✓ハロウィンとカボチャの関係は?
✓どうして仮装するの?
こんな疑問を解消します。
仮装、カボチャ、子供がお菓子をねだる「トリック・オア・トリート」の習慣で知られるハロウィン。今では日本の秋を代表するイベントとして毎年盛り上がっています。最近では趣向を凝らした仮装イベントに参加したり、自宅でパーティーを楽しむ方も増えているのだとか。
日本のハロウィンといえば、仮装やパーティを楽しむイベントとなっていますが、本来はどのような意味を持つお祭りなのでしょうか。
この記事では、ハロウィンの意味や由来、仮装やカボチャを飾る理由など、ハロウィンにまつわる基礎知識をご紹介します。
このページの目次
ハロウィンはいつ?
「そういえばハロウィンって何日だっけ?」——10月にある秋のイベントであることは知っていても、正確な日にちが分からないこともありますよね。
POINT
ハロウィンは毎年10月31日
毎年変わらず10月の最終日なので覚えやすいかと。
本来は10月31日のみお祝いするイベントです。でも、実際は本場海外でも数週間前から街の景色はハロウィン仕様に変貌し、連日パーティーやイベントも盛んに行われています。
近頃では日本でもハロウィン風に飾り立ててあるお店をよく見かけるようになりました。
ハロウィンとは|意味や由来
「ハロウィン(Halloween)」とは、キリスト教の諸聖人の日「万聖節(ばんせいせつ)」の前夜、毎年10月31日に行われているお祭り。
「ハロウィーン」「ハローウィン」「ハロイン」と呼ばれることもあります。
万聖節(諸聖人の日)とは
キリスト教すべての聖人を崇敬する祝日。日本でいうところのお盆と似ており、死者の魂が家に帰ってくる日。
その起源は紀元前の古代ケルト民族の時代にまで遡ります。ケルト民族の宗教「ドゥルイド教」が行っていた儀式「サウィン祭」が起源と考えられています。
起源は古代ケルト民族のサウィン祭
サウィン祭とは、夏の収穫を祝い、悪霊を追い払う”新年”のお祭り。
古代ケルト暦では、1年を「昼の長い春
POINT
- 11月1日は祝祭(新年)
- 10月31日はサウィン祭の前夜祭(大晦日)
新年の前夜には死者の世界の扉が開き、先祖の霊が家族のもとに帰って来ると信じられています。お盆と違うのは、一緒に悪い妖精や悪霊も自由に行き来すると考えらえれていたところ。悪霊は作物や家畜に悪さをしたり、子供を攫う考えられていたのです。
そこでケルトの神官ドルイドは、古い火を消して新しい火を焚き、篝火で作物と動物を焼いて神に捧げました。その灰で顔を黒く塗り、仮面をかぶったり仮装をして身を守りながら、魔除けの火を囲んで盛大に祝ったそうです。一説では、悪霊を驚かせて追い払うためとも言われています。この儀式がハロウィンの醍醐味である仮装の原点です。
キリスト教との融合でHalloweenが生まれる:ハロウィンの語源
その後、キリスト教のカトリック系にケルトは侵略され、異教徒であるケルトの宗教はキリスト教化されていくことに。サウィン祭も例外ではありません。
でも、サウィン祭はキリスト教と混じり合いながら、キリスト教圏にも広がっていったのです。
そこで、カトリック教皇は当時5月13日に行われていた諸聖人の日「万聖節」を11月1日に変え、サウィン祭を諸聖人の日の前夜として残しました。
さらにケルト移民はアメリカに渡ると、ハロウィン文化が娯楽的なイベントとしてアメリカで人気を博していきます。
カボチャの「ジャック・オー・ランタン」の由来
ハロウィンのシンボルといえばカボチャ。目・口・鼻をくり抜いたカボチャの中に、キャンドルを灯した「ジャック・オー・ランタン」が有名です。
ジャック・オー・ランタン自体は、古代ケルトの時代から使われていました。でも、現在のカボチャを使ったコミカルな姿とは若干異なります。カブや瓢箪を人の顔の形にくりぬき、その中に燃える石炭を入れていたそうで、見た目はかなり不気味です。
ジャックオーランタンの由来となっているのは、アイルランドに伝わる伝承。
昔ジャックという悪いことばかりする男がいました。
ハロウィンの夜にジャックは魂を奪おうとする悪魔と出会うも、ずる賢いジャックは悪魔を騙し、死んでも魂は取らないと約束させます。
その後、寿命を迎えたジャックでしたが、生前の行いが悪いばかりに天国には行けません。仕方なく地獄へ向かうも、悪魔と約束を交わしたことで地獄にも拒まれてしまいます。
悪魔から元居た場所に戻れと言われ、仕方なく戻ろうとするも、道は真っ暗で何も見えません。
そこで、悪魔に地獄の火を分けてもらったジャック。火をくりぬいたカブに入れてランタンを作り、ジャックはそのランタンを持っていつまでも彷徨い続けたのでした。
いつしかジャックのランタンは「魔除けの火」と伝わり、悪魔を祓う魔除けとして飾るようになったのです。
カボチャのジャックオーランタンが確立したのはアメリカに渡ってから
19世紀にケルト移民がアメリカに渡ると、ハロウィン文化が娯楽性の高いイベントとなって人気になったそうです。そのため、アメリカでも本来の宗教的な意味合いはほとんどありません。
カボチャのジャック・オー・ランタンが確立されたのもアメリカに渡ってからです。
ジャック・オー・ランタンの伝承がアメリカに伝わってから起きた変化はこちら。
- カブや瓢箪から現地で生産が盛んだったカボチャに変化
- 石炭ではなくキャンドルを入れた
このようにして「カボチャのJack o' Lantern」が誕生したのです。現在では善霊を引き寄せ、悪霊達を遠ざける効果があるとして、玄関などに魔除けとして飾られています。
ハロウィンで仮装するのはなぜ?
