✓サンタさんって誰?
✓どうしてツリーを飾るの?
このようなクリスマスにまつわる素朴な疑問を解消します。
心躍る冬の一大イベントといえばクリスマス。12月に入ると街はクリスマスムード一色となります。日本でもすっかりお馴染みの光景となりました。
でも、クリスマスって意外と知らない事だらけ。「クリスマスって何の日?」「サンタさんって実在するの?」「24日と25日どっちがメイン?」などなど。気にはなるけど今更すぎて人に聞けない疑問、謎をお持ちの方は多いのではないでしょうか。
そこで今回は、クリスマスに関する数々の素朴な疑問や謎を分かりやすくご紹介します。
クリスマスに関する疑問と謎
そもそもクリスマスって何の日?意味は?
クリスマス(Christmas,、Xmas)の本来の意味は、”イエス・キリストの誕生を祝う日”。ポイントは「誕生日」ではなく「誕生」であること。12月25日を誕生日と思われてる方は多いかもしれませんが、実はキリストの誕生日は未だ不明です。
クリスマスは英語で「Christmas」。これは「Christ(キリスト)」+「mass(ミサ)」=「キリストのミサ」が語源。つまり、クリスマスはイエス・キリストの降誕祭ということです。
クリスマスの詳細はこちらの記事をご覧ください▼
クリスマスの本当の意味と由来【イブとの違いやサンタさんの謎も解説】
クリスマスは24日と25日どっちがメイン?
日本では12月25日を「クリスマス」、12月24日を「クリスマスイブ」と呼ぶのが一般的。そのため、クリスマスイブをクリスマスの「前夜」もしくは「前日」と思われてる方も多いでしょう。
「eve(イブ)」とは「evening(夜・晩)」と同じ意味の古語「even」から来ています。つまり、クリスマスイブとは前夜・前日ではなく、「クリスマスの夜(晩)」という意味。
ただ、現在の暦では24日の夜にあたるため、前夜という表現は間違いとは言い切れません。
しかし、ユダヤ暦を継承する教会暦を採用しているキリスト教では、一日の始まりは太陽が沈む夕方(日没)。そうなると、正しいクリスマスの日程は以下のようになります。
クリスマスの正式な日程
- クリスマス ⇨ 24日の日没から25日の日没まで
- クリスマスイブ ⇨ 24日の日没から24日の00時00分まで
このように、正式な日程だとクリスマスイブとクリスマスは別々の日ではありません。クリスマスの中の夜がクリスマスイブ。さらに、25日の夜は既にクリスマスは終わっていることになります。
メリークリスマスの「メリー(Merry)」ってどういう意味?
クリスマスの挨拶といえば「Merry Christmas(メリークリスマス)」ですよね。
Merryの意味
「陽気な」「楽しい」「愉快な」、あるいは「良い」という意味もあります
直訳すると「楽しいクリスマス」「良いクリスマスを!」という意味で、キリスト教的な意味合いは特にありません。
サンタクロースに関する疑問と謎
サンタクロースにモデルとなった人物は実在する?
サンタクロースのモデルは、4世紀頃に実在したとされるギリシャ人司教「聖ニコラウス(ニコラオス)」。英語では「セント(聖)・
数多くの逸話を残しており、貧しい人々を救ったり、罪人を改心させた慈悲深い人物。欧州では彼の命日である12月6日をクリスマスとは別に、「聖ニコラオスの祝日」と定めてお祝いしています。
ちなみに、”サンタクロースが靴下にプレゼントを入れる”風習は、聖ニコラウスが貧しい家に煙突から投げ入れた金貨が偶然靴下に入り、その金貨で三人の娘を身売りから救ったという逸話が由来。
どうしてトナカイがサンタのソリを引くの?
サンタクロースはトナカイが引くソリに乗って子供たちのもとへやってくる
これは神学者クレメント・クラーク・ムーアが、1823年に出版した『聖ニコラウスの来訪(A Visit From St. Nicholas)』という詩が元ネタとなっています。
詩の中でサンタクロースは、8頭のトナカイに引かれたソリに乗って空を飛んでいる描写があります。それがきっかけで「サンタさん=トナカイ」というイメージが定着されました。
ちなみに、この詩は現在だと「The Night before Christmas(クリスマスのまえのよる)」というタイトルのほうが一般的。
トナカイの鼻が赤いのはなぜ?
