINT
自分が喪中の場合 ⇨ OK
相手が喪中の場合 ⇨ OK
お歳暮はあくまでお世話になった方に感謝の気持ちを現したものです。喪中のときに控えなければいけないお祝い事(慶事)ではありません。なので、お歳暮は喪中に贈ったとしても失礼にはあたらないのです。
とはいっても、不幸があった方には贈りづらいと思われてる方も多いのではないでしょうか。その場合は、事前に先方へ確認のための連絡を入れ、了承をいただいてから贈ると安心です。
ここでも注意点が一つ。
お歳暮期間を過ぎた場合、1月7日(関西は15日)までは「御年賀」として贈るのがマナーだと先ほど説明しました。「御年賀」の「賀」という文字は「祝う」という意味を含むお祝い事になってしまうため、相手が喪中である場合はその期間中は使うことができません。
なので、松の内の時期から少しズラして、1月8日以降に「寒中御見舞」「寒中御伺」として送るのがマナーとなります。
お歳暮の正しい渡し方
現在ではデパートなどから宅配を利用してお届けする事が増えていますよね。
POINT
宅配便で送る際は、挨拶状(送り状or添え状)をお歳暮が届く前に郵送するか、品物に同封しておくのがマナーです。
お礼の言葉やお歳暮を送った旨をしたためておきましょう。
宅配が増えているとはいえ本来は手渡しが正式な形となります。
POINT
持参する際の正しい渡し方は、品物は風呂敷に包んで持参し、相手の前で風呂敷を外して風呂敷はそのまま持ち帰るようにしてください。
お歳暮を渡す際のマナー
- 風呂敷に包む
- 風呂敷は相手の前で外し、風呂敷のみ持ち帰る
- デパートの袋に入れてる場合は袋から出しておく
- 手渡す際はのし書きが相手から見て正面になるように
- 食事時や早朝は避ける
お歳暮とお中元は両方贈った方がいいの?
お歳暮とお中元の意味合いはほとんど同じです。どちらも日頃お世話になっている方への感謝と季節の挨拶を伝えるもの。お歳暮とお中元の違いは以下の点となります。
- お中元は:「半年間お世話になったお礼」
- お歳暮は:「一年間お世話になったお礼」+「来年もよろしくお願いします」
そのため「両方贈った方がいいのかな?」と悩むこともあると思います。
もちろんお世話になっている方であるならできるだけ両方贈った方が好ましいです。しかし、必ずしも2つとも贈らなければいけないという訳でもありません。
どちらか一方だけでも大丈夫ですよ。贈るのが片方ということであれば、お中元よりお歳暮の方が重んじられているので、お中元はやめてお歳暮を贈るのが一般的。
また、お歳暮だけを贈る際は一年分の感謝の気持ちをしっかり伝えるようにしましょう。
お歳暮にこれはNG!送ってはいけないものがある!?
お歳暮に贈る品物は何でも良いわけではありません。お歳暮としてはタブー扱いされている物もあるので注意してください。
お歳暮には相応しくないとされる物の一例がこちら▼
- 「踏みつける」「足蹴にする」を連想させる・・・靴、スリッパ、靴下など
- 「縁を切る」を連想させる・・・刃物(包丁やハサミなど)
気にし過ぎるのもどうかと思いますが、相手によっては気分を害してしまう可能性も捨てきれないので、相手への配慮は忘れないようにしましょう。
お歳暮には不向きとされる贈り物の詳細はこちらの記事をご覧ください▼
お歳暮・お中元のタブー!送ってはいけないものと送ってはいけない人
お歳暮に使用する熨斗(のし)の選び方と書き方
お歳暮には基本的に熨斗をつけるのが正式マナーです。
- のし紙は「紅白の蝶結びの水引き」
- 表書きは「お歳暮」「御歳暮」
- 下書きは「自分の名前」
お歳暮は相手が喪中でも送れますが、熨斗には配慮が必要です。
自分もしくは相手が喪中の場合は、慶事を表す紅白の水引きは使えません。喪中のときは「無地の奉書紙」もしくは「無地の短冊」を使い、表書きは「御歳暮」と書きます(短冊は略式のため目上の方には不向き)。
身近な方に送るのであれば電話やメールくらいで十分ですが、大変お世話になってる方に送る場合は挨拶状を添えておきましょう。
日頃の感謝を伝えたい方にお歳暮を送ろう!
お歳暮は贈り慣れてないと分からないことも多いですよね。しかし、基本的なマナーさえ押さえておけばあまり心配する必要はありません。
時期に関しても昔ほど厳格な決まりはなく、12月中に先方へ届くように手配すれば問題になることはないでしょう。時期を過ぎてしまったとしても、のし書きを変更することで贈ることはできますからね。
贈る際にはマナーを守ることを心掛ける必要がありますが、大切なのはあくまで日頃お世話になってる方への感謝の気持ち。一年の締めくくりにお歳暮を贈り、あなたの感謝の気持ちを伝えてみてはいかがでしょうか。
お歳暮の関連記事は下記にまとめてあるのでご参考にしてください。