こんにちは、漫画大好きワチイツキです。
私は全ジャンルの中でもファンタジーが特に好き。創造を掻き立てられるんですよね。
魔法、剣、人ならざる存在、さらに世界観が美しくて壮大だったら言うことナシです。もし魔法が使えたら、もしあんな世界に行けたらなんて想像するだけでワクワクします。
以前、“人外×少女”モノがめちゃくちゃ流行って一つのジャンルとして確立されました。私はいまでもハマっていて、その火付け役となった『魔法使いの嫁』はもう手放せない作品になってます。
そこで今回は、人外と少女の美しい交流を描いた現代魔法ファンタジー漫画『魔法使いの嫁』の魅力について語らせていただきます。
魔法とファンタジーの世界観にどっぷり浸れる作品ですよ。
このページの目次
基本情報
- タイトル:魔法使いの嫁
- 著者:ヤマザキコレ
- 出版社:マッグガーデン
- レーベル:ブレイドコミックス
- 掲載誌:月刊コミックブレイド→月刊コミックガーデン
- 連載状況:連載中
- ジャンル:ファンタジー
あらすじ・概要
少女を金で買ったのは、ヒト為らざる魔法使い――……。羽鳥チセ15歳。身寄りもなく、生きる希望も術も持たぬ彼女を金で買ったのは、ヒト為らざる魔法使いだった……。新進気鋭の作家が描く、英国を舞台にした異類婚姻幻想譚が堂々、開演!
(出典:ebookjapan)
もう少し詳しく。
厚いベールの裏、無粋なセメントの壁の向こう、雨に霞む木々の奥、その世界は私たちのすぐそばに息づいている――。
【夜の愛し仔(スレイ・ベガ)】と呼ばれる特異な資質を持つ少女「羽鳥智世(はとり ちせ)」。
生まれつき怪異や妖精など人ならざる存在を見ることができ、尚且つ彼ら隣人を強く引き付けてしまう15歳の女の子。
父は幼い弟を連れて家を出て行き、実の母を目の前で亡くしたチセ。周囲の人たちからは爪弾きにされ、不幸と孤独の中で生きていました。
全てに絶望していたチセは自暴自棄になり、自らを商品として競売にかけることを望み、謎のオークションへ出品されることに・・・。
そんなチセを500万ポンドで落札したのは、骨頭の顔を持つ異形の魔法使い「エリアス・エインズワース」。
チセはエリアスに魔法使いの弟子として迎え入れられたのだが、同時にいづれは「お嫁さん」にするつもりだと告白されるのでした。
――― これは、世界の美しさを識るための物語。
魔法使いの嫁の魅力
「全国書店員が選んだおすすめコミック2015」において第1位に輝き、累計発行部数600万部を超える人気作です。
アニメ・OVA化もされているので知ってる人は多いでしょうね。
この作品の魅力をいくつか挙げるとするなら、
- 子供の頃に夢見た幻想的なファンタジーの世界観
- 人外×少女の交流を描いたストーリー
- 孤独だった2人の間に愛と絆が芽生えていく様子
では、ひとつずつ魅力を語っていきますね。
ちなみに、略称「まほよめ」と呼ばれることもあります。
子供の頃に夢見た幻想的なファンタジーの世界観
この「まほよめ」のように、美しくて幻想的な世界観を味わえる作品は大好物。私が子供のときには、「こんな世界があったらな」と物語を読みながら想像を膨らませていたものです。
物語のメイン舞台になるのは現代のイギリス。
魔法や人外の存在を空想上でしか認知していない普通の人間も暮らしている社会があります。そして、大多数の人間は認識できない魔法、魔術、妖精や精霊などが存在する世界が、普通の社会のすぐ隣に寄り添っています。
例えるなら、小説『ハリーポッター』みたいな世界観の感じ。
通常は2つの世界が深く干渉することはないんだけど、稀に精霊や魔法使いなどから要請を受けたり、あちらの世界に攫われたり、誘惑されたりして繋がり合うこともあるようです。
登場するのは、ほとんどが魔法使いや魔術師、妖精、精霊、はてはドラゴンなど、人ならざる者が大多数を占めています。普通の人間は、教会関係者や事件に巻き込まれた被害者などごく僅か。
妖精さんたちは人間の常識なんて当然持ち合わせてはいないわけで、彼ら隣人が騒動を巻き起すこともしばしば。
足を踏み入れてみたいと思わせる幻想と夢が溢れた世界であると同時に、触れてはいけない畏れと闇も感じられる世界。このファンタジーと大自然が生み出す壮大な世界観は素晴らしいですね。
人外×少女の交流を描いたストーリー
ストーリーは人間の少女であるチセと、異形の魔法使いであるエリアスとの交流が主軸。
異類婚姻幻想譚と書いてあった通り、チセはエリアスの弟子であると同時に将来のお嫁さん候補です。
