こんにちは、ワチイツキです。
世の中には数多くのアイドルグループが存在します。メジャーのアイドル、ご当地アイドル、地下アイドルなど、舞台は違えどさまざまアイドルが活躍中。
アイドルがいれば当然そこには応援するファンが生まれます。大好きなグループや推しメンを本気で応援するドルオタたち。
そんなドルオタの姿を描いた漫画『推しが武道館いってくれたら死ぬ』をご存知でしょうか?
女性アイドルを追いかける女性ドルオタが主人公の漫画。アイドルオタクのカオスな生き様を見られると同時に、百合な展開も楽しめる作品です。
そこで今回は、『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の魅力と面白いポイントを紹介します。それにしても、タイトルのインパクトが強烈です(笑)
このページの目次
基本情報
- タイトル:推しが武道館いってくれたら死ぬ
- 著者:平尾アウリ
- 出版社:徳間書店
- レーベル:RYU COMICS
- 掲載誌:月刊COMICリュウ
- 連載状況:連載中
- ジャンル:アイドル、ドルオタ、百合
あらすじ・概要
岡山県で活動するマイナー地下アイドル【ChamJam】の、内気で人見知りな人気最下位メンバー【舞菜(まいな)】に人生すべてを捧げて応援する熱狂的ファンがいる。収入は推しに貢ぐので、自分は高校時代の赤ジャージ。愛しすぎてライブ中に鼻血ブーする…伝説の女【えりぴよ】さん! 舞菜が武道館のステージに立つ日まで…えりぴよの全身全霊傾けたドルヲタ活動は続くっ! 『まんがの作り方』の平尾アウリ、待望の最新作!!
(引用:
ebookjapan)
もう少し詳しく。
岡山を中心に活動している7人組のローカルアイドルグループ『ChamJam(チャムジャム)』。そのメンバーの中でも、人気最下位のシャイなアイドル「舞菜(まいな)」に人生を捧げたひとりの女性ファンがいた。
彼女の名は「えりぴよ」。
古参にして唯一の舞菜オタであるえりぴよ。普通にしてれば美人でありながら常に高校時代の赤ジャージを纏い、バイトで稼いだ収入は全て推しの舞菜に貢いでしまう熱の入れ様。
舞菜愛が強すぎるあまり、ライブ中に興奮し過ぎて鼻血を噴き出すなど、メンバーやファンの中でも知らぬ者はいない伝説の女になっていました。
「舞菜は私がいなくても何も思わないだろうけど、私の人生には舞菜の1分1秒が必要なんです!!」
舞菜がいつか武道館の舞台に立つ日を夢見て、えりぴよはいつでもどこへでも彼女を追いかける。僅かな交流を求めて、握手券付きのCDを買い占めるドルオタ活動を続けていくのでした。
【推しが武道館いってくれたら死ぬ】の魅力
女性アイドルを熱狂的に応援する女性ドルオタを中心に、推しメンのアイドルを全力で応援するオタクたちの姿と、それぞれの想いを抱いて舞台に上がるアイドルたちの姿を描いた物語
アイドルとファンの両サイドにスポットを当てた百合テイストのコメディ漫画。
この作品の魅力をいくつか挙げるとするなら―
ポイント
- 伝説級の女ドルオタ「えりぴよ」の生き様
- アイドルにハマったオタクたちのファン心理
- えりぴよと舞菜のすれ違う百合ラブコメ
オタ向け全開の表紙イラストのため内容に少し不安を感じましたが、予想に反してすごく面白い!思わずイッキに読んでしまいました。
それでは、ひとつずつ魅力を語らせていただきます。
伝説級の女ドルオタ「えりぴよ」の生き様
地方で活動する地下アイドルグループ「Cham Jam(通称:ちゃむ)」。そのメンバーの1人で、グループ内での人気順位は最下位の「市井舞菜」。そんな舞菜に人生の全てを捧げ、熱狂的に応援し続ける女性ドルオタが本作の主人公「えりぴよ」。(この主人公がヤバイ)
元々は人並みにオシャレを楽しみ、普通に美少女と言える容姿を持つえりぴよ。しかし、桜が満開に咲き誇る公園で、まばらな客を前にライブをしていた舞菜と出会い・・・あっさり一目惚れ。
それから数年後――収入のほぼ全てを舞菜に貢ぎ、持っていた服も売っぱらってCD・握手券に変え、自身は常に赤ジャージ姿という見事なドルオタが完成しましたとさ。
イベントはどこであろうと必ず駆け付けて最前列をキープ、CD・握手券の大量購入も当たり前。舞菜のために働き、舞菜のために積み、舞菜中心の生活・・・というより人生を送る。
シャイな舞菜に塩対応されようとも彼女への愛には一切の曇りなく、
- ライブで鼻血を噴き出し
- 舞菜のために働きすぎてぶっ倒れ
- ドルオタ活動の最中に大怪我もする
などなど、えりぴよのアツ過ぎる姿は同じファンの間でも語り草になり、有名通り越して「生ける伝説」となっているトップオタ。アイドルたちも知らない者はいないほどです
えりぴよの行動は女キャラだからこそ許されてるところが大きく、これが男キャラだったらかなり痛い。想像してみると結構キツイものがありますね。彼女のぶっ飛んだ行動も残念美人の奇行として楽しむことができ、呆れながらクスっと笑えるコメディになってます。