赤鼻のトナカイは、1939年にロバート・ルイス・メイが創作した世界的に有名な童話『ルドルフ 赤鼻のトナカイ』にて初めて登場。
会社からお客さんに配布するクリスマスの絵本製作を依頼され、娘さんが好きだったトナカイを主人公にした絵本を創作しました。ちょうどその頃に奥さんがガンにより他界。悲しむ娘さんのために絵本を完成させ、一番最初に愛しい娘に読み聞かせたそうです。
その後、絵本は出版されベストセラーになります。さらに、1949年にクリスマスソング『赤鼻のトナカイ』がリリース。これが「ホワイトクリスマス」に次ぐ大ヒットを記録し、世界中に広く浸透したのです。
サンタクロースって実在するの?
子供がよく親に聞くクリスマスの質問といえば、「サンタさんって本当にいるの?」ではないでしょうか。
悩むこともはぐらかす必要もなく、「サンタさんはいるよ」と答えてあげてください。実際に世界には本物のサンタさんが存在します。
北極近くにあるグリーンランドに長老サンタクロースが住んでいます。グリーンランド国際サンタクロース協会という組織が存在しており、長老サンタを筆頭に、彼のお手伝いを名目とした公認サンタクロースが世界各地で活動しています。世界中の子供たちに夢と希望を届けている存在です。
ちなみに、日本にもパラダイス山元さんという公認サンタクロースがいますよ。
クリスマス飾りに関する疑問と謎
クリスマスツリーを飾る理由は?
クリスマスの象徴である「クリスマスツリー」は、旧約聖書『創世記』のエデンの園にある「知恵の樹(善悪の知識の木)」を模した飾り。アダムとイブが食べた禁断の果実を実らせた樹のことです。
クリスマスツリーはモミの木やエゾマツのような常緑樹を使うのが一般的。一年中緑の葉を茂らせる様子から、「永遠に枯れない命」「強い生命力」とも言われています。
クリスマスツリーの由来は諸説あります。
由来その1:
ゲルマン民族の冬至祭り「ユール」において、永遠・生命の象徴である”樫の木”を崇める風習があったことを起源とする説
由来その2:
神学者マルティン・ルターが、イブの夜に木々の間から星が煌めく様子を見て、多くの子供たちにも見せたいと木を装飾したのが元とする説
由来その3:
ドイツではモミの木には幸運をもたらす妖精が宿ると考えられており、いつまでもモミの木に住んでいて欲しい想いから飾り付けた説
由来その4:
ゲルマン民族には、オーディンの聖木である樫の木に人間の生贄を捧げる風習があり、この儀式を止めるために樫の木を切り倒したところ、モミの木が生えてきた伝承を元とする説
クリスマスツリーの装飾の意味は?
クリスマスツリーには、トップスター、オーナメントボール、ベル、靴下、キャンディケインなど、たくさんの飾りがあります。実はそれぞれの飾りにはちゃんと意味が込められているんです。
■トップスター
頂点の輝く星は、キリストの誕生を「東方の三博士」に知らせ、キリストの許へ導いた“ベツレヘムの星(希望の星)”を意味しています。
■オーナメントボール
球体の飾りはドイツ語でクーゲルとも呼ばれ、「知恵の木の実」「りんご」を表しています。
■ベル
イエス・キリストの誕生を人々に知らせるための、天国の「喜びを鳴らすベル」という意味があり、魔除けの力もあります。
■靴下
聖ニコラスの貧しい家庭を金貨で救った逸話から、サンタクロースが靴下にプレゼントを入れてくれると考えられています。
■キャンディケイン
杖の形のキャンディ。「羊飼い(神)が羊(人)を導く杖」を意味しており、キリストが人々を導いてくれるという思いが込められています。
クリスマスリースにはどんな意味があるの?
クリスマスリースは英語で「wreath」と書き、意味は「花輪、花冠、輪状のもの」。リースの輪は「永遠」を。リボンやベルは「魔除け」。緑色は「永遠」の他に農作物の恵みなどを表しています。
クリスマスリースに込められた意味
- 永遠に続く神からの愛を象願う
- 永遠の幸福を願う
- 豊作祈願
- 魔除け
クリスマスカラーが赤と緑の理由は?
