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2024年の八十八夜はいつ?【意味・由来・お茶との関係性もご紹介】

八十八夜とはどんな日?いつ?お茶との関係は?

✓八十八夜ってどんな日?
✓今年の八十八夜はいつ?

こんな疑問を解消します。

 

♪~夏も近づく八十八夜、野にも山にも若葉が茂る~♪

この歌い出しを聞いたことがある人は多いと思います。『茶摘(ちゃつみ)』のタイトルで広く知られている有名の歌です。

その歌の中に出て来る「ハイ十八夜」が何なのかご存知でしょうか。八十八夜という言葉は聞いたことあっても、意味まで知っている人は少ないかもしれません。

 

そこで今回は、八十八夜の意味や由来、今年はいつなのか、お茶とどのような関係があるのかをご紹介します。

 

八十八夜とは

八十八夜とは?農業との関係

【八十八夜(読み方:はちじゅうはちや)】とは、「雑節(ざっせつ)」と呼ばれる季節を区分する暦日(暦で定められた1日)の一つ。春から夏に移る節目であり、夏の準備をはじめるのに縁起が良い日とされています。

雑節とは

「二十四節気(1年を24等分したもの)」や「五節句(季節の節目の行事)」以外の、季節の節目を知るために設けられた暦日。

二十四節気は中国で作られた暦であるため、日本の気候とは少しズレがあり、それを補うために設けられた日本独自の季節の節目を知る目安です。

■雑節一覧

  1. 節分 ⇨ 2月3日ごろ
  2. 彼岸 ⇨ 春分(3月21日ごろ)・秋分(9月23日ごろ)の日を中心に前後7日間
  3. 社日 ⇨ 春分・秋分の日に最も近い戊の日
  4. 八十八夜 ⇨ 5月2日ごろ
  5. 入梅 ⇨ 6月11日ごろ
  6. 半夏生 ⇨ 7月2日ごろ
  7. 土用 ⇨ 四立(立夏・立秋・立冬・立春)の直前約18日間
  8. 二百十日 ⇨ 9月1日ごろ
  9. 二百二十日 ⇨ 9月10日ごろ

雑節は日本の風土・暮らし・文化に根ざした暮らしの知恵であり、八十八夜もその内の一つを示す季節の目安です。

 

雑節の詳細はこちらの記事をご覧ください▼

日本で生まれた暦「雑節」の意味と一覧【二十四節気との関係も簡単に解説】

 

農作業開始の目安となる節目

八十八夜は農業とも縁の深い日です。八十八の字を組み合わせると「米」になります。農家では稲の種まきや茶摘みなど、農作業を始める目安にもされていました。

4月は気候が不安定で霜も降りることがあり、種まきをしても作物が大きな被害を受けることがあります。5月に入ると気候は安定し、八十八夜を過ぎるとほとんど霜も降りることはりません。これを「八十八夜の別れ霜」と言われており、農作業を開始する目安とされてきたのです。

POINT

そもそも、雑節や二十四節気自体が農業の目安として作られたという背景があります。

気候の影響を受けやすい農業において、季節の気候を把握することは何より重要視されてきました。科学で天気を予想できる現代とは違い、昔は自然のサイクルや生き物を通して季節の移り変わりを確認・判断していたのです。

そのため、雑節や二十四節気のような季節の変化を読み取り、「○○の時期は○○をする」という農業の目安となる暦が作られました。

 

2024年の八十八夜はいつ?

八十八夜はいつ?

八十八夜はいつ?

【八十八夜は毎年5月2日ごろ】

毎年2月4日ごろに迎える立春(第1日目)から数えて88日目を指します

八十八夜は年ごとに日にちが変わるため注意は必要ですが、日にちが大きく変わることはありません。その年が「うるう年」かどうか(2月29日の有無)によって基本的に1日ズレます。

 

八十八夜の年ごとの日ちにはこちら▼

  • 2022年 ⇨ 5月2日(月)
  • 2023年 ⇨ 5月2日(火)
  • 2024年 ⇨ 5月1日(水)
  • 2025年 ⇨ 5月1日(木)
  • 2026年 ⇨ 5月2日(土)

 

八十八夜とお茶との関係

八十八夜とお茶との関係

茶摘みの光景を歌にした童謡『茶摘み』の中で八十八夜について歌われています。そのため、八十八夜からお茶をイメージする人が多いようです。

1.夏も近づく八十八夜
野にも山にも若葉が茂る
あれに見えるは茶摘ぢやないか
あかねだすきに菅(すげ)の笠

2.日和つづきの今日此の頃を、
心のどかに摘みつつ歌ふ
摘めよ摘め摘め摘まねばならぬ
摘まにや日本の茶にならぬ

新茶の茶摘みが行われるのは、お茶どころで有名な静岡だと4月下旬から5月上旬にかけて。産地によって差異はありますが、全国的にちょうど八十八夜のころに摘まれた茶葉が新茶(一番茶)として飲まれています。

 

八十八夜に摘まれた新茶(一番茶)

八十八夜のころに摘まれる新茶は、前年の秋から寒い時期の間にたっぷり養分を溜め込み、春の訪れを合図に一気に芽吹いた茶葉です。

一番最初に摘まれる新茶は収穫量が限られているため、希少価値が高いお茶となります。また、栄養価が高いことから、新茶を飲むと無病息災・長生きできると考えられていたのだとか。

ちなみに、6月下旬から7月上旬に摘まれる茶葉が二番茶。7月末から8月下旬に摘まれる茶葉が三番茶と呼ばれています。

八十八夜に摘まれる新茶の特徴

二番茶等に比べてカテキン(渋味)やカフェイン(苦味)が少なく、うま味成分のアミノ酸を豊富に含んでおり、若々しい爽やかな香りが特徴

 

八十八夜を機に夏の準備を始めるのも吉

日本独自の季節の指標である雑節。5月1日ごろの八十八夜も雑節の一つとして、春から夏へ移り変わる節目の日とされてきました。昔は農作業開始の目安にもされていたようです。

雑節は日本人の暮らし・生活文化に合わせた暦なので、現代においても夏の準備を始める目安に使われることがあります。また、この日は末広がりと言われている「八」の字が重なる日でもあり、とても縁起の良い日と考えられています。

八十八夜は春から夏に変わる節目の日。ちょうどゴールデンウィーク真っ只中でもあるので、服や寝具を夏用に変える目安としてみてはいかがでしょうか。

 

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