アイドルにハマったオタクたちのファン心理
変人えりぴよを中心に、くまささん・基さんなど、「ちゃむ」を応援する彼等ファンの姿から、アイドルたちに全てを捧げるドルオタの心理や生態を覗くことができます。
私自身はアイドルの追っかけをした経験がないので、ドルオタの行動には理解に苦しむ点が多かったのが正直なところ。
たった数秒の触れ合いを求めてウン万・ウン十万を惜しげもなく注ぎ込み、同じCDをその後の行方が気になるほど大量に購入し、ほんの僅かな時間しか出演しないのに遠方まで赴く。なぜそこまで・・・。
それもこれも、
- 応援するグループが有名になって欲しい
- 推しメンにはもっと前に出て来て欲しい
- そしてやっぱり武道館という夢の舞台に立って欲しい
その熱い想いが彼らを突き動かしているのだと激しく伝わってきました。
彼女たちドルオタは、ファンの中の誰よりも自分が一番あの子を愛してると自負してるんですね。その想いをアイドルたちや周囲のファンに誇示するため、目に見える確かな形として「金・時間・労力・気力」を惜しげもなく注いでいるのかと。
「好き」「愛してる」モノに全力を注ぐということなら、共感できる人も多いと思います。まあただ、やっぱりえりぴよの行動は度が過ぎてますけどね。読めば分かりますけど、「うわぁ・・・」と引いてしまいます。
アイドルあるあると同時に、ドルオタあるあるも楽しめるポイントです。
えりぴよと舞菜のすれ違う百合ラブコメ
ここまでの紹介だけだと、変わり者の女主人公がアイドル追っかけてるだけのコメディ漫画にしか思えないでしょうが、この漫画を面白くしてる要因は他にもあります。
作者先生のデビュー作が百合だったこともあるのか、この作品でも百合的な描写は見所のひとつと言えます。
舞菜への愛を声高々と叫ぶえりぴよですが、いつも返ってくるのは素っ気無い塩対応。しかし、読者には舞菜がえりぴよに対して好意を抱いてることはモロ分かりです。それも結構はやい段階で。
シャイで不器用な舞菜は、えりぴよを前にすると緊張してぎこちない対応になってしまい、それが塩対応に見られてしまってるわけです。加えて、えりぴよのオツムが少々イタタなことも起因して、あらぬ方向に誤解を・・・。
えりぴよと舞菜、お互い好意は持っているのにそれが恋愛感情だとは自覚していないところも面白い。
それゆえ、えりぴよはどれだけ舞菜を愛していても、アイドルとファンとの節度ある距離感はしっかり堅持。舞菜も舞菜でアイドルである自分から彼女に近づくわけにはいかないといった感じで、なかなか距離が縮まらない2人。
2人の想いがすれ違い、勘違いする様はコメディとしも面白いのだけど、やっぱりもどかしくも感じたり。
2人が自分の気持ちに気づいてアイドルとファンとの隔たりを踏み越えることになるのか、はたまたこのままアイドルとファンの関係を維持していくことになるのか・・・その辺りの展開も気になるところ。
【推しが武道館いってくれたら死ぬ】がアニメ化!?
歓喜!
『推しが武道館いってくれたら死ぬ』がアニメ化することになりました。
まだ気になる声優キャストや放送日時・時間などの情報は未公開ですが、ファンとしては期待せずにはいられません。
Cham Jamの歌も聴けそうですね。どんな曲になってるのか楽しみであります。
でもやっぱり一番楽しみなのはえりぴよの暴走・奇行。動いたら余計ヤバイ人になりそうでちょっと怖いけど。
あと気になるのは絵柄。漫画の独特なタッチも魅力の一つなので、アニメでそれがどうなるのかという心配はあります。
それでも、えりぴよを筆頭に個性豊かな可愛い女の子ばかり。彼女たちがアニメになって動いてくれるのは嬉しいかぎりです。
今からたぎってしまいますね。
まとめ
ドルオタ"えりぴよ"のぶっ飛んだ行動が面白すぎる漫画『推しが武道館いってくれたら死ぬ』の紹介でした。
百合要素もあるけどコメディ色の強い作品なので、百合作品に馴染みない人でも問題なく楽しめる内容になってます。
終始主人公・えりぴよの過剰な愛情表現が目立っていましたね。はっきり言ってどん引きする描写も少なくありません。ただ、揺るぎ無い舞菜へ向ける愛情は純粋ですし、時にはカッコ良く見えることもあったり。アイドルたちよりもファンである彼女を応援したくなりました。
私はいまでは完全に「えりぴよ推し」です。
こんな方におすすめ
- ドルオタ(アイドルオタク)に興味がある人
- ローカルアイドルに興味がある人・好きな人
- 百合好きな人
やはり気になるのはえりぴよと舞菜の関係がどう進展するのか。普通のラブコメや百合作品なら最後はめでたく結ばれるものですが、この作品は予測がなかなか難しい。
それでも、2人のもどかしいすれ違う様子と、えりぴよの一途で一生懸命な姿を見てると、できることならHappyな結末を迎えて欲しいと願わずにはいられません。
もちろんアイドル好き、百合好き向きの内容なんでしょうが、意外と広い読者層に楽しんでもらえる作品だと思います。よければ読んでみてください。
おわり。