クリスマスには「赤」や「緑」、それから「白」と「ゴールド」のような象徴的なクリスマスカラーがあります。実はこのカラーにも一つずつ意味が込められているんです。
■赤に込められた意味:
リンゴやヒイラギの実の色である赤はキリスト教のシンボルカラー。イエス・キリストが十字架上で流した血を表しており、「神の愛」「神の寛大さ」を意味しています。
■緑に込められた意味:
状陽樹を飾り付けるクリスマスツリーの象徴でもあるように、1年を通して緑の葉を付けていることから、「永遠」「強い生命力」を意味しています。
■白に込められた意味:
穢れのない純粋な白は、他の色を引き立て全体のバランスを良くする色であり、大地を白く染める雪の色でもあります。「純粋」「潔白」「罪を清める」「始まり」という意味を持ち、「平和」への想いも込められている色です。
■ゴールドに込められた意味
クリスマスツリーの頂上に金色の星を飾るように、キリストの誕生を賢者に知らせ、馬小屋まで導いたベツレヘムの星を表しており、「高貴」「希望」「豊かさ」を意味しています。
ヒイラギの赤い実はキリストが十字架で流した血を表しており、キリスト教では象徴的に使われています。また、キリストの”永遠の命”を表現するために、緑をツリーや装飾として使われるようになりました。
クリスマスに「赤」と「緑」がよく使われるのには、このような背景があると考えられています。
クリスマスの食べ物に関する疑問
クリスマスになぜ七面鳥を食べるの?
海外のクリスマスディナーでよく食べられているのが「七面鳥の丸焼き」。欧米の映画やドラマでもお馴染みの料理です。でも、実はクリスマスに七面鳥を食べることに宗教的な理由はありません。
アメリカ建国時代の話——
ヨーロッパからの移住者が飢えで死に至りそうになった際、原住民であるインディアンから七面鳥を与えられ、命を救われました。
無事に冬を越せたお礼として、翌年に七面鳥と一緒に収穫した食べ物を差し渡し、感謝と収穫の祝いをするために感謝祭を行ったといわれています。
こうして、七面鳥はお祝いの日の定番料理になりました。
この風習がアメリカからヨーロッパへ、そして世界各地に広がり、クリスマスといえば七面鳥というイメージが定着したわけです。
七面鳥はアメリカにおける縁起物でもあり、感謝の気持ちを呼び起こす食べ物。そのため、七面鳥はクリスマスに限らず、結婚式や感謝祭など、祝いの場全般でよく食べられています。
一方、日本で七面鳥文化は浸透せず、チキンを食べるようになりました。理由は日本では簡単に入手できる食材ではなく、調理する方法も器具も一般家庭には備わっておらず、買うにしてもチキンに比べて少し高価だったから。実は日本でケーキをよく食べるのも同じ理由です。
クリスマスの伝統料理ってなに?
最後に、海外におけるクリスマスの伝統料理を3つ紹介します。
ブッシュドノエル(ビュッシュ・ド・ノエル)
フランス生まれのお菓子。クリスマスに作られる丸太の形を模したケーキです。ブッシュは「木(丸太)」、ノエルは「クリスマス」という意味。ブッシュドノエルは直訳すると「クリスマスの木」となりますが、正しくは「クリスマスの薪」をイメージしたケーキ。
シュトーレン
ドイツ生まれの菓子パン。生地の表面にたっぷり粉砂糖をまぶし、生地の中にはレーズンやドライフルーツがたっぷり入っています。ドイツ語で「坑道」を意味し、包まれた幼子イエス・キリストを模したとも伝えられているようです。
ドイツではクリスマスの数週間前に作り、毎日1枚ずつスライスして食べる風習があります。
クリスマスプディング
イギリスの伝統的なクリスマスの濃厚スイーツ。日本でいうところのプリンとは別物。ドライフルーツやナッツを何種類も刻み、牛のケンネ脂と混ぜ、ブランデーやラム酒に漬け込んだものを蒸し上げ、長時間熟成させて完成となる手間暇かけたデザートです。
クリスマスにまつわる豆知識・雑学を知っておくと役立つかも?!
子供から大人まで世代問わず盛り上がれるクリスマス。小さい頃から毎年のように祝っていたイベントであるため、当たり前過ぎて今更人に聞けない疑問もたくさんありますよね。子供からの素朴な質問に答えてあげられず困ってしまうことも。
日本版クリスマスは世界に比べると独自の変化を遂げているため、本来の意味に触れる機会はないかもしれません。
クリスマスは長い歴史と文化が詰まっているお祝い。飾りから食べ物に至るまで、そこには様々な想いと意味が込められています。さらに特別な1日とするためにも、本来のクリスマスに触れてみてはいかがでしょうか。
また、クリスマスにまつわる豆知識・雑学を知っておくと、子供から質問された時などに役立つかもしれませんよ。
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