怪異を見たり襲われたことはあっても、魔法の世界のことなんて全く知らなかったチセ。対して引き篭りがちで人間の常識には全く無頓着なエリアス。
それ故、お互いすれ違うこともままありますが、一緒に暮らしてお互いを知る中で、理解と絆を少しずつ深めていくというのが主な流れです。
そのなかで、チセは「夜の愛し仔(スレイ・ベガ)」という特異性から、興味を持もたれた他の魔法使い、妖精、精霊、怪異などからちょっかいを掛けられ、ややこしい騒動にも巻き込まれていきます。
魔法バトル的なものも結構見応えありますよ。
優しくて温かい雰囲気のある内容ですが、時には悲しく切ない気持ちになったり、またある時には怖さを感じるエピソードもあります。様々な展開・描写を見られるので、飽きずに楽しむことができます。
孤独だった2人の間に愛と絆が芽生えていく様子
魔法使いの嫁のストーリーの醍醐味はコレですね。
エピソードを重ねていくにつれ、ずっと孤独の中にいたチセの周りには、魔法使いや魔術師、普通の人間から精霊まで、いろんな存在が集まってくるようになります。
空っぽだった心の器にもいろんな思い出や感情が注がれていき、チセの心境の変化や表情の変化がはっきり伺うことができるので、見守ってきた読者としては嬉しい気持ちでいっぱい。
人ならざる者との交流や魔法の修行を始めたことがきっかけで、人間であるチセが人間らしさを得ていくというのもおかしな話ですけどね。
小さい頃から辛い経験をし続けてきたから、物語開始当初は感情というものはあまり読み取れず、笑顔になることも全然ありませんでした。
でも、エリアスとの生活、妖精や精霊たちとの交流、多くの経験を重ねていくうちにいろんな表情を見せるようになります。通常の人間社会では得られなかった大切なモノを、奇しくも人ならざるモノたちの世界と関わったことで手に入れていくんです。
また、変化を伺えるのはエアリスも同様。彼もまた、チセとは違う理由で感情を知らないまま数百年生きてきた存在。
エリアスはまだまだ謎多きミステリアスな存在ですが、そんな彼もチセとのふれあいを通して感情が芽生えていく様子が伺えます。これが実に微笑ましい。
その変化はゆっくりだけど丁寧に描かれてるところが個人的には好印象。
チセやエアリスの個々の変化と成長。そして2人の関係性もゆっくりでありながら、読んでるとその変化に自然な流れで気づかせてもらえる巧みな表現は見事だなと感じました。
アニメ化もされた
また、『魔法使いの嫁 星待つひと』というタイトルで、全3部作からなる完全オリジナルのOVAも製作されています。
さらに、2018年には全24話でテレビアニメ化もされましたね。
キャスト
羽鳥チセ:種﨑敦美
エリアス・エインズワース:竹内良太
シルキー:遠藤綾
ルツ:内山昂輝
アンジェリカ・バーレイ:甲斐田 裕子
サイモン・カラム:森川 智之
リンデル:浪川大輔
ミハイル・レンフレッド:日野聡
アリス・スウェーン:田村睦心
ティターニア:大原さやか
オベロン:山口勝平
カルタフィルス:村瀬歩
2期が来てくれることを願うばかりですが、原作のストックが溜まらないことにはどうしようもないですからね。当分はないでしょう。
アニメも原作の雰囲気をしっかり引き継がれていて、とっても見応えある作品に仕上がっていたので気になった方は是非観てください。
まとめ
いかがでしょうか。幻想的な世界観で織り成す王道ファンタジー。ストーリー、キャラクター、世界観、どこからも魅力を感じられ、私的には現在特に注目している作品です。
こんな人におすすめ
- ファンタジーが好きな人
- 人外×少女モノにハマってる人
- 世界観がしっかりしてる作品を読みたい人
- キャラクターの感情を丁寧描いてる作品を読みたい人
また、この作品の美しい世界観を表現している作者先生の高い画力も素晴らしい。妖精や精霊たちが魅せる幻想的な情景、ドラゴンなど迫力ある存在、温かさ落ち着きを感じるチセとエリアスが暮らす屋敷など、この絵の魅力にいつも引き込まれています。感服感服。
絵柄は作品内容と雰囲気にマッチしていると思います。なにより、チセがすごくカワイイ(これ重要)。
数多くある謎と共に、チセはこれからどう成長していくのか、チセとエリアスの関係はどのように進展していくのか、気になる要素はまだまだ盛りだくさん。
読めば誰かを愛おしく感じるかもしれませんよ。
素晴らしい作品ですので、よければ読んでみてください。
おわり