ハロウィンの醍醐味といえば仮装。日本でも当日は仮装を楽しむ方が年々増加しています。しかし、どうしてお盆のような行事で仮装をする必要があるのでしょうか。
先ほど説明した通り、ハロウィンの日は死者の魂が家族のもとに帰ってきます。それと同時に、いたずらを働く悪霊や妖精もこの世に入って来ると考えられていたのです。
そこで、お化けの恰好をすることによって、悪霊たちに仲間だと勘違いさせて身を守ったと言われています。
また、お化け、魔女、ドラキュラなど、恐ろしい化物の恰好をすることによって、悪霊たちを逆に驚かせて追い払うという意味もあったのだとか。やはり仮装は「魔除け」の意味合いが強かったようです。
ハロウィンの合言葉「トリック・オア・トリート」って?
日本版ハロウィンは大人が仮装して盛り上がっているイメージが強いです。でも、本来は子供のためのイベントで、欧米でよく見る光景がお菓子をねだる子供たち。
「Trick or Treat(トリック・オア・トリート)」
この有名な合言葉を玄関先で叫びながら、仮装をした子供たちが各家をまわってお菓子をもらう風習です。
トリックオアトリートの意味は、「お菓子をくれないと、イタズラするぞ!」。英語を直訳すると「いたずらかおもてなしか」さあどっち?」となります。
それに対して大人たちは、「ハッピーハロウィン!」「トリート」と答えてお菓子を配るのがルールです。
ハロウィンのお菓子の渡し方についてはこちらの記事が参考になります▼
子供に配るハロウィンのお菓子、どんなモノがいいの?正しい渡し方ってある?
トリック・オア・トリートの由来
起源は9世紀ヨーロッパの「Souling(ソウリング)」という儀式。
仮面を被った子供や貧しい人たちが家々を回って、亡くなった家族のために讃美歌を歌ったりお祈りを捧げ、それと引き替えに「Soulcake(ソウルケーキ)」と呼ばれるお菓子(干しブドウ入り四角いパン)やお金をもらっていました。
いつしかソウリングはハロウィンの仮装と融合し、現在のようなイベントを楽しむ意味で「トリック・オア・トリート」が用いられるようになったのです。
一説では、1900年代初期に1人のいたずらっ子がハロウィンでお菓子をもらうため、おどし文句として「Trick or Treat」を用いたのがきっかけだったとも言われています。
今年は思い思いのやり方でハロウィンを楽しもう!
ハロウィンの歴史が浅い日本では、仮装を楽しむためのイベントというイメージが強いかと思われます。そんなハロウィンの起源とされているのは、古代ケルトの時代に行われていた祝祭。
本来は宗教的な意味を持っており、魔除けを目的とした儀式だったそうです。でも、日本やアメリカでは宗教とは関係なく、娯楽イベントとして盛り上がっています。なので、仮装やパーティーを第一目的として楽しむことは決して悪いことではありません。
日本だとトリック・オア・トリート文化はまだまだ根付いていません。しかし、仮装だけでいえば本場海外を凌ぐクオリティ。さらに、この時期の期間限定ハロウィンスイーツや料理も絶品ですよ。
本来の意味やルーツも知っておくと、ハロウィンをより深くを楽しめるかもしれません。今年は家族や友人と一緒にハロウィンを味わい尽くしてみてはいかがでしょうか。
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